【レビュー】HELLDIVERS2(ヘルダイバーズ2)
-敵の大群に抗う管理民主主義シューティング-

レビュー
ゲーム名HELLDIVERS2(ヘルダイバーズ2)
ジャンルTPS(※1人称エイム対応)、アクション、宇宙、協力プレイ
プレイ人数1人~4人
(※中難易度までは一応ソロ攻略可能だが、高難易度は4人揃わないと無理ゲー。野良マッチングでプレイ出来る。)
プレイ時間目安ゲーム形式上明確な終わりはなし
10時間~15時間でレベル20(基本的な装備が整う段階)に到達
販売形態Steam及びPS5
価格4480円
DLCで2000のスーパー市民セットがあるが、ほぼお布施的内容
日本語化の有無公式で日本語対応済み
参考URLPS5
https://www.playstation.com/ja-jp/games/helldivers-2/
Steam
https://store.steampowered.com/app/553850/HELLDIVERS_2/
一口メモ中難易度まではドンパチしつつ、高難易度では隠密パートを活かす協力アクションシューティングゲーム

今回はロボや虫相手に最大4人で挑む協力TPSのHELLDIVERS2についてご紹介致します。

前作は見降ろし型協力シューティングだったのに対して、協力TPS(サードパーソンシューティング)へとその基本的なゲーム性を変化させた今作。前作までのFF(フレンドリーファイア)を前提とした上で、段々と高難易度ミッションへと挑んでいくゲーム設計を引き継ぎつつ、TPSならではの派手な戦闘シーンや、協力プレイが前提であるにも関わらず気軽に遊びやすいゲーム性が魅力的なゲームとなっております。

本作はそのゲーム性を説明する際にL4D(レフトフォーデッド)や地球防衛軍などに例えられる事例をいくつか見かけるのですが、確かに部分的にはそれらのゲームに似ている一方で、独自の要素も多く、そういったHELLDIVERS2の特徴を抑えた紹介が出来たらと思います。

まずゲームの特徴について触れる前に、本作のゲームの流れについて抑えておきたいと思います。

簡単なゲームの流れ
・準備パート
 ①ミッションの選択
 ②落下場所の指定
 ③装備の選択
・ミッションパート
分岐A:防衛・殲滅系ミッションを選択した場合
  →終始戦闘し続けるタイプのミッション
分岐B:通常ミッション(分岐A以外のミッション)
  →広大なマップでメイン目標やサブ目標の達成に挑む
   ①隠密フェーズ②戦闘フェーズ③脱出フェーズ
・リザルト

準備パート

①ミッションの選択

ホストプレイヤーがミッションを選択する。ミッションには様々な形式がある他、難易度によっては複数フェーズが存在し、フェーズ毎に報酬が貰える一方で、全てのフェーズを達成する事でそのミッションを完全にクリアした事になる。
※HELLDIVERS2はミッションを完全クリアする事で1つ上の難易度に挑戦出来るようになる。

また野良でプレイする場合、ミッション選択後にマッチング待機状態になるため、人が集まるまで待機する事となる。

↑例えば難易度スイサイド(高難易度)以上だと1つの作戦に3つのミッションが存在する。ミッションを1つクリアする毎に報酬が貰えるが、全てのミッションを達成して作戦を成功させなければ1つ上の難易度は解放されない

②落下場所の指定

ホストプレイヤーが落下場所(スタート地点)を選択する。この画面ではメイン目標/複数あるサブ目標のうちの1つ/脱出場所がそれぞれ見えるため、効率良くミッションを達成出来そうな場所を指定する。また目標周辺などは敵がいる危険地帯となっており、危険地帯に降りると目標の目の前に降りての時短が出来る一方で、開幕戦闘に突入してしまうため、大抵は安全地帯に降りるようにする。

↑事前にいくつかの情報が表示されるので、情報を踏まえてミッションの計画を立てる

③装備の選択

落下地点を指定したらいよいよ装備を選択してミッション開始となる。簡単なミッションの傾向性を確認出来るため、ミッションの難易度や傾向性に合わせた装備選択をする。

↑戦略支援を1人辺り4つ装備可能。戦略支援は1つ1つが強力なものとなっており、他プレイヤーと戦略支援が被っても問題なく使用できるため、ミッション内容や好みに合わせて戦略支援を選んでいく。

ミッションパート

分岐A:防衛・殲滅系ミッションを選択した場合

防衛・殲滅系のミッションを選んだ場合、ミッションパートでは最初から敵に発見されており、サブ目標が存在せず、メイン目標達成まで終始戦闘状態となる。目標達成後はそのまま脱出。

