ゲーム概要
ゲーム名 | 首都高バトル |
ジャンル | 早期アクセス、レース、ドライブ、乗り物シュミレーション |
プレイ人数 | 1人 |
プレイ時間目安 | 現状だと15~30時間程度で主要なストーリーを確認可能。 ※購入する車次第では稼ぎ行為等をする場合があるので、 この点でプレイ時間はぶれやすい ※早期アクセスで、ストーリー追加の予定あり |
販売形態 | Steam |
価格 | 3960円 |
参考URL | 公式 https://shutoko-battle-jp.genki.co.jp/ Steam https://store.steampowered.com/app/2634950/_/?l=japanese |
一口メモ | 日本車で東京の首都高速をかっ飛ばせるレースゲーム |
公式PV
はじめに
今回ご紹介するのは、2006年を最後に家庭向けシリーズが終了し、ゲームセンターのレースゲームとして親しまれている湾岸ミッドナイトシリーズの元ネタでもある作品で、2025年にPC版(Steam)向けゲームとして復活した「首都高バトル」になります。
本作は首都高速を飛ばせるのが最大の特徴であり、夜の東京を舞台に走り屋としのぎを削るゲームになっています。二昔前ぐらいなら日本を舞台にしたレースゲームというのはそれなりにあったのですが、近年は権利関係の問題(様々な所に許可を取らなければいけない)から珍しくなっており、そういった意味でも非常に貴重な作品になっています。
なお紹介にあたって一部ライバルキャラのプロフィールなどネタバレ要素が極少数ながらもある点には注意してください。
良い所・オススメな点
①緻密に再現された東京の街並みを横目に走れる
後ほどこの再現度に関しては検証しますが、東京の街並みを走れるのが本作最大の特徴でしょう。日本風都市を走るゲームならば、現在開発中のレーシングゲームも含めればいくつか候補はあるのですが、実際の都市を再現したゲームを走れるPC版向けレーシングゲームは本作ぐらいに限られます。
東京タワーなどランドマーク系の建物の存在は勿論そうなのですが、標識や路面標示、案内標識といった小物の類も細かく再現されており、このおかげで日本の都市をしっかり走っている感が出て楽しいです。
②実車に対して様々なカスタマイズが可能
本作は、各社日本車メーカーが協賛しており、様々な実車を弄れるという楽しみがあります。日本車が参加しているレーシングゲーム自体は、ここ最近ではそこまで珍しくないですが、ここまで多種多様な日本車が参戦しているのはかなりの注目ポイントになっています。
エアロパーツを弄る事も出来、簡単ながらも外見を弄れるのは勿論そうなのですが、ステッカー貼り等も出来るので、まさに自分だけの愛車を作ってレースする楽しみもあるゲームです。

↑例えば筆者が序中盤によく乗ったのがこの2台。
左がマツダロードスターで右がスバルのBRZ
それぞれレーシング風とシャークデザイン風で作成した。
③首都高バトル特有の独特なレースルールにレース環境
レースゲームというと、複数の車が同時にスタートをして、1位を目指してゴールするゲームですが、本作は基本的に1vs1のタイマンバトル(一部多人数戦はあり)で、レースを通して相手の体力を削るのが勝利条件になっています。相手の体力を削るには、大幅に距離を離して有利を取るか、直接体当たりして減らしていくかの2択になっており、かなり荒々しい走りも許されるのが特徴的なゲームになっています。
更に本作は走り屋たちが勝手にレース首都高でレースしているだけなので、道路には当然のように一般車が走っており、レース途中で一般車にぶつかってもお咎めなしなため、そういったカオスさも癖になるようなゲーム性が特徴になっています。
↑二車線+一般車が走る道は特に狭く相手を追い抜かすのも大変
このためなるべく減速しないようにしつつもぶつかったりする
↑あくまで体力が問題なので、途中で巻き返しても壁にぶつかるなどで自傷すると負けたりも
↑地味ながら一般車にも勝負を挑め、序盤だと意外な強敵だったりもする
④元気節や凝ったキャラ設定達
レースゲームだとしばしばありますが、特徴的な言葉遣いでストーリーが展開するゲームになっており、ポエティックとも言えるような元気節が見られるようなゲームです。
また本作には100を優に超えるライバルキャラ達がいるのですが、その1人1人にも設定がかなりしっかり用意されているという特徴もあります。同じ所属のチームだとその関係性について触れていたりなど、結構細かく設定が用意されているので、こういうのを読んでいるだけでもかなり楽しめる作品になっています。

