【ネタ】スト6のザンギのツンドラストームを研究してみた

ネタ

変に期待させたら悪いので結論から言いますと

ツンドラは弱いです

じゃあなぜ研究を

ザンギの謎の当身技ツンドラストーム。

プロ選手でも何故か使っている人がいたりなど、最近見かける機会が増えているのですが、実際の所この技についてよく知らない人が大半だと思います。ザンギ使いであっても、初めてザンギを触る際にコマンド表を眺めて知るといった事はあるかもしれませんが、公式の説明だけではよくわからず、ネット上での評価を調べたらゴミ扱いされている事が多く、「あっ、使わない方が良いんだ」という所で止まっている人が大半かと思います。

実際ネット上で調べて見ても、ツンドラストームで取れる技がキャラ別で纏められていたりといった事は何故かあるものの、基本的にはネタとして消化されている事が多く、具体的に調べた上で研究したものはありませんでした。研究する価値が殆どないから仕方ない

という事で今回は夏休みの研究がてらこのツンドラストームについて研究してみたいと思います。

8月29日:追記
一部ツンドラで取れる技について補足の項目を追加

まずツンドラストームの基本性能を抑えておきましょう。公式の説明としては以下の通りです。

①コマンド表上での説明
相手の立ち状態のキックを受け止めて投げる当身技。
受け止められる攻撃が限定されている分、ダメージも高い

②公式フレームデータ上での説明

発生 5F 持続5-55F 硬直24F ダメージ2400
Dゲージ増加1万5000 Dゲージ減少 -1万 SAゲージ増加2000
属性 投げ
備考 当身判定は地上の蹴り技にのみ反応する

③比較用にJPのアムネジアの公式フレームデータ

発生3F(ODは1F) 持続3-20F(ODは1-20F) 硬直35F ダメージ800(ODは1200)
Dゲージ増加 1000(ODは0)
Dゲージ減少 ガードで-2500(ODは-3000)
       ヒット時(パニカン時)-3000 -5000
SAゲージ増加 1000(ODで1200)
属性 上段・弾
備考 当身成立時にドライブゲージ10000増加(通常版のみ)
   当身成立時に飛び道具が発生
   ※コンボの3段目以降に補正がかかる 

↑参考画像

蹴り技を取れる当身技がツンドラストームという技になっている。

まず注目されるのは発生5Fの所です。技を入力した瞬間当身が発生する訳ではなく、ワンテンポ遅れて発生するようになっており、このため基本的に起き上がりのカウンターには使えません。実はこれはJPの通常版アムネジアに関しても発生3Fとほぼ同様であり、JPのアムネジアは基本的にOD版が使われて通常版が使われない理由の1つにもなっています。

↑発生が遅いので、相手の入力が遅くない限り基本的に当身技が出る前に潰される
 ※1回目はリュウ側の入力が遅かったから取れているだけ

↑ノーマルアムネジアでも同様の事が言える

もう1つはDゲージの増加量が挙げられます。1万5000という数字は、コンボでそこまで稼ぐキャラクターはいても、技単体でここまで稼げるキャラはスト6では他にいません。そもそも基本的にはどんなキャラクターでも5000が最大増加量であり、酒4杯飲んだジェイミーが更に1杯飲んだ時でさえ5000な事を考えれば、その3倍というのはかなり破格の数字となっています。

↑決まった瞬間ドライブゲージが盛りっと増える

そして最後のポイントは【地上の】蹴り技しか取れないという所です。
パンチ系の打撃や投げは受け止められないのは勿論の事、空中系の蹴り技は取る事が出来ません。

↑パンチ技・投げは勿論、空中から蹴るタイプの技も取れない

本記事最大のポイントがこの項目です。
何故取れるのか何故とれないのかなど、理由も考えつつ考察してみました。
番号が進めば進む程オタクっぽくなります

①蹴り技はあくまで入力ボタンではなく技で判断

当たり前な話なのですが、ツンドラで取れる技というのは入力コマンドではなく技で判断されます。例えばエドはK(キック)入力の技であってもパンチ攻撃を行うキャラクターとなっており、蹴り攻撃は1つも存在しないのですが、この場合ツンドラで取れる技は1つもありません。

逆にジュリは強P(パンチ)入力が、パンチ入力であるにも関わらず蹴るタイプの技になっているのですが、この場合はちゃんとツンドラで取る事が可能です。

このようにツンドラの可否はあくまで技事に判断されているという事になります。

②SA技は取れない

まずSA技は問答無用で取れません。最初は無敵技が取れないだけかと思ったのですが、SAの中では無敵判定がない数少ないキック技であるDJのSA1も取れないため、SAそのものが駄目なようです。

