ゲーム概要
ゲーム名 | Romancing SaGa 2: Revenge of the Seven |
ジャンル | RPG |
プレイ人数 | 1人 |
プレイ時間目安 | 1周約60時間前後 |
販売形態 | Nintendo Switch、PlayStation、Steam |
価格 | 6820円 |
参考URL | 公式 https://www.jp.square-enix.com/rs2r/ PS5 https://store.playstation.com/ja-jp/product/JP0082-PPSA21645_00-ROMASAGA2RDEMOJA Switch https://store-jp.nintendo.com/item/software/D70010000067814 Steam https://store.steampowered.com/app/2455640/_2/ |
一口メモ | やり応えのあるハードなRPG※難易度調整可 |
公式PV
はじめに
今回紹介するのは、ロマンシングサガ2のリメイク作品であるロマンシング サガ2 リベンジオブザセブンです。リメイク作品といいつつも、ただ現代向けにグラフィックを調整した作品というわけではなく、ゲーム性やUIなどに大きくテコ入れされた作品となっており、基本的な難易度を維持つつも、遊びやすくマイルドな調整もされた作品となっています。
またロマサガ2は、RPG作品として見た場合、かなり独自性のあるシステムの数々が特徴的ですが、それ故に様々な戦略性が取れるのが特徴的なゲームとなっています。ストーリー進行に関しても、フリーシナリオシステムとなっており、最序盤と最終盤以外は、自由にゲーム進行を選べるのも特徴的です。
なお今回のレビューは、1周目のオリジナル難易度(所謂ハード)視点で執筆していますが、本作にはカジュアルとノーマルの2つの難易度が存在し、敵の強さ以外は変化しないタイプの難易度調整になっているため、高難易度RPGが苦手な人でも取っ付きやすい作品なのではないかと思います。
↑なおリマスター版※のオマケキャラだった忍者と陰陽師は、本編に追加される形となった。
動画は忍者のもので、追加キャラという事もあり展開が割と今風である。
※リマスター版とは、原作に修正を入れつつ、一部追加要素を足したものとなっており、そちらはドット絵調なのもあり、あくまで原作の雰囲気をそのままに遊ぶ作品となっている。
ゲームの特徴
①色とりどりな仲間達
本作は、様々な仲間から5人選出して1パーティを組む方式になっています。仲間候補はイベントをこなすごとに増えるようになっており、最大27人の中から選べるようになります。仲間1人1人が固有の特性(アビリティ)と、固有のステータスをもっており、自分の戦略に合わせたキャラ選びが重要になってきます。
また、本作の特筆すべき点として、キャラビジュアルも挙げられるでしょう。サガシリーズは、基本的にビジュアルが濃い事が多く、あまり素直に万人向けとは言い難い所もあったのですが、本作は敵味方問わず万人向けにビジュアルがリメイクされています。更に本作は歴史物である関係上、100年単位で時代経過が起こる事も度々あり、その関係で同じクラス(職業)に複数のビジュアルが用意されているのも特徴的です。
↑元がドットゲーだったのもあってか、個性豊かな面々が並ぶ
↑同じクラスであっても、少しずつながら見た目が異なる※
※顔3パターン髪型3パターン色調が3パターン存在し、1クラスにつき最大8種類の見た目が存在する。
②ひらめきシステム
本作は、レベルアップシステムもかなり特殊です。一般的なRPGの場合、経験値を稼ぎ、キャラクターのレベルが成長すると、それに合わせてステータスが強化されたり、技を憶えたりするものですが、本作の場合は、ステータスそのものを直接育成するイメージのゲームとなっています。例えば、剣の関わる攻撃を使えば使うほど、剣の習熟度が上昇し、剣を使った攻撃の威力が上昇していくといった具合です。
そして習熟度を一定数稼ぐと、特定の技で相手を攻撃した際に、確率で技をひらめく事が可能となっています。新しく技を憶えるには、技をひらめくしかなく、一度技を閃いてしまえば、後述する年代ジャンプシステムのおかげで、味方全員に同じ技を共有出来るので、技を閃けるよう環境を整えることが本作では重要なポイントになっています。
さらにこのひらめきシステムは、本来キャラクター毎に閃ける技が固定されているのですが、年代ジャンプによる共有が行われていると、必要習熟度さえ達成していれば、本来閃けない技を使う事が出来るようになるため、本作の自由度を底上げするシステムにもなっています。
