【レビュー】ユニコーンオーバーロード -ファンタジー風で手堅く遊べる戦略SRPG

レビュー
ゲーム名ユニコーンオーバーロード
ジャンルシミュレーションRPG
プレイ人数1人
※オマケ的要素として対人コンテンツがあるが、
オンラインからデータをダウンロードして戦うオフライン方式
プレイ時間目安サブクエスト等もやって一周50~60時間程度
販売形態Nintendo Switch、PlayStation、Xbox Series X/S
価格8778円
参考URL公式
https://unicorn-overlord.com/
一口メモグラフィックの美麗さやデザインの良さが目を引くも、ゲーム性も王道で手堅い。

今回ご紹介するのは、ヴァニラウェアがアトラスとの共同開発した戦略SRPGのユニコーンオーバーロードです。

ヴァニラウェアというと、ドラゴンズクラウンや朧村正など昔からヴァニラウェア特有の美麗な2Dグラフィックが特徴的ですが、本作でもその流れに準じたものとなっており、格好良い/可愛いキャラグラフィックが目を引く作品となっています。

一方でゲーム性も手堅いものとなっており、戦略系のシュミレーションRPG初心者でも非常に遊びやすいゲームとなっています。

↑ヴァニラウェアの過去作の代表例。所謂アニメ調ながらもタッチの濃いグラフィックが特徴となっている。

①多種多様なクラス(職業)やキャラクター

ユニコーンオーバーロード最大の特徴はやはり多種多様なキャラクター達の存在が挙げられます。

クラスだけでも40数種類(※昇格システムがある関係上、下位職を含めるなら60数種類)も存在し、ファンタジー風の世界観なため、人間だけでなくエルフ、獣人、天使といった種族が存在するゲームとなっています。

仲間になるネームドキャラクターにしても、老若男女様々なキャラクターが60人以上も仲間になりますが、それとは別にさらにモブキャラクターも傭兵として雇えるようになっているため、実質的に傭兵も含めれば100以上ものキャラクターが存在しているとも言えます。

↑傭兵(モブ)だけを取り上げてみてもこの多様さ
人間だけでなくファンタジーらしい多種族となっており、騎乗生物などもファンタジー色が強い。

↑個人的好みで言うならば、フルフェイス系のキャラクターが多いのも好みなポイント

②様々な選択肢が取れる奥深い戦闘要素

本作はグラフィックだけでなく、戦闘面でも多様な選択肢が存在して面白いゲーム性となっています。

まず本作の重要な点として、1回1回の戦闘そのものは自動戦闘となっています。戦闘中にプレイヤーが介入出来る要素は0です。それではどうやって戦っていくのかというと、編成の組み方・装備の取捨選択・技の使い方の事前指定の3つを組み合わせて戦っていく事になります。

この事前準備の組み方1つで戦闘結果が大きく変わってくるため、敵と接敵する前にあーでもないこーでもないと考えるのが楽しい作品となっています。また、事前準備で全てが決まると聞くと一見ハードルが高いように思うかもしれませんが、この準備は戦闘ギリギリまで設定出来る項目が多い上に、敵に接敵したらどうなるかの事前予想が見れるようになっているため、事前予想を見ながらどの編成が最適かゆっくり考えられるようになっています。

↑例として約2分間戦闘し続けてるが、この戦闘の間はプレイヤーの操作は一切介入していない。
互いにバフやデバフをかけ合いながら殴り合い、どちらかが倒れるor行動値が尽きるまで戦い続ける。

なおこの戦闘画面そのものはスキップが可能であるが、戦闘画面を見る事で、敵のどの攻撃でダメージを食らったのか?といった原因を探る事が可能となっている。そのため余裕を持って敵を倒せる場合にはスキップし、ボス戦やギリギリの戦闘では戦闘画面を見る事で苦戦している原因を探るといった使い方が可能になっている。

↑この画像のように、技をどのようなタイミングで使うか事前に指定できる

画像はバンプアップという自己回復技の使い方を指定しており、デフォルトだと1ダメージだろうと攻撃を受けた瞬間に発動してしまうため、自分のHPが75%以下になったら発動するように指定する事で無駄なく回復出来るように設定している。

↑装備の選択肢も豊富。画像は重装備キャラが装備出来る大楯の1事例。

画像左は重装の回避力を中装キャラ並みに改善する蜃気楼の大楯で、右は重装が弱点になりがちな魔法系に対して補強する魔鉄の大楯。ここにアクセサリー系を装備すれば更なる強化も可能となっており、編成の需要に合わせて最適な装備を選べる。

