はじめに
今回はストリートファイター6の2024年12月2日の調整によって、熱そうなキャラクターをモダン操作視点で考えて見る記事になります。
前回の調整では、リリー・ザンギ・マノンの3キャラに絞って見ていきましたが、今回は調整キャラが多かったため、モダンでも強化の恩恵を大きく受けているルーク・マリーザ・リリー・本田・春麗・テリーの6キャラについて扱って見ました。調整内容が色々書かれていたけど結局どう変わったのよ?と気になった方はぜひご一読ください。
なお今回は強化点のみを扱うのでご留意ください。またドライブゲージに関わる変更なども、操作感が変わるわけではないので取り扱っていません。
今回の調整の傾向について
英語版X(旧twitter)では、豪鬼の時ほどの調整は来ないよと事前アナウンスがされていた調整ですが、蓋を開けて見れば、豪鬼の時の調整並みのかなりの大型調整になっています。調整内容の傾向性を簡単に纏めて見ると、下記の通りです。
全体的な調整内容としては、上位キャラも下位キャラもどちらにも配慮が効いており、調整単体で評価するならば、良調整寄りなのではないかと思います。
一方で、モダン視点で見た場合、不具合調整以外には春麗の構えに技が追加されたのとザンギのストンピング追加以外には一切モダンに関する調整はないというかなり侘しいものになっています。ただクラシック限定強化が目立った前回&前々回の調整に比べると、モダンでも恩恵が受けられるような調整がそれなりにあるため、キャラにもよるものの、モダンでも強化点がいくつか見られる場合があります。
またキャラクターで言うと、モダン操作キャラクターとしてオススメしやすく、使い手も多いエドの弱体化は痛いですが、クラシックにしかない技の弱体化が一番エドに痛かったりという事もあるので、依然モダンとしても強キャラとしての立ち位置にはいるのではないかと思います。
更にスト6発売初年度にモダン操作を代表するキャラクターであるルークが、全盛期ほどではないにしろ、かなり復権しつつあるのもモダンとしては大きなポイントです。相手が技を空振った所をお仕置きする所謂差し返しが大きく強化された関係上、上級者向けのキャラクターにはなっていますが、モダンだけの強みもあるキャラクターになっています。
実際にキャラを見ていく
ここからは、各キャラに調整内容がどのように影響したのか具体的に見ていきたいと思います。なお弱体化調整や、ドライブゲージ回復量の変更だけされたような技については扱わないのでご留意ください。
ルーク
①差し返しのコンボの火力が上がった
ルークは豪鬼追加時の大型調整によって、主要通常技の補正(コンボ時に技のダメージを下げるゲームシステムの事)が強化され、二重に補正がかかるようになったりした結果、大きくコンボ火力が下がる結果となっていました。
しかし今回の調整によって、中フラッシュナックルのジャスト入力時に補正がかからないようになった結果、コンボ火力が大きく伸びる事なりました。ただし通常技の補正自体は、豪鬼調整時のまま保留されているので、例えば中アシスト攻撃→キャンセルラッシュ→中アシスト攻撃→しゃがみ強攻撃→中フラッシュナックルというメインコンボの火力は殆ど上昇していません。
そのため基本的には差し返し(相手が技を空振った際の反撃)で使うアシスト強攻撃始動や、相手の投げ(投げ抜け)を釣るサプレッサー始動時のコンボで大きく減るようになっています。このため現在のルークは通常技や投げの圧で相手に技を空振らせ、そこにお仕置きして大きくダメージを稼ぐキャラクターになっています。
モダンルークは、本来しゃがみガードから出せない強P(強アシスト攻撃)をしゃがみガードで出せるという大きな利点があり、安全に差し返しを狙い易いキャラクターになっているので、モダンの強みが活かしやすいという点においても非常に強力な調整となっています。
↑相手を画面端に運びつつ3548ダメージ与えたり(起き攻め付き)
大型調整の強化要素であるDDTで4130ダメージと破格のダメージになっている。
なによりSAゲージを使わずこの伸びである。
↑強アシストの差し返し時(パニカン時)はジャスト入力をしようとしまいとコンボになるが、
補正がかからないのはジャスト入力時のみなので、ダメージ差が大きい
②リーチの長い牽制技が増えた
