【レビュー】shapez 2
~宇宙規模な自動化工業ゲーム~

レビュー
ゲーム名shapez 2(シェイプズ2)
ジャンル管理、ストラテジー、自動化、工業、3D、アーリーアクセス
プレイ人数1人
プレイ時間目安メイン要素(列車輸送)解放までに10時間~15時間
全要素解放は効率次第だが50~100時間程度
販売形態Nintendo Switch、PlayStation、Steam、Xbox Series X/Sなど
価格2800円
日本語化の有無公式で日本語対応済み
参考URLSteam
https://store.steampowered.com/app/2162800/shapez_2/?l=japanese
一口メモ3D化した事で前作より遊びの幅が増えた自動化工業ゲーム

今回ご紹介するゲームは自動化工業ゲームであるshapez 2です

前作shapezは自動化工業ゲームとして非常に評価が高い作品であり、2になった事でどのような進化を遂げたのか気になるゲームでありますが、PVを見ても分かる通り、平面上で設計していた前作に比べ、3D化したのが大きな違いとなっております。

3D化した事で、見栄えが(前作に比べて)大分派手になったのもそうなのですが、3D故に色々と誤魔化しを利かせる事も可能となっており、工業系が好きな人は回路等も拘りながら効率的な工場設計を目指し、逆に工業系が苦手な人でもかなり力押しで無理矢理解決するような手段を取れるため、工業系ゲームに関心がある人ならば、色々な人にオススメ出来るような内容なのではないかと思います。

基本的なゲームの流れ

ゲームの流れとしては一般的な工業ゲームと同様で、目標の製造物を作り、納めていく事が基本です。

製造したものは中央にある渦(初期地点固定・追加設置等も不可)に一定数納めなければならず、製造・円滑な輸送が本作の主目的となります。

メイン目標(マイルストーン)とサブ目標(タスク)が2つあり、メインを達成すると新規要素が解放され、サブ目標を達成すると研究力が貯まり、輸送速度の強化など更なる効率化を図る事が出来ます。

なおオマケ要素ですが、オペレーターレベルといって世界とランキングを争えるような要素もあり、いかに効率的に輸送してオペレーターレベルを稼ぐかといった遊び方も出来ます。

なおPVなどを見ると、渦を中心に生産拠点を作っていくゲームのように見えますが、実際は中盤辺りから宇宙各地に製造拠点を作り、その終点として、渦へと製造物を輸送していくようなスタイルが一般的になるのではないかと思います。

↑中央の渦へと納入する事が主目的になる。
 なお渦に列車が突っ込んでいるが、これも納品手段の1つ。
列車で輸送した品が纏めて納品される。

↑メイン目標を達成すると、新要素が解放される事になる

↑一方でサブ目標を達成すると、研究力が貰え、製造ラインの強化も出来る

↑やり込み要素としてオペレーターレベル上げといったものもある

①製造物が分かり易い

本作で作れるものは全て図形を組み合わせたものとなっています。
1つの図形に対して①着色する ②重ねる ③2等分・4等分にして組み合わせる ④その他(ピン止め)の4つの行動を組み合わせて目的のものを作る方式です。

それ故に、どのようにすれば目的のものを作れるのかが非常に分かり易く、製造過程の計画も非常に立てやすいものとなっています。工業系ゲームというのは基本的に後半に行けば行くほど製造過程が複雑になり、製造計画を考えるだけで四苦八苦するという事も場合によっては起こり得るわけですが、本作は図形を組み合わせれば良いだけなので非常に分かり易いものとなっています。

また、一般的な工業ゲームの場合、素材というのは基本的に厳密に決まっている訳ですが、本作は図形を組み合わせるという性質上、素材においてもかなり融通を利かせやすく、この点でもハードルが低く取っつきやすいです。

↑基本的な工業ゲームの場合、終盤に行けば行くほど便利になる代わりに要求される素材が複雑になる

↑本作は図形を組み合わせるだけなので、非常に簡潔で分かり易い
レイヤー分け・4分割表示等にも対応してるので、細かく確認も可能

↑また図形故に、製造までに取れるアプローチが多いのもハードルの低さに繋がっている。

↑実際に製造してみると例えば上記のようになる。
 素材の一部分だけで目標を製造出来た他、残りのパーツで円も作れた。
なお製造工程は分かり易いよう大袈裟になっているだけで、もっとコンパクトに出来る。

②上位製造物から逆算的に製造ラインを考えられる

工業ゲームだと基本的に下位素材を作っていくと上位素材が明らかになり、そこから既存の製造ラインを修正しつつ上位素材を作れるような体制を整えていくのが普通です。

一方で本作は、極一部の要素を除いて最初から殆どの素材を扱え、上位目標も全て明らかにされているため、最初から上位目標を見据えた製造ラインの構築が可能です。

更に、任務の完了報告自体は順番通りに(=下位素材から順番に納品)しか出来ませんが、事前に上位製造物を納品してしまってもカウントしてくれる方式になっているため、上位製造物まで賄えるような製造ラインを最初から作ってしまっても無駄にならない新設設計となっています。

そのため、煩雑になってでも今あるものを少しずつ修正していくのが好きなタイプの人にはあまり向かないかもしれませんが、計画的な工業建築をやりたいタイプの人の場合にはオススメです。

↑何を作るべきか最後まで全て明らかになっており、上位を踏まえた製造ラインを考えられる。
※最上位製造物がしっかりカウントされている=無駄にならない事もわかる

③3D化故の設計幅の拡大

最初の方でも述べた通り、3D化した事で、全体的に設計幅が大きく伸びています。
特に縦軸の概念が出来た結果、一見行き止まり状態になっても上に逃げたりする事も出来るため、自由なライン構築が行えます。

