ゲーム概要
ゲーム名 | 龍の国 ルーンファクトリー |
ジャンル | RPG、アクション、アドベンチャー、ロマンス |
プレイ人数 | 1人 |
プレイ時間目安 | 寄り道少な目なら50時間(初回クリア)+10時間(裏面)くらい? 筆者の場合は初回クリアが70時間 裏面まで完全クリアが95時間 |
販売形態 | Switch,Steam |
価格 | 7678円 ※恋愛対象(イベントの増加)を考えると、DLC込みで9328円 |
参考URL | 公式 https://jp.runefactory.com/ryu-no-kuni/ Steam https://store.steampowered.com/app/2864560/_/?l=japanese |
一口メモ | 遊びやすさとストーリー性(キャラクター性)に重点を置いたルンファクシリーズ外伝 |
公式PV
はじめに
本サイトは基本的に1週間~2週間に1回更新でやっているのですが、リアルが忙しかった事もあり、今回は1ヶ月ぶりの更新となりました。そんな中遊んでいたのが、今回紹介する龍の国 ルーンファクトリーになります。
ルーンファクトリーシリーズというと、牧場物語的な、村での農業・牧畜生活を営みつつ、そういった生活を通してスキルを鍛え、装備も鍛える事で、最終的にダンジョン攻略を目標としている所謂アクションRPG的な要素が強いゲームシリーズになっています。
本作は歴代シリーズに比べると、そういったシステム面はかなり簡略化されているので、従来のゲームシリーズのシステム面が好きな人からすると、物足りないといった感想を度々見かけるような状態になっています。
一方で個人的な感想としては、歴代シリーズに比べると全体的なキャラクター描写(扱い方)が優れており、恋愛対象ではないサブキャラクターまで含めて1人1人にかなり愛着を持ちやすいゲームなのではないかと思いました。
また色々と賛否があった前作5から、グラフィック面においても、システム面においても大きく改善されており、立ち絵の廃止などがされているにも関わらず、こういった面においては殆ど不満を感じる事はありませんでした。
今回はそんな龍の国 ルーンファクトリーについて、カジュアルな感じで紹介出来たらと思います。
※ストーリーが魅力的な作品なので、ストーリーの内容に関する具体的なネタバレは避けておりますが、ストーリー進行に合わせて恋愛候補が増えたりする関係上、どういった人物が恋愛候補として出てくるかといった事は触れておりますので、ネタバレ要素自体はあります。この点にはご留意ください。
※1週目ハードを裏面までクリアした時の感想になります。
魅力的なキャラクター描写
本作は全部で25人(里に定住しないゲストキャラクター2人及び子供1人を含めるなら28人)ものキャラクターが存在しますが、どれも魅力的なキャラクター達になっています。ルーンファクトリーシリーズ自体、キャラクター描写はかなり安定して良質なイメージがありますが、本作はそういった流れを踏襲しているといえます。
そして個人的に特に良かったなと思うところが、各シーンで全キャラ満遍なく登場する所でしょう。例えば本作にはメインクエストとは別に、絆クエストというものがあり、これは恋愛候補を深堀するためのクエストになっているのですが、対象のキャラクター以外も絆クエストで登場するおかげで、絆クエストの対象キャラクター以外も、絆クエストを通して深堀されている事が多いです。
また絆クエスト上に登場するキャラクターに関しても、あまり偏らないように意識的に配分しているのではないかと感じられ、メインクエストだけでなく絆クエストもしっかり触れた場合、所謂影の薄いor印象の薄いキャラクターがいないという点がかなり好印象でした。

↑里に定住するキャラクターは子供を含めると全部で26キャラ
ルンファク3の時のような非常に癖の強いキャラはいないが、それはそれとして皆個性的
※1名伏せられているのはストーリーとの関係で特に大きなネタバレになると思ったため

↑画像は左手前側にいるピンク髪の女性ひなの絆クエストでの1シーンだが、
絆クエスト上でもサブキャラクター含め色々なキャラが登場する
このため絆クエストのないサブキャラに関しても印象に残りやすい