前+強攻撃→強攻撃で出るターゲットコンボであるノースブレイカーが強化された結果、リーチの長い通常技が増える事となりました。今までのルークは相手との距離がある程度離れていると、振る技に困りがちで、弾技であるサンドブラストに頼りがちだったのですが、新たな選択肢が増え、結果的に通常技の圧が前よりも強化されています。相手に技を空振らせるには、通常技で圧をかける必要があるため、前よりも圧をかけやすくなったと言えるでしょう。
注意点として、相手にガードされているのに二段目に派生してしまうと確定で反撃を貰ってしまう事になります。少々難しいですが、相手にちゃんとヒットしているかどうか一段目で判断するようにしましょう。
↑通常技の最長リーチが更新されている。
ヒットさせた時のリターンもしっかりある。
③中攻撃のタゲコンに使い道が増えた
中足の後に肘攻撃を繰り出すターゲットコンボですが、ヒット時の有利フレームが1F増加した事で、①投げ②サプレッサー③弱攻撃(4F技)の3択が成立するようになりました。使い分けとしては、①タゲコン後に相手がガードし続けるようなら投げを②相手が投げを嫌がって投げ抜けを押しそうならサプレッサーを③相手がサプレッサーを嫌がって弱攻撃で反撃してくるようなら投げか弱攻撃を選ぶといった形です。特にサプレッサーが刺さると大ダメージ確定なので、サプレッサーの圧を利用しながら投げでダメージを稼ぐのがメインの使い方になるのではないかと思います。
ただし2段目の肘攻撃を相手にガードされると確定で反撃を貰ってしまうため、そこまで気軽に振り回せる技というわけでもありません。自身のドライブゲージの状況や、相手の行動を見ながら適宜差し込んでいく技となっています。
↑基本は投げorサプを軸に相手の弱攻撃暴れを読めたなら弱攻撃が狙い目
④OD弾技の派生技強化のあおりで一部コンボが更新された
二連続で強化された弾を発射するフェイタルショットが、相手キャラに命中して壁まで吹き飛んだ場合、壁に貼り付くような強化がされました。相手との距離が近いならSA1かSA3が繋がるので、突然フェイタルショットをぶっ放すという手もなくはないですが、後隙が大きいため、ガードされると反撃を貰ってしまう場合もあります。※相手が壁際でも弾を撃つようなタイプなら狙うという手もなくはない
なので、かなりオタク寄りにはなりますが、一部相手を倒し切る際のコンボダメージが増加した点がメインといえそうです。フェイタルショットは3ゲージ消費してしまうので、キャンセルラッシュなどでコンボを伸ばした方が良さそう見えますが、モダンルークはキャンセルラッシュでよく使われる前強Kがない事もあり、一部フェイタルショットでダメージを伸ばした方がダメージが伸びているように思われます。
↑突然撃ち込んでリーサルを狙うといった使い方は一応可能。
ただしSA1が届くギリギリの距離以外ではガードされると反撃を貰う。
↑壁際近くの中アシスト攻撃ノーマルヒット時にSA1やSA2で締めたい場合など
かなり限定的な所で使い所があるタイプのコンボパーツとして。
3ゲージ使ってしまう事を考えるとあくまで相手を倒せる時での想定になるか?
マリーザ
①シミーを狙った時のダメージが上がった
溜めた下強攻撃の攻撃判定が前方に拡大した事で、シミー(相手の起き上がりに投げ抜けや無敵技をやってくるの予測して後ろに下がる事)をした際に使う技の選択肢が増えました。また地上でパニカンさせた時(相手の技の空振りに攻撃を当てた時)のコンボ火力が上昇しており、これは場所を選ばずに使えるため、特に相手の無敵技をガードした時のリターンが増えています。
下強攻撃は上側にも判定が強い関係上、相手がジャンプした場合にも当たったりするので、起き攻めの選択肢としては使い易いものになっています。※あくまでパニカン時のコンボ火力だけ上がるので、ジャンプした相手を殴った場合にはコンボ火力は上がらない。
↑しゃがみ強攻撃を絡める事で7000近いダメージを稼げるゴリラ力が強化された。
一番大きいのは画面端でも画面中央でもほぼ同様のコンボで繋げられる点が挙げられる。
②セットプレイが増えた
溜め強攻撃が強化された結果、コンボの締めなどに使う事でセットプレイの選択肢が増えています。強攻撃でコンボを締めた場合、多少コンボ火力が落ちたりSAに繋げられないなどのデメリットがある一方で、Dゲージ消費を抑えられたり、起き攻めの選択肢が増えたりする利点が大きいので、特に倒し切りを狙う場面以外では、溜め強攻撃を絡めると強いでしょう。
