ゲーム概要
ゲーム名 | Oblivion Remastered(オブリビオン リマスター) |
ジャンル | RPG、オープンワールド、ファンタジー、探検 |
プレイ人数 | 1人 |
プレイ時間目安 | 寄り道しないでメインクエストだけやるなら15時間前後 サブクエストや大型DLCクエスト含めれば数百時間 |
販売形態 | Steam、PS5 |
価格 | 6930円 |
参考URL | Steam https://store.steampowered.com/app/2623190/The_Elder_Scrolls_IV_Oblivion_Remastered/?l=japanese |
一口メモ | 多少遊びやすく改変されているが、基本はあの頃のままなリマスター作品 |
公式PV
はじめに
今回紹介するのは、ベセスダが2006年に発売したオブリビオンのリマスター版であるOblivion Remasteredです。リマスター前のOblivionはGamebryoというゲームエンジンで作られていたのですが、それをUnreal Engine5にほぼそのまま移植したようなゲームになっています。そのため、当時そのままのノリで楽しめるような作品になっています。※なおGamebryoとは、フォールアウト3やシヴィライゼーション4に使われた他、日本のゲームで言うと侍道3やエルシャダイなどで使われています。
ただし当時そのままの移植作というわけでもなく、一部ゲームシステムに改変が入り、遊びやすくなっているのも特徴的です。特に後述しますが、レベルシステムやスキルにおける経験値設定の改変は大きく、稼ぎ行為等をそこまで積極的にやらなくても良いようになっています。(逆に稼ぎ行為をやった場合の負担も減っている)
リマスター前のOblivionは、そもそも対応OSが古い事もあり、現代だと環境を整えるのがかなり手間な所もあったので、Oblivionに触れてみたかった人には嬉しい作品になっています。※リマスター前をただ遊ぶだけなら簡単なのだが、日本語化導入まで含めるとハードルが上がる。
良い所・オススメな点
①基本的なゲームの自由度が高い
オブリビオン最大の売りはゲームの自由度です。自由度と一口に言ってもゲームシステムにおける自由度や、ストーリー進行の自由度など色々ありますが、オブリビオンの場合は特に前者のゲームシステム上の自由度が高い作品になっています。
特に大きいのは①好感度システム②呪文作成の2つでしょう。どちらも次回作であるスカイリムでは廃止されてしまったシステムなので、オブリビオン限定の要素になっています。※好感度システムに関しては、正確にはスカイリムだと隠しステータス扱いになってしまった。
①の好感度システムとは、NPC毎に好感度値が用意されており、好感度に応じてプレイヤーと敵対~優遇まで様々な対応をしてくれるシステムになっています。例えば、クエスト上絶対に敵対するNPCを除き、敵対NPCの好感度調整をする事で、無理矢理友好化したりといった芸当も可能です。
優遇に関しても、単純に会話内容が好意的になるだけの者から、色々と追加で対応してくれるようになる者まで様々であり、例えば衛兵と仲良くなると、軽犯罪(窃盗・住居への不法侵入等)を見逃してくれるようになったりするため、窃盗行為を働く前に周囲のNPCと仲良くなっておくなんてプレイも出来ます。
②呪文作成はその名の通り、ゲーム内で使用出来る呪文を組み合わせて様々な呪文を作れるシステムです。例えば魔法耐性を下げる魔法と攻撃魔法を組み合わせて、攻撃しつつ相手の耐性を下げる魔法を作ったり、速度上昇の魔法とスタミナを回復する魔法を組み合わせて移動を快適にする魔法を作ったりなど、本当に色々な方向性の魔法を作成出来ます。
魔法作成時には効果量(魔法の威力)・効果範囲・効果時間等も調整出来るので、用途に合わせて細かく調整したり、単純に店売り魔法の上位版を作ったりという事も出来ます。
魔法の組み合わせには特に制限はないのですが、組み合わせる魔法の種類や、魔法の効果量を強化すればするほど、当然消費MP(ゲーム内用語ではマジカ)が増えるため、自身の最大MPと相談しながら魔法を作成していく事になります。
↑例えば敵対NPCの山賊を、魔法と好感度システムの併用で無理矢理友好化出来たりする
これがクエストNPCならば、友好化で無理矢理戦闘回避といった芸当も可能
※対象NPCが討伐対象でない場合に限る
↑NPCによっては好感度を上げると恩恵を受けられる場合も
ただし衛兵の場合、好感度100が必須
↑魔法作成は消費MPの許す限りいくつでも組み合わせる事が可能
動画は魔法兜召喚+魔法斧召喚+光源召喚+髑髏召喚の4つも組み合わせている
②良くも悪くも無法な効果を持った魔法・アイテムが多い
本作では使い方次第でかなり無法な効果が多いです。裏を返すと、それらの使用用途を絞ってある程度限定しないとプレイが淡泊になりかねない所もあるのですが、無法な効果の存在が、①のゲームの自由度を支えている所もあります。
例えばオブリビオンで最も無法な効果というと、不可視の存在が挙げられます。簡単に言うなら隠密度のようなものであり、不可視の効果量が高ければ高いほど、敵に見つかりにくくなるわけですが、この不可視の効果量が100%に到達すると、敵に認識されなくなるというチート効果になっています。
敵に認識されなくなるというのは、見つからないというだけでなく、例えば敵に攻撃したとしても、攻撃そのものが認知されない=反撃されない 状態になるので、まさに好き勝手出来てしまうわけです。
これを縛らない場合、ラストまで敵を一方的に殴って終わりになってしまうので、実際は探索が非常に面倒なダンジョンの探索や、ステルス系のミッションに限定して使用するという事が多いですが、こういった無法な効果を色々駆使して好き勝手に遊べるというのもオブリビオンの魅力でしょう。
↑不可視状態は完全に認識されなくなるので、攻撃しても無抵抗or逃亡しかないチート状態
このため不可視状態はある程度縛らないと緊張感が無くなる
↑不可視状態なのを利用して目の前から堂々と不法侵入し、
毒リンゴをスリ渡して暗殺プレイといった事も可能
③一部遊びやすく改善されたゲームシステム
はじめにで述べたように、本作はシステムが幾つか改善されています。大きいものから不具合修正に近いようなものまで様々ですが、特にプレイに影響するものとしては、具体的に以下の通りです。
特に①~③はかなり直感的に理解しやすくなったのは大きいのではないかと思います。
↑オブリの難点として複雑で入り組んだダンジョンが多い事が挙げられるのだが、
千里眼の追加で目標までの移動ルートが表示されるのがかなり優しくなった
④グラフィックの大幅強化
元が2006年のゲームだった事もあり、グラフィックが大幅に強化されています。それに合わせてキャラモデル(特に顔面)も新グラフィック基準で作り直されているのですが、オリジナルの雰囲気そのままの人もいれば大幅に変わった人まで様々です。(オリジナルから髭が新たに追加された結果、男性キャラは髭が生えて印象が大幅に変わったキャラが多い)
↑オープニング比較動画、当時からのグラフィックの様変わり様がよく分かる。

