ゲーム概要
ゲーム名 | ユミアのアトリエ |
ジャンル | 探検、収集ゲーム、女性主人公、JRPG、オープンワールド |
プレイ人数 | 1人 |
プレイ時間目安 | 筆者の場合は1周70時間 ただし寄り道を減らせば1周50~60時間程度になりそう |
販売形態 | PS、Switch、Steam、Xbox |
価格 | 9680円 |
参考URL | 公式 https://atelier.games/yumia/jp/ Steam https://store.steampowered.com/app/3123410/_/?l=japanese |
一口メモ | ターン制RPGからアクションRPGに生まれ変わった新生アトリエシリーズ第一弾 |
公式PV
はじめに
今回紹介するのは、25年以上もの歴史を持ち、シリーズ26作目(あくまで本編シリーズのみで換算した場合)にあたるユミアのアトリエになります。アトリエシリーズはシリーズ毎にガラッと世界観やゲームシステムが変化する事が多いのですが、本作もその例に漏れず、ターン制RPGからアクションRPGへと様変わりした作品になっています。
またオープンワールド要素などは過去シリーズでも一部あったりしたのですが、本作では後述しますがより洗練されており、探索していて楽しいようになっていたり、順当に進化している所もあります。
更にストーリー面においては、錬金術が当たり前のように存在していた歴代作品に比べ、本作の錬金術は禁術指定されている世界観となっており、錬金術のあり方そのものを問うような若干シリアスな世界観設定も特徴的です。
ただし新シリーズ初作故に主にバランス面を中心に粗削りな所も多く、この点は評価が分かれ易い所ではあります。
なお筆者の場合は、1週目をベリーハードで遊んだ際の感想であるほか、レビューという性質上一部ネタバレにはご留意ください。
あらすじ(公式より)
アラディス帝国
とある大陸に存在し、かつて栄えたその国は、錬金術によって他国を寄せつけないほどの発展を遂げていた。しかし、突然発生した謎の天変地異によって滅びの時を迎えたという.
時は進み、数百年後――。錬金術は「滅亡を招く危険な術」とされ、「悪」であり「禁忌」となった時代。来る者拒む秘境と化した大陸に、一人の錬金術師が足を踏み入れる。彼女の名はユミア・リースフェルト。
3年前、とある事故で母を亡くしたことをきっかけに、ユミアは自らが錬金術士の家系であると知り、同時に多くの疑問を抱いた。
なぜアラディスは滅びたのか?
なぜ錬金術は「禁忌」となったのか?
…錬金術は、本当に「悪」なのだろうか。
大陸に、すべての真実が眠ると信じて――。失われし歴史を追う、ユミアの旅が今始まる。
本作の特徴
①見た目も中身も良質なキャラデザイン
アトリエシリーズ最大の売りといえば、やはりこの総合的なキャラデザインの部分でしょう。かなりゆるふわなキャラが多いアトリエシリーズにおいて、本作はキャラ背景的に若干シリアスというか真面目な所が目立つのですが、それでもなお安心して見れるような設計になっています。
また表情や動作など細かい所に拘りが見えるのも良いポイントでしょう。筆者の場合、プレイ前は男面子はそこまで注視してなかったのですが、動いてみると思った以上に格好良かったり感情の起伏が見えたりして、キャラとして好きになれました。
↑レベルアップ画面1つ見ても各々の性格が伺える。
②アクション要素がそれなりに強い戦闘システム
本作はリアルタイム方式となっており、アクション要素がある戦闘システムになっています。例えば戦闘には近距離と遠距離の2つの距離があり、これを切り替えて敵の攻撃を回避したり、遠近でそれぞれ違う技が使えたりします。アイテムの特性なども遠近で変わったりするので、これを管理しながら戦うといった事も楽しい要素になっています。
更には距離に関わらず、ジャスト回避とそこから派生するジャストカウンターを利用する事で敵の攻撃を反撃タイミングとして利用したりなど、昨今のアクションゲームで見られるような要素もあります。※判定は緩め
後述するキャラインフレの問題から、特に縛らないと中盤からはこういったシステムを使わずとも正面から殴り合えるようになってしまうのですが、筆者の場合は途中からわざわざ縛って遊ぶ程度には面白い戦闘システムでした。
↑回避動作を組み合わせる事で敵の攻撃を無力化出来る
相手の攻撃予告などを見ながら位置を調整したりなども楽しい

↑例えばこのアイテムは近距離だと蘇生効果、遠距離だと回復効果が発動する
こういったアイテムの使い分けの面白いポイント
③単純化されてもなお面白い調合システム
新規向けを意識しているのか、本作は歴代アトリエシリーズに比べて調合システムは単純化されております。端的に言ってしまえば、投入したアイテムに応じて一定のスコアを獲得でき、そのスコアを積み上げていく事で、調合したいアイテムの特性を強化していくという方式になっています。
スコアを効率良くアイテムを上げるには、良質なアイテムを大量に用意する必要があるのですが、温室という素材を量産出来るシステムもあるので、基本的には高品質なアイテムを道中で手に入れて、それを温室で量産し、目的のアイテムを作るという形になっています。
また素材となるアイテムにはいくつか特性が存在しているのですが、単純に1+1=2になるシステムなので、例えば攻撃力を増加するアイテムを詰め込んで上がる数値を見てほくそ笑んだりなどそういった楽しみがある調合システムになっています。
物語後半になると簡単にスコアを上げられる高品質な材料が手に入るようになるため、基本的に調合を集中的に行うのは中盤頃の話なのですが、従来のアトリエシリーズが計画性に重きを置いたシステムだとしたら、本作の場合は只管積み上げる事に重きを置いたシステムといえそうです。