↑締めに溜め強攻撃を交える事で、投げ間合いの起き攻めを行う事が出来る。
Dゲージ消費量の少なさも魅力的。
↑投げ抜けのお仕置きもしっかり完備
③リーチの長いパチンコ技がモダンでも使えるように
元々前回の調整でクラシックにしかない強Kが強化され、モダンマリーザはかなり冷や飯ぐらいだったのですが、前述した溜め強攻撃の攻撃判定が強化された結果、モダンでも遠くから攻撃をしてひっかかれば大ダメージの技が使えるようになりました。
グラディウスだけでは反撃やパリィが貰い易いので、グラディウス・溜め強攻撃・溜め強アシスト攻撃の3つを使い分けて相手に圧をかけていくと良いでしょう。
↑リーチが長く、相手の攻撃と噛み合ったら大ダメージ確定の技がモダンでも使えるように。
このおかげでモダンでも相手キャラに触り易い技が増えている。
リリー
①モダンとクラシックの差が殆ど無くなった
弱攻撃→キャンセルラッシュ→しゃがみ弱攻撃→強アシスト攻撃が繋がるようになった結果、ラッシュが関わるコンボが改善され、いよいよクラシックとの差が殆どなくなりました。一応中段の有無が差になる要素としてありますが、リリーの中段はそこまで強力なものではなく、モダンによるワンボタンによる恩恵を考えるならば、人によってはいよいよモダンの方が強いという評価までされています。
↑弱攻撃から風溜め技に繋がるようになり、モダンでも風溜めの選択肢が増えた。
②全体的なコンボ火力が伸びた
前強攻撃の性能が強化され、空中の敵も拾えるようになった結果、他のキャラクターでよく見られるような、インパクト返し後などをジャンプ攻撃始動で始められるようになり、結果ジャンプ攻撃分コンボ火力が上昇する結果となりました。
さらにこの空中の敵を拾えるという事は、突進技であるコンドルスパイアに繋がるという事であり、相手キャラを運んだり、中央でSA1に繋げたりといった事も出来るようになっています。スパイア締めは起き攻めも付いて来るため、コンボ後の状況も良いという事で、かなり破格です。
↑条件付き高火力ダメージだったのが、かなり緩めにダメージを伸ばせるようになった。
↑弱攻撃で相手の空中判定の技と噛み合わせて、ダメージを稼ぐといった芸当も可能。
本田
①強攻撃のリターンが増え、コンボ火力が上がった
強攻撃から大砲(↓↘→+攻撃ボタンを押した後に、↓+攻撃ボタン)が繋がるようになった事で、コンボ火力が上昇し、起き攻めも強力になりました。大砲へはノーマルヒットでも繋がるので、どんな状況でも安定してコンボダメージを稼ぐ事が可能です。
↑ラッシュもカウンターヒットもなしに大砲に繋がるので平均火力が上がった。
ゲージを使わずに済むのは、一番大きいポイントになっている。
②立ち回りで鉄砲が使えるようになった
前に歩いて詰め寄りながら、派生攻撃を入力する事で張り手攻撃が出て来る鉄砲ですが、これが立ち回りで使えるようになりました。元々攻撃をガードさえさせられれば、反撃を貰うような事はありませんでしたが、先端で張り手を当てるように調整すれば、文字通り何も反撃を受けずに攻撃を置けるため、かなり振り易くなっています。
一方でOD鉄砲は、コマ投げの範囲にまで近づき、相手の弱攻撃による暴れ(反撃)を許さずにコマ投げにいけるため、ガードさえさせてしまえばコマ投げor打撃の完全2択が成立する技になっています。ゲージを使う関係上何度も擦るような技ではありませんが、ガードを硬い相手を崩すための攻めの選択肢の1つとして憶えておいて良いでしょう。
↑多用は出来ないが、前へと押したい時などに使える選択肢になっている。
↑OD鉄砲は相手を無理矢理崩す択として使える。
春麗
①構えに技が追加され、セットプレイが増えた
構え技が全て追加された事で、春麗のセットプレイが増えました。特に中段は今までモダンには全くない要素だったので、強天翔脚後などには蓮掌(中段)・パリィ読みの構え解除投げ・下段技の三択を使い分けると良さそうです。
ただしこの影響で、モダン春麗はますますコンボ難易度が上がっている点には要注意が必要でしょう。一応強アシストコンボを絡めた構え移行は、強アシスト攻撃を連発しつつ構え移行のタイミングで移行したい技を連打すれば出るのでまだマシですが、それ以外の状況下での構えを使ったコンボは非常に難しいです。