↑無敵のないDJのSA1も取れないため、SA技自体が取れない模様

③下段は取れない

ザンギのツンドラストームの構えを見ると分かるのですが、足元まで手が届いていない事のが分かるかと思います。この結果、たとえ足技であっても下段技が取れません。キャンセルドライブラッシュの起点になるしゃがみ中足攻撃など、強力な足技は下段判定である事が多いのですが、これが軒並み受けれない結果となっています。

↑見た目通り足元がお留守になっている

↑足技であろうと下段技は大体駄目

↑一見取れてそうな見た目をしているが、下段なので取れない

↑特にDJのしゃがみ強Kは左脚にもしっかり判定が付いている
 そのためタイミング次第では上半身アーマー技で取れるのだが…
ツンドラではどうやっても右足が先に引っ掛かり駄目

④上段・中段は取れる技が多いが、やっぱり足元を蹴る技は駄目

下段が駄目なら上段・中段はちゃんと取れるのかという話になってくるのですが、基本的に蹴り技なら上段・中段はちゃんと取れる技が多いです。特にダルシムのように遠くから蹴ってくるキャラでさえ、不自然な程に急接近して投げるため、思ったよりはちゃんと投げられる技になっています。

↑例えばラシードは上から蹴りかかる技だがちゃんと取れる

↑見た目的には②のジェイミーの技と似ているが、こちらは当身で取れている

↑なんなら足技ならちゃんとインパクトも取れる

↑一番凄いのがダルシムで、あまりにも不自然な投げを決める

しかしながらダルシムの中Kやキンバリーの弱Kなど、当たり判定の問題か、上段の蹴り技でありながら位置によってはちゃんと受け止められない技がいくつかあります。ツンドラで受け止められない時は大抵ザンギの腕をスルーして足元を蹴っているように見えるので、当たり判定も同時に問題になってくる技となっています。

↑キンバリーの弱Kは上段技となっており近場はしっかり取れるが離れると駄目
無駄に判定が厳しい技である

↑AKIのしゃがみ強Kに至っては、上段の蹴り技にあるにも関わらずどの距離でも駄目
これにはザンギもビックリ

⑤上側の判定は強い

足元が弱い事は分かりましたが、上側はどうかというと、こちらは打って変わってかなり強いです。
上から下へと蹴り落とすような技はほぼ受け止める事が可能です。上に蹴る技は空中も蹴れるように判定が優秀な事が多いため、おそらく判定の優秀さが仇になってツンドラの判定に引っ掛かり易いのではないかと思われます。

↑最早どう受け止めているのかわからない技もあるが、上側は意外に優秀

ただし例外もあり、全キャラで唯一ジュリのしゃがみ強Kだけは受け止められません。上段技で特に特殊な状態にある技でもないにも関わらず取れない技となっています。あくまで憶測になるのですが、ジュリのしゃがみ強Kの判定は少し前気味に出ている上に、対空に使える程上側に判定の強い技となっているため、丁度良い形でザンギのツンドラの判定を乗り越えているのかもしれません。

↑ザンギ2度目の驚愕展開
どう見ても受け止めそうな技にも関わらず蹴られている 

↑似たような技としてはダルシムや豪鬼がいるが、こちらはちゃんと取れる

⑥空中判定がかなり厳格

まず原理がわからないと摩訶不思議な動画を2つご紹介します。

↑同じ技なのに強度によって取れたり取れなかったりする春麗
順番は弱→中→強→OD

↑これまた竜巻系の技でありながら取れたり取れなかったりするケン
 最後のOD竜巻に至っては、取れてる音がするのに取れてない謎状況である
順番は弱(近)→弱(遠)→中→強→奮迅竜巻→OD

ザンギ困惑

ここで重要なのは、ツンドラストームの攻撃の種類です。最初にも振り替えましたが、ツンドラは地上の投げ技となっています。つまり空中にいる敵や無敵状態の敵は投げられず、地上にいる敵だけが投げられます。ツンドラ成立時に相手が地上にいるのか空中にいるのかが重要なわけです。

以上を踏まえて考えると、まず春麗の場合、実は強天翔脚以外は攻撃直後は地上にいる技となっています。地上で攻撃判定が出た後に空中へと飛び上がっていく技になっているわけです。一方強は、攻撃判定が最初から空中で出るため、強だけツンドラでは取れないという仕組みになっています。そしてOD天翔脚は無敵技なため、地上技で一度成立するも、無敵時間中なため投げられず終わる形になっているわけです。

↑一見空中に飛んでいるように見えるが…(画像は弱天翔脚)