↑戦闘を挑む前に事前予想を見る事が出来る。
ここから被害を抑えつつ敵にダメージを与えられる組み合わせを探す。

+関連:直接的な戦闘以外にも事前に取れる戦術も多い 

②では実際に戦うまでの戦術の多さを挙げましたが、戦闘以外の戦術も本作では多いです。
下記にいくつか参考例を挙げておきます。

↑動画のように本作は、移動と接敵してからの戦闘の2つのフェーズに分かれており、移動フェーズでも取れる戦術がいくつかある。

↑例として移動フェーズ中にはクラス毎に専用のスキルが使用可能となっており、ナイト系はライン上の敵を纏めて敵を攻撃出来る突進系のスキルを持っている。スキルによる攻撃は一方的に攻撃出来るようになっているため、事前にスキルで敵を削った上で有利に戦うといった戦術も取れる。

↑マーセナリーの場合は傭兵を呼び出す。傭兵は自動で進軍するため囮や壁として使える。

↑マップによっては強力な戦略兵器が置かれてる場合も。このようにRTS要素も強い

③美麗なグラフィック

今まで散々触れているが、ヴァニラウェア特有の美麗なグラフィックもやはりオススメポイント。ここまで挙げた動画を見ても分かるように、かなり特徴的で綺麗なグラフィックとなっており、この2Dグラフィックを眺めているだけでも楽しいゲームとなっています。

↑キャラクターの造型以外にもヴァニラウェアのグラフィック特徴の1つといえば飯。
見てるだけでも食欲が刺激される。

↑少し横道に逸れるが、傭兵を雇う時にはカラーリングの変更が可能となっており、
色を変えるだけでも雰囲気が大きく変わるため、そういった外観を弄る楽しみもある。

↑一応ネームドキャラクターも特定アイテムを使用すればカラーの変更も可能。
ただしこのアイテムは終盤まで貴重なので誰に使うのか悩む所。

④取り組みやすい難易度

戦略系シュミレーションRPGというと、慣れるまで難易度が高い作品という作品も一定数存在しますが、本作の場合は、適当にやっては流石に勝てないものの、一方でしっかり考えてやれば詰みはしないなど丁度良い難易度設定になっています。チュートリアル要素も要所要所で丁寧に置かれているうえ、キャラクターの編成の組み方がわからない場合には敵の編成を真似するといった事も可能なため、手軽に挑みやすいゲーム性となっています。

↑本作には戦闘中に時間制限があるのだが、特定アイテムを使えばそのまま再開出来るため、
どっしり構えて戦ってもそこまで問題ない。この点からも全体的に遊びやすい難易度になっている。

①ネームドキャラの特徴が少し薄め

本作では多種多様なネームドキャラが加入しますが、一部強制加入のキャラを除いて多くのキャラクターは加入の可否を選択出来る関係か、少々特徴が弱く感じました。ストーリー進行も自由に選べてしまうがゆえに、国を超えてキャラクターが出てくる事も少ないです。

更に性能面においても、ネームドキャラと傭兵(モブ)のステータスは全く同じものとなっています。一部ネームドキャラは傭兵がいない固有職もいるため、全く個性がないわけではないですが、こういった調整が好きな人もいれば微妙な人もいたりと好みがわかれる所ではなかろうかと思います。

↑例えば画像は左がモブで右がネームドだが、ステータスが全く同じであり、成長傾向はあくまでクラス依存な事がわかる。成長タイプで多少差をつけられるが、この成長タイプの設定はむしろモブである傭兵の方が設定しやすく、傭兵の方が使いやすい結果となっている。

②強くてニューゲームがない

個人的に気になった点として本作には強くてニューゲームがありません。この手のゲームで強くてニューゲームがあると、後半加入のキャラを前半で使えたりといった事が出来るのですが、そういった事が出来ないのです。クリア後要素があるゲームにも関わらずそういったクリア後の要素を試せる場所も少ないため、余計に気になるポイントとなっています。

更にこの関連で言うと、本作はストーリー進行に自由が利くという特徴があるのですが、ストーリーのレベルは固定となっており、推奨進行ルートを無視すると、無視したルートがぬるくなるだけであまり自由である意味がないものとなっています。なのでこういったポイントも強くてニューゲームがあればもっと活きたのではなかろうかと思ってしまいました。

以上がユニコンオーバーロードに関する紹介記事になります。

本作はヴァニラウェアとしては5年ぶりの新作となっており、ヴァニラウェアファンとしては待望のゲームとなっているわけでありますが、たとえヴァニラウェアファンでなかったとしても、ゲームそのものがかなり遊びやすい作品となっており、万人にオススメ出来るタイプのゲームなのではないかと思います。

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