↑構え中段は当たればそのままラッシュに繋がるため、リーサル力が高い。
ただし中段を通すには、他の選択肢を通さないと警戒されやすいので難しい。
↑他の派生で言うと蘭華(弱派生)も相手の割り込みを許さない連携が作れたりする。
蘭華はガードされた時に距離が離れるため、相手の反撃を空振らせる目的でも使える。
②安定コンボとして強スピバが使い易くなった
強スピニングバードキックが繋がりやすくなったため、コンボ火力が上がったり、比較的使い易いコンボが増えたりしました。特に中アシスト攻撃からスピニングバードキックが繋がり易くなったため、構えが移行が難しいコンボに直面した場合には、中アシスト→強スピバで誤魔化すといった手も使えます。
↑例えば従来の中スピバ締めよりも、強スピバ締めコンボの方がダメージが伸びたりする。
↑非常に簡単なコンボとして、ラッシュ→中アシスト攻撃→中アシスト攻撃→強スピバなども。
中アシスト攻撃→強スピバはかなり使い易いコンボとなっている。
テリー
①強アシスト攻撃が強力になった
テリーの強アシスト攻撃がガードされた時のフレームが大幅に強化され、特にラッシュ時には大幅に有利を取れるようになりました。結果ガードされたとしても、もう一度強アシスト攻撃を続けて出す行動が非常に強くなっています。ラッシュ強アシスト攻撃に相手が弱攻撃(最速技)で反撃したとしても、相打ちになってコンボを続けられるようになっており、だからとガードするなら強アシスト攻撃を重ねる事で相手のドライブゲージを削れるようになっています。
またラッシュからの強アシスト攻撃自体は投げ間合い外なのですが、微歩きすると画面中央でもラッシュ強アシスト攻撃による疑似的な柔道が出来るようになっています。※ただし綺麗に重ねる(後ろに下がれないようにする)のはかなりシビア。
そのため、ラッシュ強アシスト攻撃で投げの圧をかけていき、相手の投げ抜けを誘って大ダメージを狙うといった方法も可能です。
↑モダンだと仕様上少し難しいが、連続強アシスト攻撃が非常に強力になった。
↑中央でも投げ重ねが出来るのも強み。何度も投げる事で投げの圧をかけていきたい。
②ラウンドウェイブが強化され、コンボ火力が上がった
ラウンドウェイブが強化された事で、ドライブゲージ削り能力と、コンボ火力の2つが上昇しました。ラウンドウェイブを絡めるとドライブラッシュでコンボが伸ばせたり、BO時でも繋がる技が増えてコンボダメージが伸ばせるようになっています。
ただしラウンドウェイブを絡めたコンボをやる場合、特に中央での強アシストコンボに混ぜる際には、最速入力では繋がらず、少し遅らせて入力しないと繋がらないようになっているので、練習して体に憶えさせないとかなり難しいものになっています。
↑遅らせ入力でラウンドウェイブに繋げる事で、コンボ火力を伸ばす事が出来る。
↑BOしててもダブルバスターウルフを決めるといった芸当も可能。
こちらは最速入力で良いので入力も優しい。
↑強Kパニカン時には、ラウンドウェイブを絡めるとコンボ選択をする余裕が生まれる。
最大ダメージではないにしても、十分ダメージも伸びるので、かなりお手軽。
おわりに
以上が今回の調整でモダン操作時に特に気になるキャラクター達になっています。
個人的にこの中でも特に熱いのは、モダンの強みが活かせるルーク、クラシックよりモダンの方が強いという声もよく聞くリリー・本田辺りなのではないでしょうか。特にルークは高難易度寄りではあるもののスタンダードなキャラクターでもあるので、かなりオススメしやすいです。
なお一方で、モダンでもあまり強化の恩恵が得られなかったキャラクターもまだまだいます。紹介したキャラクター以外だと、ジェイミー・キンバリー・リュウ辺りが注目株なのですが、モダン操作だと、酒飲みの利点が大きく上がったのに酒を飲みに行ける技が少ないジェイミー(特に空対空)・強化された大足刀が使えないリュウ、技の強度を使い分けてこそ強みが活きるのにその技がないキンバリーとそれぞれ難点も大きかったため、紹介を避けた形となっています。
モダン操作そのものに対する調整は本当に最低限の調整だったので、次回の調整(もしくは次の大型調整)でしっかりモダン操作にもメスを入れてくれる事を願うばかりです。
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