↑とにかく素材を詰め込んで、スコア(共鳴数)を上げる事で素材の効果を上げる
画像のインゴットはスコアを30以上にすると攻撃力上昇レベル5の強化効果が付与される
④洗練されたオープンワールドマップ
本作のオープンワールドはかなり移動面で快適な作りになっています。ファストトラベルポイントが細かく設置されているほか、多段ジャンプやマップを高速移動出来るバイクの存在もあり、オープンワールドゲームでよくあるゴリ押し探索なども可能なので、殆どストレスなく開拓が可能になっています。
またマップは全部で4地方用意されており、かなり広いのですが、それぞれ個性豊かなマップとなっているのも楽しいポイントでした。
ここまで広いと一見素材集めなどが大変そうに見えるのですが、纏まって同一の素材が生えている群生地の存在や、一度手に入れた素材は図鑑からの追跡機能で追えたりする事から、基本的にはマップを探索していれば自ずと勝手に素材が集まっている事が多いので、この点もあまり気になりませんでした。
↑高低差が激しい場所も、強引に登れたりして探索のストレスはあまり感じなかった
⑤おまけにしては楽しいハウジング
本作にはハウジング要素もあるのですが、建築自体が非常に簡単に出来る事もあり、おまけ要素としては結構楽しいです。カメラシステムを利用して建築した家を背景に撮影したりといった楽しみ方もあります。建築制限も緩く、一部床に埋めて隠すみたいな使い方も出来るので、思ったよりは凝った建築が出来ます。
マップをあちこち探索して宝物庫を開けたり、商人巡りをして家具を扱っている商人を見つけたりなど、家具集めが結構大変なのですが、和風建築なども出来たりします。
↑建築がやりやすいほか、ランダム生成機能やテンプレート機能なども実装されている
気になる点・注意点
①自制しないといけないレベルで尋常じゃない味方のインフレ
前提としてアトリエシリーズは味方がインフレしやすい所はあります。基本的に戦闘で使用する装備やアイテムも調合で自作する関係上、調合に凝れば凝るほど自キャラも大きく強化されるためです。
ただそれを前提に置いたとしても、本作はインフレ具合が凄まじいです。原因はいくつかあるのですが、特に大きいのが①調合②敵のステータス調整が挙げられます。
①本作の調合は、基本的に素材の縛りが緩い形になっているのですが、結果ステータス上昇するアイテムを大量に詰め込む事が可能です。例えば素材として攻撃力を+5するインゴットがあった場合、これを最終的には20個も30個も詰め込めるようになるので、1つ辺りの上昇幅が小さくとも、それを積み上げれば最終的な値はとんでもない事になります。そんな装備を1人辺り最大4つまで装備出来るので、積み上がる値はいよいよとんでもない事になります。そのため自分で縛らないと中盤頃にはゲームエンド級の装備が作れてしまう事になるわけです。※なお装備品とは別に戦闘中に使えるアイテムなども調合出来るのだが、こちらはもっと極端で素材の品質にさえ拘ればゲームエンド級のアイテムが作れてしまう。
②それでは敵のステータスはそういった調合システムを配慮した調整になっているのかというと、そんな事は一切なく、むしろステータス上昇アイテムをつぎ込まなくてもクリア出来るように調整されてしまっているので、結果的に自主的に縛らないと章ボスなども10秒程度で処理できてしまうレベルです。
ある程度のステータス差はジャスト回避などで補えるシステムになっているので、だからこそ調合システムを駆使した上で強敵ぐらいの調整だったならなと思うところです。

↑例えば左は自重せずに作った中盤装備で、右は色々縛ったクリア時装備
右程度のステータスで十分クリアできるのに、中盤時点で左のステータスに到達できてしまう

↑もう1つ比較として後半戦う、とあるボスのステータス
左が通常時で、右が色々とデバフを付けた時
色々込々で考えると敵のインフレが控え目な調整になっている
②全体的に荒削りなところも多い
システム面を大きく変えたアトリエシリーズの1作目ではよくある事ではありますが、やはり粗削りな点は非常に多いです。ゲーム性に慣れてしまえばある程度はこういうものかなと流せる部分もあるのですが、個人的に一番気になったのは、マップ探索で使用するアイテムがマップ探索後半で手に入る所でしょう。
例えば特定の壁を壊せる炸裂弾や、網状の構造物を破壊できる切弾というアイテムがあるのですが、こういったアイテムは開拓クエストを全てクリアしたときの報酬になっています。
開拓クエストとは地方毎に用意されたクエストであり、戦闘から探索まで色々あるのですが、大体マップ開拓率が70~80%まで到達しないと全てクリア出来ない事が多いです。
つまりマップを殆ど探索し終わった段階で、そういった探索アイテムが新たに貰え、既に探索したところも含めてもう一度探し回るという二度手間が発生します。一応救済措置なのか、これらのアイテムは、マップ上で困っているモブ調査員を救助すると、お礼として一部貰えたりするのですが、こちらもこちらで面倒なうえにあまり数が貰えません。
前述したインフレ問題などもそうなのですが、基本システムが良いだけに、次回作以降の調整に期待したいシステムも多いです。
おわりに
以上がユミアのアトリエの紹介記事になります。ボリュームたっぷりで緩くカジュアルに遊べる一方で、粗も結構目立つゲームとなっています。
筆者としては、アトリエシリーズの根幹とも言える錬金術の在り方を問うというストーリーが、そのオチも含めて結構面白かった事もあり、全てのマップの開拓率を100%にした上で最後まで楽しめましたが、プレイスタイルや何を重視するかによってその評価は変わりやすい作品なのではないかと思います。
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