分岐B:通常ミッション(分岐A以外のミッション)

大抵のミッションがこちら。敵に未発見の状態から始まる。メイン目標のほかにサブ目標や一部探索要素が存在するため、探索しつつもメイン目標の達成を目指す。

↑探索するとレアアイテムが落ちている倉庫(画像左)やサブ目標(画像右:画像のは任務を達成すると使える戦略支援が増える)を発見する事が出来るため、メイン目標を達成しつつマップ探索も行うのが本ゲームの売りの1つとなっている。

↑中には画像のように一定範囲を視界不良にする胞子と呼ばれるサブ任務目標など、プレイヤーに害をもたらすタイプの任務目標もあり、任務を有利に進めるために探索が必要になるパターンもある。

①隠密フェーズ

敵に未発見の状態。敵に発見されると援軍を呼ばれ戦闘フェーズに突入するため、支援装備の用意やタレットの設置などの事前準備や、空爆・砲撃による先制攻撃を行う。敵は目標を守るように配置されている他、マップを巡回するパトロール部隊が巡回しており、高難易度では戦闘になると大混戦に突入するため、パトロール部隊に見つからないように目標まで移動する事が大切になる。

②戦闘フェーズ

敵に発見された状態。大抵増援が呼ばれる他、一度戦闘に突入すると敵はかなりの距離を執拗に追いかけてくるため、殲滅orガン逃げが基本になる。増援含めて敵を全て倒すor認知範囲から逃げる事が出来れば隠密フェーズに移行する。

↑例えば虫勢力だと煙(フェロモン?)を上げて増援を呼び出す。この増援は高難易度だと大型の敵も普通に湧いてくるため、難易度に合わせて立ち回りを変えていく。

③脱出フェーズ

メイン目標を達成した上で脱出ポイントで脱出用の航空機を要請すると突入するフェーズ。脱出ポイント内で2分間敵の猛攻に耐え続け、その後やって来た航空機に乗り込む事でミッション達成となる。

なおメイン目標さえ達成していれば、脱出そのものに失敗しても経験値以外の報酬は貰えるようになっている。また制限時間以内に目標を達成出来なかった場合も強制的に脱出フェーズに突入する。
※制限時間を超えると戦略支援を受けられない状態になるが、これは脱出フェーズの2分間においても反映される。そのため制限時間ギリギリで脱出フェーズに移行してしまった場合、途中で戦略支援・装備弾薬の補給・リスポーンが一切受けられない超高難易度状態に突入してしまう。

↑2分間耐えきったりなど条件を満たすと迎えがやって来るため、無事搭乗出来れば帰還成功となる。

リザルト

メイン目標の達成・サブ目標の達成数・脱出に成功した隊員の人数・敵基地(敵の巣)を潰した数・残り制限時間の5つの項目の達成度に応じて報酬が決まり、最後に難易度ボーナスが加算されたものが最終報酬となる。ここで貰える報酬を使って支援装備の購入や装備の強化を行う。

↑最終的な任務達成数に応じて報酬が貰える

①ゲーム設定の割にカジュアルに遊べる

HELLDIVERS2はFF(フレンドリーファイア)があり、高難易度設定も有りというゲーム性にも関わらずかなりカジュアルに挑めるゲームとなっています。例えばHELLDIVERS2では1人増える度に5回のリスポーンのが追加され、4人パーティ時で20回ものリスポーン機会があるなど、FFを前提に置いたゲーム性となっております。そのためよっぽど何度も何度もFFしなければ、多少のFFは気になりません。また高難易度に挑む際も、暗記必須の行動がなく、しっかりした装備を用意して無理に戦闘しない事さえ抑えておけば戦って行けるため、無理なく遊べるゲーム性が一番オススメ出来るポイントとなっています。

②大活躍する戦略支援

個人的にHELLDIVERS2の気に入っている点として、戦略支援がしっかり活躍する所も挙げられます。例えばタレット系の武器はAI制御なども相まって文字通り支援レベルに留まる事が多いのですが、HELLDIVERS2の場合は弾数制限や時間制限がある代わりに、起動してる間はプレイヤーレベルの火力を安定して供給してくれます。戦略支援1つ1つが大活躍しうる物となっており、いかに強力な戦略支援を活かすかがプレイヤーの腕の見せ所となっています。

↑敵単体しか攻撃しない代わりに大型の敵まで一撃で持って行くレールキャノン(画像左)や状況に合わせて使用すればプレイヤーが一切攻撃しなくとも敵を殲滅し得るタレット兵器(画像右)など、非常に強力なものが揃っている。

