はじめに
今回は、スト6のエレナ追加に際して、エレナに関するキャラ解説記事を作成しました。
エレナが初登場したストⅢシリーズやスト4のエレナに関してゲーム内映像を交える事で、エレナがどのようなキャラクターなのかを見ていきたいと思います。
なお今回記事作成のために利用したソフトは、30周年記念で販売されたアニバーサリーコレクションなどを使用しているので、もしかしたら一部表現が原作から変更されている可能性はあるかもしれません。
スト6のカプコン公式PVはこちら
エレナの簡単な基本情報
ケニア出身の自然を愛する女性ファイター。彼女の台詞を聞いていると、非常にポジティブであり、誰彼構わず友達になろうとしたり、かなりのパッション系。
一方で、族長である父ジャファリを非常に尊敬しており、父親の影響で闘いの世界に入ってきた他、父親が獣医学・薬学の博士号をフランスで修めている事から、彼女自身もフランスに留学して勉学に励む(後述するストⅢの項目を参照)など、インテリ系な一面も併せ持つ女性となっている。
またエレナの地味に凄い所として身長と体重が挙げられる。スト6でマリーザが来るまでは、183cmと、ストリートファイターの女性キャラの中では最も身長の高い女性キャラであり、スト6では186cmと更に3cmも伸びている。そしてそんな高身長でありながら体重は54kg(スト6では58kg)。創作物において瘦せ過ぎ現象は往々にしてあるあるだが、ストリートファイター内でも身長180cm以上で体重50kg台のキャラはおらず、BMIは16.12(スト6なら16.76)とストリートファイター基準でもかなりの瘦せ体系になっている。(なお可変するとはいえダルシムのBMIが15.5と書けばその瘦せっぷりは想像しやすいであろう。)

↑友達作りを特技に挙げるほどの陽キャぶり

↑左から父:ジャファリ、母:アミーナ、兄マーカス
家族仲が良い他、マーカスがDJの隠れファンといった要素も
画像はスト5公式HPのキャラクター図鑑より

↑スト6基準だと男性キャラ込みでもかなりの高身長組でもある
にも関わらず体重はジュリ並(スト6ではジュリ57kg、エレナ58kg)
(身長比較したったーで作成)
歴代シリーズからエレナの姿を追う
ストリートファイターⅢシリーズ
1st、2nd,3rdの3作品で構成されたシリーズ。敵組織として唯一シャドルーが登場しない。
記念すべきエレナ初登場作品になっている。Zeroシリーズと同時並行で制作されていた本作は、ストⅡとの差別化のため、リュウケン(後に豪鬼と春麗も登場)を除いて全て新キャラで構成されており、エレナもそんな新キャラ群の1人として登場したキャラクターになっている。
なおストⅢはドット絵時代のゲーム作品となっているが、エレナはそんなドット絵の中でも特に淀みなくヌルヌル動く事でも有名なキャラクターである。

↑画像はストリートファイターⅢ3rdのキャラクターセレクト画面
リュウ春麗ケン豪鬼以外全員ストリートファイター初参戦のキャラである

↑ニュートラルの立ち状態でも異様にヌルヌル動く
エレナだけ他キャラの倍の枚数で動いているようである
ストーリー面
初登場時から友達探しスタイルなのは変わらず。なんならエレナの勝利台詞や、春麗の対エレナ勝利台詞によると、勝利欲へのがめつさはなく、闘いを通じて相手と通じ合う事を優先していると思われる。
1st、2ndのエンディングは同じものとなっており、勉強と友達作りを兼ねて日本へと留学しており、特に眼鏡をかけた女学生であるナルちゃんとは親友関係のようである。
3rdでは、一転してフランスへ留学。日本のナルちゃんへと手紙を送っている様子が描かれている。地味にエレナの落ち着いた私服姿を見れるというある意味貴重なEDになっている。
なお後付け的な部分があるため仕方ないが、時系列にはスト6直前の作品にも関わらず、豪鬼とは面識がなかったりなど、一部矛盾はある。

↑1st(左側)と2nd(右側)のエレナの勝利台詞
演出は全キャラ共通の仕様だが、相手をボコボコにしたうえで言う台詞としては中々シュール
友人関係や踊りを重視する姿が伺えるが、中にはシビアな台詞もある

