はじめに
もしもパルワールドが最初に話題になった公式PVを見た事ない人は、まずこちらをご覧下さい。
※元の公式PVは削除されているため、IGNのものを引用しています。
これが最初に世で有名になったパルワールドの世界でした。このPVを見たら色々と思う所はあると思うのですが、このPVの問題点としては①モンスターの見た目が〇ケモンにそっくりだった事、②そのモンスターが銃器を握っている事③55秒辺りから挟まれる悪辣な世界観の3つが挙げられます。
端的に言ってしまえば、不快感を感じるタイプのソーシャルゲームのCMがパルワールドの最初だったのです。そのため、このゲームに対する最初の期待は、あくまで【怖いもの見たさ】な期待感でしたし、どう見ても炎上商法的な地雷作に見えたのが始まりでした。
そんなパルワールドでしたが、いざ世に出てくると、(相変わらずギリギリ感は感じるものの)良作として掌を返す事態となり、まさかのスチームプレイ人口第1位の覇権ゲームとして世に名を馳せる事となったのです。
※2024/1/21/20:00のスチームチャート。まさかの最大瞬間風速100万人超え。
https://steamcharts.com/app/1623730
そのため今回はそんな超人気作品となったパルワールドについて、ご紹介したいと思います。
ゲーム概要
ゲーム名 | Palworld(パルワールド) |
ジャンル | オープンワールド、アクション、サバイバル、PvE、PvP(予定) |
開発 | ポケットペア |
プレイ人数 | 1人~32人 |
販売形態 | Steam版のみ 3400円 https://store.steampowered.com/app/1623730/Palworld/ 早期アクセス |
一口メモ | 色んなゲームで闇鍋したら美味しかった作品 |
良い所・オススメな点
①可愛いパル達
見た目に関してはデザイン上ギリギリを感じる事も多いパルですが、その動きが可愛いのがこのゲームの一番の売りと言っても過言ではないでしょう。動作の1つ1つがパル1体1体で細かく作られており、パルに愛着を持ちやすいゲームになっています。
↑建築作業を手伝ってくれるパル達。作業が終わるとプレイヤーに微笑んでくれる。
↑仕事終わりに温泉に浸かるパル達。このように一挙手一投足が可愛い。
②パル達と【一緒に過ごす事】に重点が置かれたゲーム性
パルワールドでは、パルとの連携が必要不可欠なゲーム性となっています。
例えば戦闘面では、プレイヤーは場合によっては1撃、2撃で死んでしまう程に柔らかい設定になっています。また火力面でもスキルを使える分パルの方が強力なため、プレイヤーはパルをサポートしながら戦うのが基本スタイルです。
またパルワールドでは、拠点作成が出来るのですが、その拠点の運営においてもパルの力に頼る事になります。パルは種族事に適性があり、農作業や調理作業、牧場運営や拠点内の物資の運搬などをパルに頼りながら運営していく形になります。
このように常日頃からパルとの共同作業をする事になるため、①と合わせてパルに愛着を持って遊べるゲーム性になっています。
↑パルには種族毎に作業適性があり、作業適正に合わせた仕事を拠点でしてくれる
↑拠点が整って来ると、パルが作業してる所を眺めてるだけでも楽しい
③小競り合いをする野生のパル(人間)の存在
一部限定的ではありますが、パルワールドでは野生同士で小競り合いをする事もあります。この手のゲームはプレイヤー以外全て敵!といったパターンもあったりしますが、パルワールドでは野生同士でも敵対して殴り合う事があるため、所謂漁夫の利を狙えるのがこのゲームの面白い所です。
また、直接敵対はしなくとも、攻撃したら敵対するシステムになってるため、プレイヤーがパルを攻撃して、別のパルに命中するように誘導して敵対させるマッチポンプを起こす事も可能です。
↑特に目立つのが敵対人型NPCの存在。この手の敵はプレイヤーだろうと野生のパルだろうと目に入り次第襲いかかるため、①敵対NPCが野生パルを襲う②野生パルが反撃する③野生パルの攻撃がたまたま別のパルに命中する④大混戦!のパターンがしばしばあります。