↑極一部里にも定住しないキャラクターが存在するが、
そういったキャラも絆クエスト等々で出てきてくれたりはする
↑サブキャラ含め交流も多種多様であり、料理作りなど何気ない1シーンでも印象に残りやすい
従来シリーズに比べボイスも大幅に増えているので、そういった所もキャラの印象付けに貢献している
全体的に洗練されたグラフィック及びゲーム作り
ルーンファクトリーはもともとDS向けシリーズという事もあり、グラフィックはかなり粗いものの、そういった所を立ち絵で補完するといった形になっていました。前作5でswitch(据え置き)向けになったものの、まだ従来シリーズの延長線上という印象が強かったです。
一方で本作は、立ち絵を廃止というかなり挑戦的な内容になっているのですが、それでも充分見られるような出来になっており、立ち絵がなくとも表情の変化などが楽しめる仕上がりになっています。※立ち絵の廃止自体は、Wii向けにリリースされたルーンファクトリー オーシャンズでも行われており、本作が初めてではありません。オーシャンズに関しても当時としては十分な出来だったのですが、今回の作品でこの表現形式が格段に洗練され、進化を遂げたことを考えると、感慨深いものがあります。
またゲーム作りという面においても、UIはかなり見やすいものになっている他、新たに用意された里作りシステムに関しても、見下ろし視点で色々管理できるようになっており、この手のビルド系ゲームを色々と参考にしているのかなと感じるくらい、すぐに慣れる事が出来ました。
細かい所で言うと里作り中は時間経過しないようになっているので、この画面で農作等も済ませると、従来に比べてかなり時間的な余裕を作れるというのも個人的には良かった点です。
※従来は昼頃まで農作と牧畜に励み、町中へ仕入れの買い物をしながら住民の好感度を上げ、更に農業以外の作業に勤しんで一日が終わるというパターンが多く、ダンジョン攻略等を進めるには農作以外の作業を一旦放置して挑むといった感じで、かなりカツカツになりやすかった。

↑立ち絵等は廃止されたが、今作の3Dキャラグラフィックは非常に洗練されている
画像は恋人候補の1人であるクラリスで上から普段着、着物、結婚衣装

↑なお衣装でいうと本作は普段着1着、着物1着、水着2着、結婚衣装1着が用意されている
個人的には普段着がもう少し用意されていると嬉しかったが、着物姿があるだけ有り難い
なお画像は水着の例

↑ついでに紹介しておくと自分の子供もかなり可愛い
子供自体は基本的にクリア後の要素のためか、ストーリーへの関わりが薄いのは惜しい所

↑本作の里作りシステムは見下ろし視点等もしっかり用意されており、建築が容易
更にこの画面で種植え、水やり等も行えるのでかなりカジュアルになっている

↑里作りに関してはしっかり行うとそれなりに絵になる
画像に写っている建築物はほぼ筆者が実際に建てたもの
惜しむらくは農作業や牧畜作業以外では里人は開拓地を殆ど彷徨いてくれない点
かなり無茶苦茶な配置も出来るので仕方ないのかもしれないが、少し寂しい