↑章の合間合間には元気節によるポエム的な台詞が挟まる

↑会話イベントのないライバルキャラにまで設定が用意されておりかなり細かい
またどうやら過去作キャラも一部おり、ファンにも嬉しい仕様となっているようである
気になる点・注意点
①正攻法だと勝てない(勝つのが難しい)敵が一部存在
レースゲームというと、一定のコースでドライブテクニックを争うのが一般的なイメージだと思いますが、本作の場合、どんな事をやっても勝てば良いというのが根底にあります。そのためか、大半のライバルはスタート地点をプレイヤー側で任意に決められるようになっており、またライバルに関しても、その段階で出来る強化を全て試しても最高速度も加速度もどちらも負けているという事がままあります。
こうなると事故が起こり易いコースまでライバルを誘導して挑んだり、積極的に敵にぶつかって事故を起こす必要性が出てきます。所謂事故待ちプレイが度々起こるのは好みが分かれ易いポイントなのではないかと思いました。
速度負けしている相手への対策として、エンジンなどを入れ替えたりチューンを弄ったりといった対抗策はあるのですが、こちらは進行度に応じて解放されるようになっているので、頭打ちになりやすく、この点が余計に事故待ち戦法を誘発し易い原因になっています。
一応極稀に出て来る理不尽な程に速いライバルは首都高バトルの伝統らしいのですが、あまりにも速すぎて面食らう事になる事になるうえ、基本的に勝つには上振れを狙う根性論的攻略になってしまうのは悩ましいポイントです。
ただし本当に理不尽なのは極少数なので、その少数を例外を除けば正攻法レーシングでもぶつかり合い殴り合いレーシングでも楽しめるゲームではあります。
②車のバランスはリアル寄り
車同士のバランスで言うと安い車はカスタマイズも安く出来る代わり性能が低いですし、逆に高い車はカスタマイズも高くなる代わりに性能が高くなっています。これはつまりガチでレーシングするなら高級車一択ですし、小型車を中心に勝負に挑んでいくのはその分ハードルが高くなります。
突き詰めていくと、車体が軽い上で、馬力や最高速度の高い車が大正義なので、RPG的な詰め方(=その時に扱える一番強い車を使う)をしていくと選択肢がかなり少ないです。
個人的には色々な実車に乗れる事を売りにしているならば、チューンを中心にもう少し遊びがあっても良いのかなと思い、ここは先行アクセス期間中に変化するのかどうか気になる所です。
オマケ:首都高再現度検証部
ここからは有名スポットからそうでない所まで、首都高バトルがどこまで細かく再現しているのかを、Google マップのストリートビューを通じて検討してみたものになっています。首都高バトルは常時夜なのに対して、ストリートビューは基本的に昼の風景を扱っている関係で、画像から受ける印象が異なる問題はありますが、実際に検証してみると、実に事細かに再現されているのが印象的でした。
東京タワー

東京タワー周辺。実物より一回り大きくも感じる
スカイツリー

隅田川を横断する首都高速9号深川線からの景色。かなりの遠景のためわかりにくいが、画像中央部にスカイツリーが見える。また左側には中央が空洞の門型のビルが見え、高層ビル(オフィス社)であるDaiwaリバーゲートも再現されている。
パレットタウン大観覧車