なおこういった習熟度とは別に、行動順を決定する素早さや、打撃系の攻撃の基礎威力を決定する腕力など、所謂基礎ステータスと呼ばれる類のものもあるのですが、こちらは固定となっています。※ただし装備で数値を多少盛るといった事は可能。
③見切りシステム
ひらめきシステムが自身の攻撃に関わるシステムだとしたら、自身の防御に関わるシステムがこの見切りシステムです。見切りシステムは、相手の攻撃を受けた際に一定確率で発生システムであり、その相手の技を見切れるようになります。技を見切ると、その技限定で必ず回避出来るようになるため、活用出来ると非常に強力なシステムです。
こちらもひらめきシステムと同様に、後述する年代ジャンプを活用すると、味方全キャラで共有出来るようになるため、技を見切れば見切る程、後々が楽になるようなシステムになっています。
④命が重いようで軽いLPシステム
本作ではキャラクターごとにLPというライフシステムが採用されています。LPとは端的に言えば蘇生出来る回数であり、この値が0になってしまうと、キャラロスト(そのキャラを使えなくなる状態)してしまう形になっています。LPは限られた方法でしか回復出来ないため、いかにこのLPを0にしないようにするかが、基本的には重要になってきます。※一部例外あり
このように重いデメリットが付き纏うLPですが、その代わりに、回復魔法全般が蘇生魔法のように機能するというメリットもあります。蘇生魔法を間に挟まずに、キャラクターを即座に蘇生させられるため、パーティの立て直しを行い易く、LPが0にならないように注意していれば、むしろメリットを享受しやすいシステムとも言えます。
またキャラロストしたとしても、名前(と基礎能力値)の異なる同職業のキャラクターを再び加入させる事が出来るようになるため、キャラロストそのもののデメリット自体は、殆どないに等しいです。
↑キャラロストしても基礎ステータスが変わる程度なのでデメリットは殆どない。
画像のキャラロス後の忍者は斧が得意なタイプだったため、むしろ強化されてしまった。
ただし、キャラの外見が変化する関係上、キャラロストの印象は強くなっている。
⑤陣形システム
本作では、陣形システムというものがあり、採用した陣形によって様々なメリットデメリットが付加されるようになっています。ステータスを上下させるものから、行動順を固定する陣形や、敵のヘイト管理を行うものまで、陣形ごとに様々な効果があり、目的に合わせて陣形を選択するのが重要になってきます。
また、陣形は最初から全て使えるというわけではなく、使用メインキャラクター(皇帝)に応じて新規解放されるようになっているため、色々なキャラクターを使えば使うほど、新しく色々な陣形が使えるようなシステムになっています。
⑥年代ジャンプと皇帝の交代
本作では時代が大きく変化する節目の事を年代ジャンプと言います。年代ジャンプが発生すると、基本的に50年~200年ほど時代が経過するようになっており、世代交代が入るようになっています。
この年代ジャンプには様々なメリットがあり、キャラのリセット(=失ったLPの回復)、前年代で開発した装備品の流通(=装備の複製)、前述した一部味方が習得した技・見切った技が全体に共有されたりなどが挙げられます。また、メイン操作キャラクターである皇帝の世代交代もこの年代ジャンプにて行われます。皇帝は最初と最後のみ固定キャラクターとなっており、その間に関しては、仲間キャラクターから1人を皇帝に選ぶシステムになっています。皇帝となったキャラクターは、メインキャラである事から、パーティから外す事が出来なくなる一方で、先代の皇帝の習熟度を継承する関係上、ステータスが高くなりやすかったり、皇帝に選ばれたキャラクターに応じて、新たな陣形を覚えられたりといったメリットがあります。
なお皇帝の交代に関しては、各世代につき一度だけ任意でもう一度交代出来る他、パーティの全滅や皇帝のLPが0になってキャラロストした場合にも交代出来るようなシステムになっています。
↑年代ジャンプが発生すると時代が大きく経過し、皇帝も強制的に交代される。
良い所・オススメな点
①全体的にシステム面がマイルドになった
本作はリメイク前のロマサガ2に比べて、システム面が非常にマイルドになっています。例えば丁寧なクエストガイドが追加された事で、どこで何をすれば良いのか一目でわかるようになったり、システム1つ1つを説明したチュートリアルが付くようになったため、このシステムには何の意味があるのか?と言った事が一目でわかるようになりました。
またリメイク前の難点として、マスクデータ(ゲーム上では表記されていないデータのこと)が多かった事が挙げられるのですが、本作ではそういった要素も排除され、一目で全部わかるように改変されています。
