ゲーム概要
ゲーム名 | Pokémon Trading Card Game Pocket |
ジャンル | コレクション、DCG(デジタルカードゲーム) |
プレイ人数 | 1人~2人 |
販売形態 | スマートフォン向け |
価格 | 基本プレイ無料 |
参考URL | 公式 https://www.pokemontcgpocket.com/ja/ |
一口メモ | オマケで対人も出来るポケカコレクションゲーム |
公式映像
はじめに
今回紹介するのは今話題のポケモンカードをコレクション出来るゲームであるPokémon Trading Card Game Pocketです。ポケカというと、一時期はレアカードの値段の高騰ぶりがネタにされていたイメージですが、カードゲームとしてはかなり取っつきやすく、人気の高いカードゲームの1つとなっています。
ポケモンカードのデジタルアプリは、海外限定で『Pokémon Trading Card Game Live』というゲームアプリがあるのですが、今回は国内でも遊べるポケカアプリとして、コレクション要素に注力したものがサービス開始した流れとなっております。
また独自ルールではあるものの、対人要素もオマケでついており、後述する問題から、対人目的で本格的に遊ぶ事はあまりオススメしませんが、コレクションしたカードで遊ぶといった事も一応可能です。※簡単ながら対CPU戦も用意されているので、そちらで簡単に触れて見る程度にするのを個人的にはオススメします。
良い所・オススメな点
①見てるだけで楽しい芸術性あるカード群
ポケカの醍醐味とも言える要素ですが、ポケモンカード1枚1枚がどれも凝ったデザインとなっており、非常に眺めていて楽しいものとなっています。カード生成画面などで未所持カードも見る事が出来ますが、基本的にはカードを入手しないと、拡大表示時が出来ないため、カードを見るためにカードを集めるのが本ゲームのメイン要素となっています。
カードの詳細表示時には、イラストレーターの名前も表示されるようになっているので、アートコレクション的な側面が強いゲームと言えそうです。
↑通常のカードも美麗だが、レア仕様(SAR)は作りが豪華になっており見応えがある。
↑カード1枚1枚にイラストレーター名も載っており、コレクション要素が強い
②良くも悪くも非常にカジュアルな作り
スマホ向けゲームなので、分類としては一応ソシャゲになるかと思うのですが、ソシャゲとして見た場合、1日にやるべきことは非常に少ないです。大抵の場合、ログインして無料カードパックを2パック剥くだけでデイリーミッションは終了するので、実働時間は5分もない事になります。
対戦機能を利用しても、プレイヤーレベルを上げるための経験値が貰える程度で、対戦そのものには特に報酬もないため、あくまでポケモンカードを集めたいだけのプレイヤーに優しい作りになっています。
気になる点・注意点
①本格的な対人戦には向かないゲーム性
本作は元となったポケカ(以下本家)からルールが改変されており、全体的に本家のルールを更に簡略化したようなルール設定になっています。ただ個人的には、ルール改変の結果、本格的な対人ゲームとしいて遊ぶにはかなりハードルが高くなっているように思いました。
例えば本作の場合、ルール上後攻が圧倒的に有利になっています。というのもポケカでは、毎ターン1個だけエネルギーが付けられるようになっており、エネルギーを付けて初めて攻撃出来るようになっているのですが、先行1ターン目のみエネルギーを付ける事が出来ません。エネルギーを付けられなければ、当然攻撃も出来ない事になります。一方で後攻プレイヤーはエネルギーを付ける事も、攻撃する事も出来るため、先行プレイヤーに対して大きくアドバンテージを取れるようになっています。
一部先行でもエネルギーを付けられるサポートカード(トレーナーカード)もあるのですが、そのカードを引けるかどうかと、エネルギー付与の効果自体も確定ではない運ゲーなので、先行と後攻の格差を埋めるものにはなっていません。※なお本家の場合、先行はエネルギーが付けられるけど攻撃出来ないというルールになっています。
また本作では、マリガン(手札の引き直し)が廃止されています。ポケカは、ゲーム開始時に手札から必ずバトルポケモンを出さなければいけないルール上、たねポケモン(未進化ポケモン※一部例外あり)が手札に必要なため、たねポケモンを引けなかった場合にはマリガンが必須になっています。このマリガンは無条件では出来ず、相手に追加で1枚ドローさせないとマリガン出来ないため、相手に追加ドローさせないためにも、デッキにたねポケモンを複数枚積んでおいて、初手でなるべくたねポケモンを引けるようなデッキ構築(大体10枚前後積む)が本来は必要となっています。