お台場にかつて存在した大型観覧車。1999年に開業され、2022年8月に営業停止した観覧車となっている。今現在では綺麗に解体されてしまい、観覧車そのものが見る事が出来なくなっている。
尚お台場という事で、視点を左側に動かしてよく見て見ると、コミケなどで有名な東京ビッグサイトの姿も、かなりわかりにくいが、拝む事が出来るようになっている。
※参考:ビッグサイト(画像赤丸部分)

羽田空港第二ターミナル

羽田空港までの道を繋ぐ首都高速湾岸線での1枚。標識そのものは少し異なるが、元の雰囲気を再現したものとなっており、羽田空港の管制塔もしっかりゲーム内で再現されている。
東京ガス 扇島LNG基地

羽田空港から更に海側へ湾岸線を飛ばすと見える工業地帯の一角。液体天然ガスを扱っている場所という事で、煙突状の建物が目立つ場所になっている。なおゲーム内だと大型ガスタンク施設がズラリと並んでいるが、実際は地面と一体化したような施設に天然ガスは納めれており、ガスタンク自体は殆ど見られない。
皇居周辺(毎日新聞社ビル)

色々な理由で再現が難しそうな皇居周辺。手前の円柱の建物は毎日新聞社だと思われる。
NTTコミュニケーションズ大手町ビル周辺

NTTコミュニケーションズ大手町ビル周辺。シリンダー型の通信塔が印象的。画像だとわかりにくいかもしれないが、ゲーム内の印象とストリートビュー上で受ける印象が若干異なり、気になって調べてみたところ、ゲーム内ではNTTのビルの手前に大型のビルがあり、ストリートビューの方にはない事がわかる。
これは2013年に解体された三菱総合研究所ビルディングがゲーム内では再現されている事が理由の1つであり、実際に2012年頃のストリートビューを眺めて見るとゲーム内風景とかなり酷似している。道路中央に掲げられている案内板も2012年頃の画像のものに似せてあるので、今までの情報も合わせると2012年以前が舞台設定として用意されているのだろう。
※なおgoogleストリートビューで遡れるのは2012年までなので、具体的な年数の検討は残念ながら出来なかった。
参考:2012年のNTTビル周辺のGoogleストリートビュー

SGリアルティ勝島のランプウェイ

品川にある佐川グローバルロジスティクス(佐川急便グループにてロジスティクス事業を担当する会社)のランプウェイ。輸送トラックを大量に駐車しておくための大型立体駐車場であり、その円形の建物がかなり特徴的。
首都高メンテナンス車駐留所

麻布辺りにある首都高のメンテナンス車やパトカーが駐留してる場所。流石に駐留してる様子までは再現されてないが、パトカー出庫注意の看板のおかげで雰囲気は出ている。
PA(パーキングエリア)

凄く地味な所かもしれないが、実はローディング画面に表示されるPA(パーキングエリア)も場所ごとにしっかり再現されている。特に画像を拡大するとよくわかるのだが、例えば右側の壁にある子供達が遊んでいる様子の壁画は、平和島PA由来のものになっている。
参考:旅行口コミサイトである4travel.jp様の平和島PAの入り口を撮った写真
おわりに
以上が首都高バトルの紹介記事になります。
良くも悪くも懐かしい感じのする部分があるレースゲームにはなっていますが、まだ早期アクセスという事もあり、今後の追加要素は勿論、フィードバックを受けてどの程度の調整がされるのかは気になるポイントです。
特にチューン要素と、parkシステムがもう少し洗練されれば、かなり遊びやすくなるとは思うので、この点は今後の注目ポイントでしょう。
なお先述したように一部事故待ち前提の難敵がいる一方で、レースゲーム初心者でも比較的遊びやすい部類ではあると思うので、気軽に触れやすい作品なのではないかと思います。
もしゲーム中の進行で詰まったら、事故待ち戦法をしつつも、総重量(軽い方がコントロールが効きやすい)・最高トルク(高い程加速しやすい)・最高出力とスピード指標(高い程速い)の4つに注目してマシンを選ぶのもオススメです。※特にトルクとスピード指標は重要
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