更にそうやってシステム面はマイルドにしつつも、ゲーム上の難易度は(オリジナル難易度の場合)原作をそのまま再現したり、原作では弱かったボスキャラクターが強化されていたりなどもするため、マイルド化したうえで、やり応えのあるゲーム難易度を維持しているという点で、非常に理想的なリメイク作品となっています。
↑例えば基本ステがどう影響するかや、両手武器を使用した時のデメリットなど、
基本的な情報は全てチュートリアルで説明してくれるため、ゲームに取っつきやすい
↑リメイク前と比較してみても情報量の違いがよくわかる。
リメイク後はキャラの狙われやすさやステータスへの影響まで教えてくれる。
②ボイス追加による臨場感の上昇
本作はボイスにも対応しているは大きな変更点です。色々なキャラクターがボイス付きで喋ってくれるため、非常に臨場感あるものとなっています。固定キャラクター以外の皇帝は基本的に殆ど喋らないという欠点もありますが、それでも自キャラ以外がボイス付きで盛り上げてくれます。しっかりとリメイク前を踏襲した台詞運びになっているため、中には面白台詞がそのまま再現されていたりなど、原作愛もしっかり抑えたボイス収録となっています。
↑お馴染みの台詞をフルボイスで楽しめたりも
↑ボイスから話は逸れるが、BGMのアレンジが良く、更に原作BGMも楽しめる
③明かされる七英雄の過去
本作からの追加要素として、本作のボス格にあたる七英雄の過去を知れるエピソードが追加されたというものがあります。リメイク前の七英雄は、元人間である事以外の詳しい過去は明かされておらず、一応各種メディア作品で深堀はされたものの、統一的な見解は特にないような状態にありました。特に七英雄は、英雄の名を冠しながらも、おおよそ英雄に似つかわしくない性格のキャラクターが多く、なぜそのような状態になってしまったのか、事の経緯を詳しく知れるようになっています。結果的にストーリーへの没入感が上昇しているため、非常に良い追加要素と言えます。
↑各地に置かれた記憶から七英雄の過去(人間時代)について詳しく知れるようになっている
④周回要素が強化された
本作では強くてニューゲームが出来る他、強くてニューゲームを前提とした高難易度が追加されているため、周回要素が強化されました。所謂やりこみ勢の需要に答えるような作りになっています。ただし、強くてニューゲームと言っても、技の習得状況や、見切った技なども全てリセットされてしまうため、やり応えはある一方で、一から習得し直しという面倒さも据え置きなので、この点に関しては一長一短と言えそうです。
気になる点・注意点
①全滅orリセットの覚悟がいる攻略(難易度オリジナル&初見プレイ時)
一口メモでハードなRPGと紹介したのですが、この主たる要因として、対策しないと非常に厳しいボスが何体かいる事が挙げられます。特に本作には、属性システム関連で地相というシステムがあり、地相の対策をしないと非常にやっかいになっています。例えば火属性のボスが火属性の攻撃を行った場合、フィールドに火の地相が発生し、火属性の攻撃強化&ターン終了時に体力の割合回復効果がボスキャラに付与されるようになります。この火の地相を打ち消すには、水属性の攻撃や術を使う必要があります。そうすると様々な状況に対応出来るよう、事前に幅広くスキルを習得したい所ですが、本作はスキル習得枠に限度がある他、相反する属性の術は同時に採用出来ない(例えば火の術と水の術は同時採用出来ない)という仕様上、相手に合わせて習得スキルを変更していくシステムになっています。
※年代ジャンプによって、スキルが味方全員に共有されるのも、このような戦闘システムを前提としているため、スキルの付け直しをし易いように共有化していると言えます。
またボスの中には、耐性に抜け穴があるタイプも存在し、その抜け穴を付いて、状態異常を付与するかどうかで、攻略難易度に雲泥の差があるタイプのボスも多いです。
しかしながら、初見プレイの場合、当然そのような知識は全く存在しないため、原作知識もない場合、情報収集目的で全滅覚悟で突っ込む(=キャラロスト)か、リセットに抵抗がないなら、ある程度敵の行動が分かった時点でリセットするかの対応が必要になって来ます。
キャラロストそのものにはデメリットはなく、皇帝の交代も行えるため、新しい陣形の解放などメリットも一応ありますが、気になる人には引っかかるポイントなのではないかと思います。
②年代ジャンプシステムによる計画性が必要
色々とメリットのあるシステムとして紹介した年代ジャンプシステムですが、注意点もいくつか存在し、それが最終盤キャラである最終皇帝が登場すると、年代ジャンプ&皇帝の交代が行えなくなるというものです。つまり最終皇帝が登場してしまうと、技の共有化も、新たな陣形の習得も出来なくなってしまうため、習得状況次第では、最終皇帝プレイ時の難易度が上がる事になります。
