【レビュー】ドラゴンボール Sparking! ZERO
~近年最高峰のドラゴンボールのキャラゲー~

レビュー
ゲーム名ドラゴンボール Sparking! ZERO
ジャンルアニメ、アクション、対戦格闘、マルチプレイヤー
プレイ人数1人~2人
プレイ時間目安ストーリーモードは高難易度なため、人によってかなりブレが出るが、
ストーリーモードに限定するなら20時間~40時間程度
販売形態PlayStation、Steam、Xbox Series X/S
価格8910円
参考URLPS5
https://www.playstation.com/ja-jp/games/dragon-ball-sparking-zero/
Steam
https://store.steampowered.com/app/1790600/_Sparking_ZERO/?l=japanese&cc=jp
一口メモ様々なドラゴンボールのキャラクターに触れられるアクションゲーム

今回紹介するゲームは令和の時代に蘇ったSparkingシリーズ最新作であるドラゴンボール Sparking! ZEROとなります。

前作メテオはPS2時代のゲームであり、2007年発売の作品となっているため、実に17年ぶりの新作となっております。ドラゴンボールの家庭用ゲーム機向け作品は、ゼノバース2やカカロット、ファイターズといった作品がありますが、本作は他シリーズに比べてキャラゲー要素の面が強く、色々なキャラクターを触ってみたいプレイヤーには特にオススメな作品となっております。

※カカロットのDAIMADLC発表により、更新状況についての表記を変更  10/18日追記

↑参考:現行家庭向けドラゴンボールゲーム一覧
下二作品は対人特化

①圧巻のキャラ数

はじめにでも紹介しましたが、現時点でも182キャラと、そのキャラ数の多さには目を見張るものがあります。ドラゴンボール現行作品において、スパキン発売までに一番多かった作品はゼノバース2の約130キャラであり、それよりも大きく数字を伸ばしたものになっています。ゼノバース2自体は2016年に発売された作品であり、それ以降8年間にわたって更新され続けた作品であるため、発売初期の時点で既にそれを上回る数のキャラクターがいるというのは、非情に魅力的なポイントでしょう。

基本的にはドラゴンボール超が1つの軸になっていますが、ZシリーズやGTといった作品からも参戦しており、今後は最新アニメ作品であるDAIMA(※現時点でもDAIMA仕様の悟空のみ参戦済み)からも参戦予定となっております。個人的には、Zの映画枠キャラクター達が、参戦しているのが嬉しいポイントです。Zの映画キャラクターは、スパキンシリーズ以外では中々家庭向けゲームの参戦に恵まれず、メテオぶりにドラゴンボール家庭向けゲーに参戦したキャラクターも多いです。

ドラゴンボール作品というのは、海外人気の事もあり、一般的なゲーム作品に比べて、更新が長期間化しやすい傾向にあり、スパキンも現状はかなりの人気作品であるため、今後の追加も期待できるポイントです。

↑発売当初の現時点でも182キャラと圧倒的キャラ数を誇る

②原作愛溢れる表現の数々

キャラゲーという事もあり、本作は原作愛溢れる表現も目立つ作品になっております。技演出や、戦闘前の掛合いは勿論の事、中には一部キャラ限定で特殊演出が入ったり、特定のキャラでチーム編成を行うとキャラのかけ合いがあったりなど、原作を知っているとニヤリと出来るポイントも多いです。

個人的な好みでいうと、変身・強化系のシステムの復活がオススメポイントとして挙げられます。例えばゼノバース2だと、オリジナル主人公は様々な状態に移行出来るのに対し、ネームドキャラクターだと形態移行は出来ないようされていたり、ファイターズだと試合前演出として変身するだけで、ゲームシステムとしては特にそういったものがなかったりなど、省かれてしまう事が多かったのですが、スパーキング系列の作品では代々試合中形態移行が可能だった事もあり、本作もその例に漏れず可能となっております。更にその形態移行の演出も、原作再現を意識したものとなっているので、面白ポイントです。