↑UIで言うと、例えば好物等が判明した場合、毎回画像のように表示してくれるので、
一々このキャラの好物なんだっけ?と確認する必要がなく、こういった点も遊びやすかった
それなりに上がったアクション性
昨今のゲームだと標準搭載されているジャスト回避が本作では導入され、アクション性はそれなりに上がっています。従来の作品だとステップ回避はあったのですが、こちらはあくまで相手の攻撃範囲から逃れたりなど、ヒットアンドウェイするために使うものでした。ジャスト回避は一定時間無敵になり、完全に攻撃チャンスになるので、従来の作品に比べるとかなり快適に戦う事が出来ます。
従来の作品にあった武器スキルやルーン魔法自体はないのですが、神器といった形で範囲回復を行ったり、竜巻を飛ばしたりといった事は出来るため、敵に合わせて神器を切り替えながら、ジャスト回避しつつ相手を攻撃していくような戦闘スタイルになっています。
なおアクション性に関連して難易度に触れておくと、基本的には簡単よりなゲームだと思います。従来だと装備の強化が順調なら火力のゴリ押しで滅茶苦茶簡単になり、そうじゃなきゃしっかり相手の行動を見なければ少々難しいといった感じでしたが、装備更新がかなり簡単になったこともあり、特にジャスト回避を使えればかなり簡単です。※ジャスト回避自体は成立判定がかなり緩いので、簡単に行える。
一応ハードのクリア後ダンジョンなどは、2回3回被弾するだけで致命傷になるパターンが多いですが、その代わりにこちらも相手を一撃二撃で吹き飛ばし得るバランスになっているので、やはり全体的な難易度はハードにしても低いと思います。
↑アクション性の例としてクリア後ダンジョンのボス戦の動画
ハードだと相手の火力自体は高いが、プレイヤー側の火力も高いので結果的に簡単な方
システムが簡略化された事をどう捉えるか
本作は従来のシステムが殆ど廃止され、かなり簡略化されたものになっています。これを好意的に捉えるならば、新規向けにかなり遊びやすくなっていると言えますし、悪く捉えるならば、やり応えがなくなったとも言えます。私自身としても、この簡略化は良かった点もあるし、悪かった点もあるように感じています。
例えば従来のルーンファクトリーだと、素材ごとにステータス(例えば鉄に防御力+1など)が用意されており、これを武器や防具に投入したり、家畜(魔物)にあげたりすると、その分ステータスが強化されるというシステムがありました。同じ素材を大量に投入すると効率が落ちる関係上、武器強化のために色々な素材を集める必要があります。
このため従来のルーンファクトリーだと、素材集めにも色々と工夫の余地があり、素材を集める動機もあったのですが、今作の場合は一度武器を作る素材を集めてしまえばそれで充分であり、その素材の大半も里人が勝手に集めてくれるので、ストーリー進行上内で十分対応出来るような、かなり簡素なものになっています。
つまり武器防具作りにおけるやりこみ甲斐がないわけですが、裏を返すと、こうした武器防具作りのために一々奔走しなくとも充分ストーリー攻略を行えるため、テンポよく遊べて、ストーリー完走率は高いという面もあります。実際筆者の場合、ルンファク4などでは、一旦武器作り等で途中で満足して辞めてしまい、その後時間を開けてもう一度触って満足して遊んでまた中断して~を繰り返してクリアした思い出があります。
※なお参考として、Steamの実績達成率を見てみると、2025/07/13時点でルンファク4のクリア実績が19.2%、龍の国の初回クリア実績が29.4%、裏面クリア実績が9%になっており、この手のストーリー物のクリア実績は30%前後になる事が多い。
また従来のルーンファクトリーシリーズファンから見た場合もどうかという場合にも、ナンバリングシリーズのみを触れてきたプレイヤーならば物足りないでしょうし、龍の国と同様に簡略化が行われた外伝作であるオーシャンズ等も受け入れられた人ならば、そこまで気になるようなものでもないので、一括りで評価しにくく中々難しいポイントになっています。
色々こねくり回しましたが、結局の所、どこを重点に置くかという話であり、ストーリー面やキャラクター性、そして農業牧畜はあくまで雰囲気でも十分だと考える人ならば、本作を楽しめるでしょうし、あくまで農業や武器防具作りに拘りたいという人ならば、おススメしにくいというのが一番簡単な評価になるのではないでしょうか。

↑画像のように素材を集めて、武器を更新続ければストーリー進行に困る事はない。
やりこみ的評価はマイナスだが、ストーリー進行的にはプラスというなんとも言えない感じ

↑簡易化による賛否両論のポイントを重点的に触れたが、良くなったなと思える点も
1日の行動に応じて汎用スキルポイントが配られるようになったため、
例えば鍛治スキルを上げるために只管鍛治だけをするだけでなく、
汎用ポイントを貯めてそちらを投入するといった遊び方も出来るようになっている

↑なお農業に関しては基本的に村人に任せて放置出来るのだが、
作物のレベルを効率良く上げたい場合にはプレイヤーが農作をやった方が良いので、
巷で言われてるほど完全放置みたいな形にはならない
画像は筆者が実際に作物レベル上げを行う際に作った畑の画像
おわりに
以上龍の国 ルーンファクトリーの紹介になります。
前作ルーンファクトリー5の初期の評価の影響もあり、今作龍の国 ルーンファクトリーも発売前はかなり心配されていた印象があるのですが、実際に出てきたものを遊んでみると、ストーリーを中心に非常に楽しめる内容のものとなっていました。
システム面に関しても、簡易化されたとはいえ十分楽しめるようなものになっています。本作は新規層向けに十分遊びやすい形になっているので、この遊びやすさと、従来の作品におけるやりこみ要素が上手いこと調和した次回作が出ればより良いなと将来への期待も持てるような作品でした。
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