また、イベントの中には、年代ジャンプによる時代経過によって進行するものや、逆に年代ジャンプを行ってしまうと、強制失敗でフラグが折れてしまうものなどもあります。当然この中には仲間加入系のイベントも混ざっており、注意していないと加入フラグが折れてしまう事になります。
年代ジャンプのタイミングは極一部を除いて固定化されておらず、最終皇帝の登場タイミングと合わせて、初見プレイだと中々対応しにくいポイントになっています。
基本的には七英雄を倒す順番を注意するか、クエストを途中で放置せずに最後まで突っ走ればクリア出来るものが大半となっている。
ただし⑤の人魚と踊り子は、他のクエストも関わって来る上に、非常にフラグが折れやすいので注意が必要。クエストの発生にも男性皇帝が必須なため、女性皇帝プレイを中心に行って後回しにしていたら、「嵐と沈没船」クエストが発生して、クエスト発生条件が潰れていたという事も起こり得る。
またこれ以外にも、最終皇帝登場で仲間加入フラグが折れるクエストはいくつか存在するが、基本的には順当に遊ぶ分には早々潰れる事はないため、割愛した。
①シティシーフ
「アバロンの泥棒猫」発生後、キャットを救出しないorキャットに協力後、運河要塞でキャットに話しかけずに運河要塞を攻略した場合、未加入になってしまう。
②軍師及びノーマッド
七英雄ボクオーンを放置して他の七英雄を全て倒してしまった場合、ステップ地方からボクオーンが移動してしまい、加入イベントが発生せず仲間に出来ない。
③サイゴ族
「交易ルート奪回」で七英雄ダンターグと戦闘せずに、他の七英雄を全て倒した場合、ダンターグが移動してしまい、加入イベントが発生せずに仲間に出来ない。
④デザートガード
七英雄ノエルと和解せずに、他の七英雄を全て倒した場合、ノエルが移動してしまい、加入イベントが発生せずに仲間に出来ない。
⑤人魚及び踊り子
「幻の人魚追跡」を男性皇帝で発生させた際に、途中で年代ジャンプで起こすor皇帝交代or皇帝死亡(含むパーティ全滅)を起こすと失敗する。また「嵐と沈没船」イベントが発生した場合には、そもそも「幻の人魚追跡」が発生しなくなるため仲間に出来なくなる。「嵐と沈没船」は「ギャロンの反乱」クリア後に年代ジャンプを行うと高確率で発生するため、なるべくその前にクエストの発生&クリアを狙いたい。
また、「幻の人魚追跡」をクリアするためには、「サバンナの悪夢」におけるボスを倒し、モール族を解放させる必要がある。また「サバンナの悪夢」はボスの撃破報告を行う事で、初めてクリア扱いになるが、クリアしてしまうと高確率で年代ジャンプが発生するイベントの1つになっているため、報告せずに、「幻の人魚追跡」を進行させる事を推奨
⑥海女
「嵐と沈没船」発生前に最終皇帝即位でクエストが未発生になり失敗
「嵐と沈没船」の発生そのものに年代ジャンプが必須なため、後ろにずれ込みやすく要注意
⑦ホーリーオーダー(男女)
「サイフリートを追え」をクリアせずに年代ジャンプを行うと失敗扱いで加入不可
⑧イーストガード
「忠臣のセキシュウサイ」クリア前に年代ジャンプを行うと失敗扱いになり加入不可
↑この2人(最終皇帝)が出て来てしまうと、皇帝の交代が一切出来なくなる。
こうなると、キャラクターの強化という点では頭打ちになりやすい。
その代わりにキャラとしては頭1つ抜けて強いので、攻略そのものが詰まる事は流石にない。
おわりに
以上がロマンシング サガ2 リベンジオブザセブンの紹介記事になります。
ロマサガ2は、オリジナル難易度以上で遊んだ場合、難しめなRPGである事は間違いないのですが、この難しさは、事前準備に依る所が多く、他の高難易度RPGと比較した場合、突然理不尽な目に襲われるといったような難しさではないので、相手の行動を見て、色々と試行錯誤出来る人ならば、誰でもオススメ出来るのではないかと思います。
特に、往年の名作でありながら、ゲーム内情報の少なさから取っつきにくかった原作の難点が大きく改善されており、ゲーム内情報だけでも、十分に戦闘計画を立てられるように作られているため、気になっていたけれど、難しそうだから手を出しにくいように感じていたタイプの人には特にオススメ出来る作品なのではないかと思います。
なお本作には体験版もありますが、体験版の内容はほぼ序章に過ぎず、更にゲームシステム的にも、体験版以降の年代ジャンプが解放されてからが本番なので、体験版で仮にゲームシステムが合わなかったとしても、もう一度検討してみるのもオススメします。
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