↑ステージや状況に応じて特別な演出が入ったりする場合がある
今回の場合、動画ラストの勝利演出などは特殊演出

↑なんなら投げ技1つを取ってみても異なる芸コマも
 少年悟飯の場合、セルかそれ以外かで通常投げの演出が変わる

↑チーム編成によっては特殊台詞が挟まる遊び心もあり

↑形態移行に関しては、例えば悟空1人から様々な状態に移行する事が可能。
 ベジータとセットでチームを組めば、ゴジータなどにも試合中にシームレスでなれる。

↑個人的好みでいうと、Z映画組は原作再現度が高くお気に入り

↑本作は基本的に同名同キャラのチーム編成は不可能※1なのだが、
 栽培マンやメタルクウラなど、設定上可能なキャラは編成出来たり芸が細かい。

※1孫悟空前期と孫悟空後期という組み方は可能だが、孫悟空前期2名といった編成は不可能。

③オリジナル展開もあるストーリーモード

本作で一番のメインモードは何かと言われたらやはりストーリーモードでしょうか。

このストーリーモードは、いくつかのキャラクター別に存在し、悟空なら悟空視点で、ベジータならベジータ視点でストーリーを追体験するものとなっています。ドラゴンボール原作ストーリーだと、1人の強敵に対して、様々な味方キャラクターが勝負を挑むという形式上、原作再現ルートは話が飛び飛びになりがちであるという弱点はあるのですが、本作はそれを補完する要素として、IFストーリー展開もいくつか用意されており、個人的には原作体験そのものよりも、このIFストーリーを楽しむのが本作の一番の楽しみになるのではないかと、遊んでいて感じました。

↑参考:セル編原作ストーリー展開

 例えばセル編の場合、上記の通りその時々で戦うキャラクターが異なるため、悟空編で原作ルートを戦うと、最後まで戦えずに途中離脱し、悟飯がセルを倒す流れはダイジェストで流れたりといった形になる。一方で悟飯編なら、セルゲーム後の展開が中心になる代わりに、何度もセルと戦え、最後の決着までムービーが流れたりなど、原作をなぞるルートの場合は、飛び飛びに展開する事が多い。

↑IFルートの場合、左下にスパーキングエピソードと表示され、独自の展開に発展する
画像は本来だと、悟空もピッコロの魔貫光殺砲に貫かれる

IFルートの場合、完全に仮想ルートという事もあり、本来操作キャラが戦わないタイミングで戦闘が起こったりするため、連戦になる事が多く、話の密度も高くなるため、原作ストーリーを追うよりも楽しみやすい事が多かった。なお原作シナリオは、ドラゴンボールZ~ドラゴンボール超の力の大会編まで一続きになっているが、IFシナリオは複数パターンある代わりに、例えばドラゴンボールZのセル編限定など、途中で終わる事が多い。

下記動画について、ネタバレ注意

↑IFルートでは衝撃の展開になる場合も

IFルートに関しては、本当に地味な変化しかないものもIFルートに設定されている場合があり、本当にこのIFルートいる?みたいなのもそれなりにあったりはするが、上記の動画のように、衝撃展開になる場合も多いので、なんだかんだIFルートを楽しみに遊ぶ事が出来るようになっている。

④まだ若干粗削りではあるが、可能性の感じるカスタムバトル

ストーリー以外にストーリー風の体験を出来るモードとして、カスタムバトルも本作では用意されております。こちらはボイス等はないものの、様々な状況下を再現したものとなっており、簡単なカットシーンなども挟みながら、原作再現から、強敵の挑戦まで、様々な状況を楽しめるモードになっています。

またこのモードは、自作したり、他人がアップロードしたものをDLして楽しんだりする事も出来るため、無限の可能性を秘めたものになっております。自作してみた感想としては、台詞のパターンやカットシーンが思ったより融通が効かない部分もあり、まだ少々粗削りな所も感じるのですが、本当に色々な状況を再現できるので、今後のアプデ等も考えて可能性を感じられるものになっています。

↑例:筆者が作成してみたカスタムバトル動画

動画のように、定型文を上手い事組み合わせながらカットシーンを入れたり、キャラのステータスを調整するといった事も可能。例えば動画のミスターサタンは、ほぼネタキャラであり、本来はセルと正面から殴り合う事はかなり厳しいが、カスタムバトルの設定でバフや装備品をサタンに装備させる事で、正面から殴り合えるレベルにまでパワーアップさせている。

⑤自分だけの強キャラを作れるZアイテムの存在

前作メテオからの伝統として、Zアイテムの存在も見逃せません。これはキャラクター強化の装備品システムとなっており、このシステムを活用する事で、色々とキャラクターの性能を盛れるようになっています。この装備品システムを使って自分だけの強キャラを作るのもスパーキングシリーズの醍醐味であり、原作再現上弱キャラにあたるキャラクターも、Zアイテムで性能を盛って改善する事も出来るため、中々に楽しい仕様になっております。