↑自キャラも比較的整った顔に出来るが、しわなどがある関係で凄い美男美女とまではいかない

↑リマスター版の美男美女達(当社比)

↑アルゴニアンは特に改変具合が激しい
トカゲ顔で目がギョロっとしていたのが、亜人寄りになった。
⑤一部日本語版未導入だったDLCが同梱されている
2006年(2009年発売のGOTY版含む)当時に日本語版だと未配信だったDLCも同梱されており、当時のファン向けとしても嬉しい要素があります。大型DLCである九大神の騎士とシヴァリング・アイルズは当時でも遊べたので、全体的に呪文が追加されたり幾つかプレイヤー向けの拠点が追加されたりなど、小物DLCが大半です。
この中で目玉要素になるものを挙げるとしたら、呪文作成と付呪が出来るFrostcrag Spireという自宅が追加されるのは大きいでしょう。魔術師ギルドのクエストを行わずとも呪文作成が出来るため、呪文作成解放のために、焦って魔術師ギルドに取り組む必要がありません。

↑どこかの山頂にあるFrostcrag Spireという塔は、多機能自宅となっており便利
気になる点・注意点
①あくまで2006年のゲームのリマスターであるという点
見栄え等は大幅に進化しているオブリビオンでありますが、あくまで2006年のゲームが元になっているというのは注意点が必要です。
特に気になる所があるとしたら、クエストが全体的にあっさりしている所は特徴的でしょう。エフェクト等は現代水準に強化されているのですが、そもそものクエスト展開や演出は元に忠実なので、2012年に発売された次回作のスカイリムと比較しても、サクサク進んで大規模専用演出もなく終わる事が多いです。
この他にもTESシリーズとしてみた場合、ゲームシステムの自由度はオブリビオンの方が高いと思うですが、初心者向けとしては次回作のスカイリムの方が分かり易いのではないかと個人的には思います。というのも、オブリビオンは実際に各地を探索したり聞き込みする事でクエストがドンドン発生していく事が多いので、今何をすれば良いのかの導線がわかりにくい所があり、次回作のスカイリムの方が導入のハードルはかなり低いというのが理由として挙げられます。
またゲームシステムの自由度に関しても、裏を返せば好き勝手やるにはゲームシステムそのものへの理解度が要求されるので、初心者が遊ぶ場合、一々調べて確認しないと遊びにくいというのもスカイリムの方が初心者におすすめされやすい理由として挙げられます。

↑オブリは一部ゲーム的難易度を優先する関係上、ただの野盗が最上級防具を装備する事も
こういった敵に対応していくには、ゲーム内知識への熟知が求められる
↑なお初心者向けのガイド記事も作成したので、よろしければこちらもどうぞ
②当時の致命的なバグは直されたが、それはそれとしてバグは多い
当時の致命的なバグは治されたのですが、それはそれとしてバグ自体は多いです。個人的に気になったのは透明化バグで、一度透明化や不可視化を行うと、セーブデータを再ロードしない限り、永続的に自キャラの見た目が透明化状態のままになってしまうので、一々ロードするのが手間でした。
樽を利用したアイテム増殖バグや、最大マジカを実質的に無限に増やせるバグ、リマスター前当時から存在した堕落の杖によるクエストアイテム増殖バグなど、プレイヤーに有利になるようなバグ(グリッチ)も多数存在するため、必ずしも損するばかりでもないですが、もしものバグ対策のために頻繫にセーブする必要はあるゲーム性になっています。
おわりに
以上がオブリビオンリマスターの紹介記事になります。当時は①オープンワールドゲームである事②ハリボテの家が存在せず建物1つ1つに内装が用意され、住人が住んでいる事③ゲームの自由度の高さ といった要素が評価された作品であり、オープンワールドゲームが大きく普及する前の頃のゲームだったため、物珍しさから評価されていた点もなくはないのですが、作りこまれた世界観や、基本的なゲーム性は今なお色褪せず、ファンタジー系のオープンワールドRPGに関心がある人ならば、ぜひ一度遊んでみてほしい作品になっています。
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