しかし本作では、初手で必ずたねポケモンが引けるようになっています。これはどういう事かというと、たねポケモンを3枚や4枚など、極端に少なくしてもデッキが成立するという事を意味しており、プレイの再現性が高いゲームとなっています。たねポケモンを積む枚数を抑えられるので、結果的に未進化でも強い伝説ポケモンや、一部EXポケモンの評価が極端に高い結果となっています。
このように、カードというよりも、ルールそのものがかなり歪なので、ガチでやろうとするとかなりフラストレーションが貯まる作りであるように感じました。幸い?ランクマッチはないので、あくまでカジュアルに楽しむ要素として対戦が用意されているのだと思います。
かなり極端な例になるが、例えば上記2枚のカードがフィールドに並んだとして、カモネギ側が後攻だった場合、その時点でコラッタは確定で倒されてしまう。実際はガチで戦うならそもそもHP50以下のカードがデッキに入る事は早々ないが、体力差やエネルギー差というのはそれだけ大きいアドバンテージになる。
カスミはコイントスの結果次第で水エネルギーを付与するサポートカードとなっており、先行でも数少ないエネルギーを付けられる手段となっている。このカスミを前提としたデッキも作られる程度に強力なカードとなっているが、①カスミを引けるかどうか②カスミを引いたうえでどこまで水エネルギーを付けられるか(=コインの裏面を引かずに済むかどうか)の二重の運ゲーが待っているため、先行後攻の格差を埋めるレベルにはなっていない。また仮に先行でも安定してエネルギーを付けられるようなカードが出て来た場合、本家と違って先行でも攻撃出来る関係上、今度は先行が大幅有利になるだけなので、この先行後攻格差自体は思った以上に根深い。
システムとの相性や、サーチカードがある事から、現状はたねで強力なポケモンの評価が高い。進化ポケモンで評価が高いポケモンも一定数いるが、そういったポケモンも基本的にはたねポケモンとの相性ありきになっている。
②カードの生成レートが高い
ある意味①の補足にもなるのですが、カードの生成レートが全体的に高いです。カードを生成するには、パック開封時に貰えるポイントを使う必要があるのですが、これが1パック辺り5ポイントなっています。これが通常のカードだと35pt~150pt程度かかり、EXポケモンに至っては500ポイントかかるようになっています。つまり50パック剥いて1枚作れる計算です。
他のDCGに見られるような、ダブったカードを砕いて生成する事も出来ず、1日2パックまで無料でパックが開封できる事を考えると、EXポケモンを1枚無料で作るために25日かかるという事になります。
対人用の本格的なデッキを作ろうとすると、このEXポケモンが2枚要求される事も珍しくないので、やはり全体的なハードルは高いように思います。なお生成レートは更に上がりますが、他のDCGにはなり利点として、絵違いカードも作れるというものもあります。
一応完全に運ゲーになってしまいますが、ゲットチャレンジといって、5分の1の確率でカードをゲット出来るシステムがあり、EXカードに関しては、36時間に1回挑戦する事が可能です。また、将来的にはトレード機能が実装されるそうなので、これの仕様次第では、ある程度緩和される可能性もなくはないです。
交換レートは全体的に高い。EXポケモンは通常カードの絵違いではなく、性能も違うので、本格的に対人をやりたいなら妥協するわけにもいかず、なんとかして2枚揃える必要がある。そのため仮に対人をガッツリやりたい場合、基本的には○○のデッキを組みたい!でカードを集めるのではなく、○○のカードを引けたから○○のデッキを組もう!でデッキを組むパターンが多い。
画像左のように、ランダムに選ばれた5枚(※正確には他プレイヤーが引いたパックの内容がランダムで選ばれる)から1枚ゲットできるゲットチャレンジで手に入る可能性も一応ある他、画像右のようにトレード機能も将来的には実装予定となっている。
おわりに
以上がPokémon Trading Card Game Pocketの紹介記事になります。実際に書いてみて注意点の方が長くなってしまいましたが、結局基本はコレクションゲームであって、対人はあくまで本家への導入的な立ち位置に納まってるゲームとなっています。
筆者も子供の頃は、対戦を全くやらないにも関わらず、ポケモンが好きでポケカを集めていた記憶があるので、本作はまさにそういったポケモンファン向けのゲームになっているのではないかと思います。
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