↑虫勢力相手なら高台にタレットを置くことで一方的に攻撃出来たり(画像左)、高低差が激しいマップでは迫撃砲が活躍したりなど(画像右)状況に合わせて活躍させたい。また迫撃砲の画像では途中で迫撃砲の攻撃をプレイヤーが受けているが、当然戦略支援でもFFが発生する。そのためなるべく巻き込まずに攻撃出来る環境を意識して使いたい。

③高難易度で変わる要素はあくまで物量や質

高難易度というと単純に敵のステータスが上昇するパターンが多いかと思いますが、HELLDIVERSの場合は、敵のステータス据え置きであくまで大型の敵の同時出現数が増加したり、増援で湧く敵のウェーブ数が増えるなど、あくまで物量や質が増えるタイプの調整となっています。そのため難易度によって必要弾数が変化するといった事もないため、大物狩りの装備が高難易度だと使えなくなるといった事態も起こらず、装備毎の役割は難易度で変化する事はありません

④課金要素はあるもののゲーム内で稼ぐ事が可能

ゲーム内にはスーパークレジットと呼ばれる課金購入出来るマネーがあり、このマネーでのみ購入出来る装備や所謂バトルパスのようなものがあるのですが、このスーパークレジットはミッション攻略中に落ちている場合があります。そのため現状はこの課金要素はあくまで時短要素に留まっています
注意点としては前作はDLCを大量に出すタイプのゲームだったため、今後の課金要素が果たしてスーパークレジットによるものなのか、DLCを前提としたものになるかは不明です。

⑤SF風の外連味のある世界観

HELLDIVERS2はSF風の世界観を軸としており、プレイヤーはスーパーアース軍のエリート部隊であるヘルダイバーズとして戦う設定となっています。そしてこのスーパーアース軍は本記事のサブタイトルにもなっている管理民主主義を推す軍隊となっており、これが非常に外連味の効いた主義となっています。ヘルダイバーズは地球を守るためだけでなく、銀河に管理民主主義を浸透させるために戦っており、このような世界観があるからこそ、明確なストーリーがない(所謂ストーリーモードがない)にも関わらず、ある意味カジュアルに遊べる雰囲気が作られていると言えます。

↑PS版の敵を説明した画像の1つ。単純な敵の説明に留まらず、管理民主主義の突飛さが表れている。

①製品版だけどアプデ前提のアーリアクセス的なゲーム

本作は製品版として販売されていますが、アプデを前提としているような要素がかなり見えます。例えば前作だと敵勢力は全部で三勢力あったのですが、今作ではニ勢力となっており、マップ上においても異様に空白が目立っています。前作にはロボや装甲車など乗り込むタイプの支援要請があったにも関わらず今作ではオミットされているといったものもあります。
個人的に気になっているのは、支援装備の購入やその強化がかなり早期に終わるように出来ており、支援を強化するための金策が本作の重要な要素にも関わらず直ぐに終わってしまうため、将来的なエンドコンテンツがなく、このような所もアプデ前提なのではないかと感じる所です。
※なおリアルタイムで変化するキャンペーンを売りにしているようなのでそういった面からもアプデ前提の雰囲気を感じている所はあるとは思います。
また予想よりも大幅に売れた事から、マッチングなど鯖に関わる不具合が多く、今現在も修正系のアプデが盛んに行われており、不具合対応に追われている現状があります。ゲームの価格自体は安めでありますし、現状でも十分遊べる内容量自体はあるものの、現状で完成形とは言えない点は気になる所です。

↑例えばミッション選択画面だと地球を中心に左右に敵勢力が展開しているが、上下は不自然なほどにスカスカになっている。

②支援のバランスはそこまで良くない

オススメする点で述べたように戦略支援自体は大活躍するのですが、一方でそのバランスに関しては微妙な所です。例えば支援装備に関して言うと、低レベル(5レベルまで)から中レベル(10レベル)までに支援出来る装備はあくまで高レベル(20レベル)までの繋ぎに過ぎない面が強く、ほぼ結論装備と言えるものが定まっている状態にあります。将来的にアプデなどで使い分けが出来る調整がされる可能性は一応ありますが、現状だと支援のクールタイムなども種類毎に一律揃っているものが多い事もあり、細かい使い分けが難しい状態に置かれています。

以上がHELLDIVERS2の紹介記事になります。
近年はPvETPS(シューティング)があまり出てこなかった事もあり、そういった事もあって久々に世間的に大ハマりしたのが本作なのではないかと思います。
通信面の問題もあり現状では一部不安もある本作ではありますが、値段もそこそこでカジュアルに遊べるだけあって、触れやすい作品になっています。

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