④モンスター育成ゲームに不可欠なやり込み要素の存在
パルワールドでは育成面においてもやり込み要素があります。例えばパルにはパッシブスキルというものがあり、このパッシブスキルは種族ではなく個体毎に違うため、良いパッシブスキルを持ったパルを見つけるというのが1つのやり込み要素になります。
また合成システムといって、所謂ソシャゲの凸システムのようなものもあり、最強のパルを作ろうと考えた場合には、同種を何体も捕まえて合成していくというものもあります。
そしてパルワールドには配合的なシステム(交配)もあり、親のパッシブスキルを確立で引き継ぎながら新種のパルを作り出す事も可能となっています。
このようにパルワールドでは育成面においてやり込める要素があります。
↑パッシブスキルの厳選などもある
⑤カジュアルに遊べるゲーム設定
パルワールドが世界的にウケた理由として非常にカジュアル(=誰でも遊べる)点が挙げられます。
前述したようにパルワールドではパルが主体になるため、アクションゲームが下手だったとしても、そこで苦労するという事はあまりありません。
この他にもファストトラベルが実装されていたり、デフォルトの設定だと死んでしまってもその場にアイテムをドロップ(ハードならパルもドロップ)するだけでアイテムロストがなかったりなど、基本的に手軽に遊べるようなゲーム設定が所々に見られます。
また、この手のサバイバルゲームだと、何もわからない状態で世界に放り込まれ、手探りでゲームシステムについて理解していくというのが醍醐味になっている事が多いのですが、パルワールドではチュートリアル機能も備わっており、非常にカジュアルに遊べるため、気軽に遊べるゲームとなっています。
⑥既存ゲームを色々混ぜこんだ結果、色んなゲームの良い所取りになっている
パルワールドでは、パルワールド完全独自なゲームシステムよりも、どこか見覚えのあるゲームシステムの方が多いのですが、そういったゲームシステムが無理なく取り込まれているため、結果的に色んなゲームの良い所取りになっています。
例えばパルワールドの基本システムは〇rkなのですが、パルを捕獲するシステムは〇ケモンにした結果、捕獲の過程が複雑で長時間かかりやすい〇rkに比べて、ボールを投げて抽選するだけという非常に簡単で短時間で済む状態になっています。
このように独自性こそ乏しいものの、混ぜこぜにした結果遊びやすくなっているのがパルワールドの特徴です。
⑦銃器や人間の捕獲などは外連味になる程度
PV時点だと銃器がまるでメイン要素のように強調されていたのですが、実際にゲームをプレイしてみると銃器は外連味になる程度で、面白く感じる1要素として収まっています。これが当初のPVのようにゴリゴリに銃を撃つのがメインなゲーム性だったら、まだ思うところがあったのかもしれないのですが、銃器が使えるパルもあくまで特徴の1つ程度の話であり、そこまで気になるものにはなっていません。
↑パルワールドでは人間も低確率で捕獲は出来るが、所詮はオマケ要素であり、捕まえるとどうこうという話も商人以外には特にはない。
⑧アーリーアクセスだけどボリューム自体はある
パルワールドは現時点ではまだアーリーアクセスなのですが、ボリューム自体はやり込んだら100時間を想定できる程度のものはあります。そのためアーリーアクセスでも十分に遊べるというのはパルワールドの魅力的な点です。
気になる所・注意点
①ちぐはぐなパルの扱い
パルワールドではパルに愛着を持てる事をオススメしたのですが、一方で世界観的にはパルは残虐なモンスターとして強調される事がしばしばあり、果たして公式はパルをどうしたいのかよくわからない点が多いです。パルの凶暴性を強調されると「うーん」と何とも言えない雰囲気に陥る事も多くありました。
↑開幕パルが殺人している事が明かされるのだが、ゲーム内のパルの様子と比べると物凄いギャップを感じる内容となっている。