惜しむらくは、シチュエーションバトル専用のぶっ壊れZアイテムがあり、これが普段使い出来ると、もっと気軽に色々な状況下でCPUとの対戦を楽しめるのになと思う所はあります。

↑前作メテオにも存在したZアイテムも健在
使えるコンテンツは限られるが、キャラクターを強化する事も出来る

↑カスタムバトル専用のぶっ壊れZアイテムも存在する
この手のアイテムは、前作だとパスワードで解放した特殊カスタマイズでしか使えず、
そういった意味では前作よりもこの手のアイテムに振れやすくなってはいる

⑥全体的に優しくなったキャラ解放のハードル

前作メテオだと、特定条件下でのみ解放出来るキャラクターがいたのですが、本作ではそういった隠し要素は殆どなく、特にキャラクターは全てショップでの購入が可能になっております。プレイヤーレベルが上昇すると、段階的にショップの販売商品が増えるようになっており、プレイヤーレベルが20になると全て解放される仕様になっているので、○○のキャラクターを操作したくて買ったのに、ゲーム終盤にならないとorあまりやりたくないモードを遊ばないと入手出来ないといった事態は避けられるようになっています。

プレイスタイルにもよりますが、プレイヤーレベル自体は20時間もあればレベル20を目指せるため、自然と遊んでいれば、到達出来るようになっています。

↑全キャラショップで購入できるため、かなりキャラ入手のハードルは下がった。

ミッション攻略報酬のキャラクターも購入出来、この場合ミッション攻略報酬がキャラクター購入費用と同額のゼニー(ゲーム内マネー)を貰えるため、無駄にならない親切仕様になっている。

⑦様々な可能性を感じるコスチュームシステム

本作では一部キャラクター限定ではありますが、コスチュームシステムが用意されており、様々な姿を楽しめるようになっています。更にこのコスチュームシステムは、一部に限り必殺技が変更されるようになっており、今後のアプデ次第ではありますが、可能性を感じるポイントになっています。

基本的な仕様は全く同じものの、必殺技だけ異なる状態をコスチュームとして実装出来るという事であり、コスチュームシステムが拡充されれば、同じキャラクターでも色々な必殺技を見れる状態になる可能性があります。

またそういったシステム的な仕様は一旦置いておくにしても、様々なコスチュームが用意されているため、原作再現を十分楽しめる要素にもなっています。

↑コスチュームによっては必殺技が変化する豪華仕様も
現状は悟空(アルティメットグレード特典)と18号の2名のみ

↑キャラの偏りはあるが、コスチューム自体は多い

①戦闘システムの複雑化&ストーリーの高難易度化

前作メテオも戦闘システムはそれなりに複雑なのですが、今作はそのメテオと比べても更に複雑化しています。特にカウンター(防御)系のシステムが増加しており、このカウンター系システムを活用出来ないと中々に難しいポイントが多いです。ゲームシステムを使いこなせれば、歴代ドラゴンボール作品の中でも、一番自由にかつドラゴンボールぽく戦えるゲームにはなっておりますが、それだけ逆に難しくもなっているわけです。

アシスト機能があり、操作のハードルを下げる事は可能となっておりますが、アシスト機能を全てオンにすれ楽々ストーリー攻略出来るという訳でもないので、やはり難易度自体はそれなりにあります。

一応難易度普通程度のAIだったら、まだこのカウンター系のシステムを使わなくとも、適度に攻撃ボタンをポチポチしていれば勝てるのですが、強以上になるとAIがこのカウンターをフル活用してくるようになり、ゲームの難易度がグッと上昇する形になっています。そしてストーリーモードはおそらくAIの設定の殆どが強以上に設定されており、ストーリーの高難易度化の原因にもなっております。

公式では、高難易度に感じたら難易度の低下が推奨されているのですが、難易度を下げると、IFに分岐出来る戦闘ミッションでIFルートに進めなくなってしまうため、ストーリーが分岐するミッションだけは難易度が下げられず、大分苦しいポイントになっております。