↑1stの対ギル戦の台詞
エレナの格闘技に対するスタンスが伺える

↑3rdのエレナの勝利台詞
相手を褒めたり基本的なスタンスは変わらず

↑リュウに意味深な台詞を吐いたり(左)、
人型殺戮兵器トゥエルブに家族を訪ねる(右)など豪胆な一面も
所謂匂わせ的な台詞なので、明確な根拠は見つけられなかったものの、ネット上で調べてみる限りは、ゲーメストで掲載された『RYU FINAL』という漫画で、エレナを通じて行った、大樹との会話からリュウが編み出した必殺技である風の拳に由来する台詞のようである。
※風の拳はカウンター技であり、「倒すのではなく勝つための拳」とされる技。所謂相手を倒す事に重点を置いた殺意(の波動)を超えるための心構えのような面もあり、ゲーム本編でもウル4やスト5でリュウが風に関連した技を使ったりする。

↑中平 正彦氏の『RYU FINAL』より

↑3rdにおける他キャラクターの対エレナ専用勝利台詞
闘いそのものを楽しみ、人と分かり合う事に重点を置いているようである
↑3rdのエレナのライバルはまことなのだが、こちらも友達作り全振り
↑1stと2ndのエンディング
日本への留学生活が描かれる
↑3rdのエンディング
こちらはフランスから手紙を送るエンディング

↑ストⅢより時系列が昔であるストⅣで友達だった豪鬼と面識がなかったりなど、一部矛盾は存在する
性能面
この頃からカポエラを戦闘スタイルとしており、徹底的に足しか使わないのが特徴的。パンチ攻撃が足技になるのは勿論、連携攻撃だろうと何だろうと手で直接的に攻撃する事は一切行わない。
また闘いを踊りと表現するだけあって、全身を使って体を回転させるような技が多いのも特徴になっている。
↑通常技一覧。パンチ攻撃ボタンを押しても足技が出る
↑必殺技一覧。非常にダイナミックな動きが多い
↑超必殺技一覧。エレナの代名詞ともなっているヒーリングはこの頃から健在
スーパーストリートファイターIV(ウル4)
ストリートファイター4シリーズは大きく分けてスト4、スパ4、ウル4の3つに分けられるが、エレナはウル4からの参戦キャラ。つまりシリーズ最終作参戦キャラであり、既存キャラとの絡みは思ったより少ない形になっている。
なお時系列としてはストⅢより前の時代になっている。
ストーリー面
父親の勧めで、シャドルーの子会社であるSIN社主催の格闘大会に参加する事に。エレナはストーリーの本筋には関わらないキャラクターなため、ラスボスを倒すまでは特に何もなく、エンディングでは格闘大会を通じて友達を作る事の重要性を再確認し、格闘大会で戦ったさくらをきっかけに、日本への留学を決意する(=ストⅢのストーリーに繋がる)流れになっている。
一番印象的なのは、エンディングで友達になった面々であり、ブランカ・エルフォルテ・ダッドリー・豪鬼と色々濃い面子になっている。特に豪鬼に至っては後々スト6で絡む事になるのだから、意外と息の長い友人関係と言える。
↑ウル4エレナのオープニング映像とエンディング映像
危険な格闘技大会に目を輝かせるなど、ある種の戦闘狂的な面も垣間見える

↑相手の本質を見抜いたり、気遣ったりする一方で、煽りになりかねない台詞も言い放ったりと、
相変わらずかなり自由奔放なキャラクターになっている

↑vsさくらのライバル戦での勝利台詞。この戦いをきっかけに日本の留学を志す事になる

↑なお友達となった豪鬼に関してはこの扱い
ストⅢの頃と見比べても落差が酷い
性能面
基本的にストⅢの頃とほぼ一緒。ウル4のエレナというと、所謂ぶっ壊れキャラとして想起されるが、使える技自体はストⅢの頃から変わっておらず、一部技の演出が変わっても、足技だけで戦うキャラクターなのは一環している。
↑ウル4エレナの技一覧。ストⅢと内容は変わらないので1つの動画に纏めた。
おわりに
以上が歴代エレナの様子を纏めたものになります。
筆者はエレナのキャラクター性をあまり知らなかったので、今回調べてみて以外だったのは、エレナは闘い自体はかなり好んでいる一面があるというものです。血を血で争うような戦いそのものは否定する一方で、相手とのコミュニケーション手段の一環として格闘技を捉えており、心身ともに傷つけるような事態にならなれければ、積極的に闘うスタイルになっています。
スト6では豪鬼の友達どころか、まるで豪鬼の対の存在のような描かれ方をしているようですが、目的は違えど闘いそのものが好きという意味では、たしかに豪鬼とある意味似た存在といっても過言ではない所があるのかもしれません。
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