↑平和な図鑑説明の左と、残虐性に触れている図鑑説明の右
図鑑説明の温度差が凄過ぎてパルをどういう存在にしたいのか分からない。
②今一作品から浮いてる露悪的な表現の要素
①と関連するのですが、パルワールドではしばしば露悪的な表現がされる(やけに【死】の概念が強調されるなど)のですが、個人的にはこれがゲームから浮いているように感じてなりません。パルの原初は、最初にご紹介したPVのように、場合によっては不快感を感じる露悪的な要素であり、実際公式twitterでも露悪的な表現をゲームの売りとしてしばしば用いられているのですが、実際にはパルは愛着が持てる存在として作られており、この露悪的な表現が大ヒットの理由かと言われると疑問に感じる所です。
その最たる例として、パルワールドでは解体※といって、モンスター素材を多く貰える代わりに手持ちのパルを解体する要素があるのですが、私自身や他人のプレイの様子などを見ても、一度怖いもの見たさで確認した後は2度と使わない事が多かったです。
※解体の様子自体は別にグロテスク要素はないものの、その表現方法や音に不快感要素がある物になっている。(苦手な人もいると思うため様子は割愛)
↑この画像は野生のパルを倒した時のものであり、ゲーム的には死亡扱いだが、見た目としてはグルグル目で気絶しているように見せている。このようにパルの表現自体はマイルドなものが心がけられているため、余計に露悪的な表現が浮く。
↑PVではベルトコンベア作業を虐げられるパルの様子が印象的だったが、ゲーム内では別にそういう事もない
③相変わらずギリギリなのはギリギリ
パルワールドではハッキリ言ってどこか見覚えがある要素自体は非常に多いです。〇ケモン、〇rk、〇ルダ、〇ルデン、〇神など、とにかく遊んでるとアレこれ○○じゃない…?みたいな事が多いです。公式的には問題ないようなのですが、それでもギリギリな所もまたあるため、今後なにかあったとしてもそれはそれで仕方がないと思う部分はあります。
↑わかりやすいパロディ表現の例を貼って誤魔化しておく
④そもそもまだ早期アクセス
アーリーアクセスでもボリュームがある事はオススメで述べた通りですが、それと同時にまだアーリーアクセスである事に注意も必要です。パルワールド開発のポケットペアはクラフトピアなどの作品も出していますが、クラフトピアも未だアーリーアクセスの作品であり、過去に大規模改変を行った結果、賛否両論の作品として現状の評価は落ち着く作品になってしまいました。
例えば今後、パルワールドで露悪的な表現が強調されているような追加コンテンツなどがアップデートされた場合には、私としては作品をオススメ出来なくなると思います。
⑤PvPが実装予定
パルワールドは現在ソロorPvE作品として販売されていますが、今後PvPの実装も模索している事が公式で言及されています。
PvPの実装は、人によっては楽しみな要素になるかと思うのですが、私個人としては心配な要素として言及しておきます。
というのもPvPが実装される場合、例えば既存のバランスがPvP向けに調整されたり、例えばPvP専用orPvP向け技能を持つパルの実装がされたりという事が起こり得るのですが、PvPに全く興味関心がない層にしてみれば、全然魅力的ではない所か巻き込まれるようなアップデートになる可能性があるためです。
おわりに
以上がパルワールドの私なりのレビューになります。
当初こそ炎上商法に近い形で出て来たパルワールドでありますが、ゲーム自体はしっかり作り込まれており、配信者向けの先行配信などでゲーム内容を周知させた結果、大人気作品としての人気を獲得出来たゲームなのではないかと思います。
勿論現状はあくまでアーリーアクセスであり、今後パルワールドがどのような形で転がっていくのかはわかりませんが、少なくとも現状においては覇権ゲームらしく幅広い人にオススメ出来るゲーム内容になっていると思います。
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