↑3D化で設計に融通が効くようになった。
 その場で垂直に挙げられるため、かなり強引に繋げられる。
階層は最大3段階に対応。

↑なお階層変更などで対応出来なくとも、レーンを壊さず横断出来るランチャーなどもある

↑3D化で一番凄い目立つ所と言えばやはり渦に飛び込む列車

④ユーザーフレンドリーな機能の数々

本作はユーザーフレンドリーな機能も沢山あります。

特に便利なのがショートカット操作の数々で、コピー&ペースト・切り取り移動・スポイト操作など、パソコンを使う上では馴染み深い数々の機能が使えるようになっており、大型製造ラインの改築といった事も簡単に行う事が出来ます。

更に工場系ゲームだと近年はお馴染みになりつつあるブループリント(設計図)機能もあり、本作の場合は更にショートカットバーに複数登録して、すぐさまに呼び出せる機能も実装されているため、元となる施設を1つしっかり作ってしまえば、そのまま省エネルギーで他の場所に使いまわしたりといった事も可能です。

↑実際に便利機能を使ってみた例
 使いこなせれば非常に少ない手間で作成できる

⑤通常モードは全体的に設定緩め

本作は通常モードと、2週目向けのチャレンジャーモードとありますが、通常モードに関しては全体的に緩めな設定になっています。

無限資源(枯渇しない資源)、燃料・電力の概念なし(装置は設置した時点で起動して機能する)、コピペやブループリントからの作成も無償で行えるなど、純粋な自動化工業ゲームをやりたいタイプの人(所謂サバイバル要素のない工業ゲームをやりたい人)には特におすすめな作品です。

①エラーが分かるまでに時間がかかる

本作は基本的に倍速機能もないため、実際に製造ラインを動かして挙動を確認しようとすると時間がかかります。※倍速の機能自体は存在するが、基本的には使用を推奨されていない。

図形プレビューといって、完全に製造ラインが動く前に何が完成するか見れる機能があるため、普通に製造ラインを作る分には特に困らないのですが、どちらかというと長時間稼働によるエラーの確認が非常に時間がかかります。

そのため大抵は、定期的にタスク一覧を確認して、納品数の進みが悪いor止まっている製造品を見つけて初めてエラーに気付くというパターンが多いです。

中盤辺りからは、要求製造数が一気に上昇する事もあり、基本的には待機時間の間に他の製造ラインを作っている事が多いのですが、その待機時間の間にエラーが発生して待機時間が無駄になると中々に虚しくなります。

余剰生産物を無限に捨てられるゴミ箱など、エラー発生を是正する手段自体はありますが、是正出来る代わりに生産速度が引き換えになったりもするため非常に悩ましいポイントです。

↑製造ラインを作っている間は便利機能のお陰であまり気にならない

↑一番よくあるエラーパターン

生産ラインが増えるタイプの装置は、効率が良かったり、省スペースになるが、工夫をしないとエラーも起きやすくなる。

②大規模工業建築というより散発的な建築がメイン?

PVなどを見ていると、渦を中心に建築が進むように見えますが、実際は序盤だけで、むしろ各地で散発的に製造拠点を作る事が多くなるのではないかと思います。

正直な所、これはプレイスタイルもあると思うのでなんとも言えませんが、ゲーム中盤で解放される列車が輸送効率に非常に優れており、更に研究を進めると、列車をそのまま渦に放り込める関係上、増えていく素材の納品ルートを渦の周囲で逐一管理するよりも、各地で作って列車に載せてそのまま渦に突っ込ませた方が手間暇なく納品する事が可能なためです。

特に一般のレーンは、同じ輸送レーンを共有する製造物が増えれば増える程輸送効率が落ちていくのに対し、列車は同一輸送レーンを共有しても、一度に輸送出来る量が多い関係上、輸送効率が落ちにくいため、どうしても列車中心の輸送ルートを構築しがちです。

↑例として筆者の構築例
 渦地帯も多少発展しているが、周囲に輸送ラインを張って現地で製造するのがメインになった

③意図的かもしれないが【理想的な】資源探しは面倒

図形故に製造アプローチの方法が多い事は紹介しましたが、一方で資源探しはかなり面倒です。

製造で効率的&楽をしたい場合、形が全て一致している資源か、一部形が違う代わりに既に着色されている資源を探すのが一番手っ取り早いのですが、そういった資源を目視で探さなければならないためです。図形検索or探査機能というものもないため、上で紹介した地図画像を見て貰っても分かりますが、理想的な資源を探そうとするとかなり大変です。

既に説明したように、一部分でも一致すれば、そのパーツだけを切り抜いて製作できるため、切って貼ってをなるべくやってもらうために、意図的にそうしている可能性もあるのでなんとも言えませんが、妥協して製作するという事も多かったです。

以上がshapez 2の紹介記事になります。

一応アーリーアクセスのゲームとはなっていますが、ボリューム面にしても、ゲーム面にしても、またバグらしいバグもあまり確認出来なかったという事もあり、現時点で非常に完成度の高いゲームとなっています。

防衛要素・サバイバル要素といったものがない見下ろし視点型のゲームという事もあり、他の工業系のゲームに比べると絵面が多少地味な所もないわけではないですが、それ以上に魅力的なゲーム性と、様々な便利機能に支えられた自動化工業ゲームなのではないかと思います。

前作も名作は名作なのですが、今作はそれ以上に遊びやすい作品となっているため、工業系のゲームに興味があるなら間違いなくオススメです。

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