最終手段として、神龍にお願いすれば、IFルート突入の難易度を下げるアイテムを貰う事が出来ますが、神龍1回につき1個しか貰えず、神龍を呼ぶためのドラゴンボールは、たとえ放置稼ぎをやったとしても集め切るのに1時間程度かかるようなものなので効率が悪く、根気よくやる必要が出てきてしまいます。

時間やプレイ時の面白さを度外視すれば、敵から只管逃げて必殺技だけ撃って逃げるを繰り返す戦法で比較的安全にクリアを目指せますが、このプレイ方法自体はあまり面白いものではないですし、時間制限があるタイプのIFミッションもあるため、アクションが苦手なタイプのプレイヤーがストーリー目的で本作を遊ぶには、個人的にはアプデでの改善待ちだと思います。

↑カウンターはいくつか種類があるが、特に動画のZカウンターは使えないと厳しい
他のゲームで例えるならパリィシステムと同様のものになっている

↑操作アシストがあるため、ある程度簡略化は可能
 ただし上述したZカウンターなどはやっぱり手動入力が必要である

↑ストーリー難易度は下げられるが、IFシナリオに進む事が出来なくなる

↑神龍に頼ると難易度を下げてもIFシナリオに進めるが、
神龍を呼ぶ手間を考えるとお手軽とは言えない

②主要キャラは参戦しているが、サブだったりお遊び?枠が少々物足りない

これは前作のメテオと比較した場合なのですが、主要キャラクターは一通り揃っている一方で、あまりサブキャラクターやお遊び枠にあたるキャラクターは参戦しておりません。超の力の大会の面子など、この手のキャラクターが全くいなわけではないのですが、前作からリストラされたキャラクターも多く、DLC参戦キャラも、おそらくメイン格のキャラクターが中心になりそうな内容になっているので、こういったキャラが今後アプデ等で参戦可能性なども、現状では低いです。

また個人的に意外だったのは、ゲーム出身のキャラクターがいなかった点です。例えば人造人間21号は、元々ドラゴンボールファイターズ出身のキャラクターですが、人気が高く、ゼノバース2で参戦したりなどメディア露出が多かったのですが、本作では参戦しておりません。なのでここらへんのキャラクターの扱いも個人的には気になっております。

↑メテオからのリストラ組の一例

↑ゲーム出身の21号なども近年は人気キャラであるが、今作には参戦していない

③ランクマ目的(不特定とのオンライン対人目的)はそこまでオススメしない

本作には、ランクマッチが実装されており、オンラインでの対人が可能となっていますが、基本的にはキャラクターの再現に力を注いでいる作品であって、対人シーンでのバランスを強く意識した作品ではないので、特にキャラ愛が強いタイプの人間(特定のキャラクターで勝ちたい!というタイプの人)がランクマ目的で購入する事はオススメ致しません。

一応色々とメタが作れるようなゲーム性にはなっているので、元々アクションゲームに自信があり、なおかつ特にキャラに縛られずに自由に選択できるタイプの人なら楽しめるかと思いますが、それでも対人ゲームとしてはかなり魔境寄りの環境であり、大変です。

同じ実力同士だったり、気心知れた相手や一定のコミュニティ内でワチャワチャ遊ぶためにオンラインマッチを利用するレベルなら広く万人にオススメ出来ますが、ランクマッチに関してはかなりハードルは高めです。

なおランクマに関連していうと、あくまで可能性の話ですが、対人を前提とした調整が行われるのかどうかも気になるポイントです。対人を主軸としたプレイヤーから見れば、この魔境じみたランクマをある程度是正してくれるような調整が欲しいように思うと考えられるのですが、あくまで原作再現に惹かれてソロモードしか遊ばないプレイヤーからしたら、そういった調整は基本的にあまり喜べない事が多いためです。スパーキングシリーズは、前作がPS2だったという事もあり、ゲームの途中で調整が入るという経験をした事がないため、調整の有無や方向性に関して、完全に未知数となっております。

以上ドラゴンボール Sparking! ZEROの紹介記事になります。

ドラゴンボール系列のゲーム作品は、海外人気の高さもあり、かなり力の入っている作品が多いのですが、本作もその例に漏れず、しっかりと遊び応えのあるゲームとなっております。

現状の本作の人気を踏まえれば、今後のアプデも期待できるような作品になっているので、現時点でも、将来性においても、どちらの観点においてもオススメ出来る作品となっており、例えばゼノバース2のように、長い目で楽しませてくれるゲーム作品となっています。

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