↑弱天翔脚の場合、出始めに相打ちになると春麗が地上で仰け反っている事が分かる

↑一方強天翔脚は、相打ちでふんわりと浮かびながら倒れ、空中技となっている

次にケンの場合ですが、これも同様です。ケンの弱竜巻は世にも珍しい出始めだけ地上にいる技となっています。竜巻系の技で地上判定がある技は、これ以外には豪鬼の強竜巻(後で紹介します)しかありません。そのため弱竜巻しか取れていない訳です。

一方でOD竜巻は春麗のOD天翔脚と違い、無敵技ではないも関わらず、ツンドラ成立音が聞こえながら投げられていません。このOD竜巻は実は最初の1Fだけ地上判定の技であり、次のフレームからはもう空中にいる技となっています。この事から、実はツンドラは最初に発生5Fの当身技を出し、当身が成立したら、発生1Fの投げ技で投げている技となっている事がわかります。つまり発生5Fの当身を成立させた上で、発生1Fの地上投げも成立させないと成功しない技となっている訳です。なんて面倒臭い技なんだ…
※実質的に条件付きの発生6Fのコマ投げ技とも言える

↑ツンドラ成立時によく見ると3Fの攻撃判定が出ている事が分かる。
 これがツンドラ成立後の攻撃判定(コマ投げ判定)となっている。

↑ケンの弱竜巻のフレームデータ
最初の赤(攻撃判定)が地上判定で2回目が空中判定

↑OD竜巻発生時(9F目)での相打ち
ケンが地上で仰け反っている事が分かる

↑OD竜巻発生から1F遅らせた(10F目)時の相打ち
 ケンが空中からふんわり落下(=空中判定)している

このようにツンドラストームはかなり厳格な条件があり、それらを乗り越えて初めて成立する技となっています。このため、一見成立しそうで成立しない技は大抵下段か空中判定の技である事が多いですし、成立してるのに投げられない技については、成立直後に相手が空中にいる事が原因となっています。

↑例えばジュリの暗剣殺は投げられそうで投げられないが、これも空中技なため

↑豪鬼でもケンのOD竜巻と似た事態が起きる
 なお当身自体は成立してるため、硬直が早めに解け、追撃する事自体は可能

↑これも最初の1Fだけ地上におり、それ以降は空中にいるために起きる不可思議現象となっている

↑なおここまで見て来て明らかのように、対空必殺技も少しずつ挙動が違う
 試しにワンボタン対空技を取り上げて見ても千差万別である

⑦地上にいながら空中判定技は当身だけ成立する

スト6では極一部地上にいながら空中判定の技が一部存在します。
(相打ちになっても地上仰け反りなのに空中判定の技)

このような技は、ツンドラは当身が成立するけどコマ投げに派生しないパターンになっています。

↑クラシックザンギのドロップキックなどが該当する
 この技は元々ジャスパしても投げられず、コマ投げのツンドラも同様の結果になる

↑ガイルのリバスピなども該当する
 当身成立のため硬直はないが、反撃する事も出来ない

⑧まとめ

このようにツンドラストームを取れる技・取れない技の違いから色々見てきましたが、これによって以下の事が明らかになりました。

①ツンドラは発生5Fの当身技と、直後の発生1Fの地上コマ投げが両立する事で初めて成功する
 ※硬直自体は当身技が成立すれば解ける
②コマ投げ技のため、無敵技や空中にいる相手に対しては技が成立しない
③当身技自体は上段・中段技でのみ成立する
④ただし足元を攻撃する技は上段・中段技でも成立しない
⑤SAは無敵の有無に関わらず問答無用で不可

という事です。ツンドラ成立時のリターン自体はそこそこあるわけですが、そもそもの成立条件がかなり厳しい技となっています。

⑨補足 一部無敵技なのにツンドラで取れる技があるよ?

具体的にはODキャノンスパイクが無敵技であるにも関わらず、ツンドラで取れる技になっています。筆者はなぜこの技を取れるのか、よくわからなかったのですが、これはツンドラの問題ではなく、キャノンスパイクの方に問題がある事が検証の結果分かりました。

というのも、ODキャノンスパイクは、公式フレームデータを見る限り7Fまで完全無敵になっているのですが、キャミィは何故か近距離でガードすると7Fでパニッシュカウンターが生えてくるためです。このパニッシュカウンター判定にザンギの攻撃判定がひっかかり、結果的に無敵技なのに投げられる絵面が成立します。

↑近距離でのツンドラ成立時(左)と中距離でのツンドラ未成立時(右)の比較
よく見ると左は7F目でパニカン判定が生えてきている

①判定

ツンドラは一見ザンギの腕に判定があるように見えますが、【⑤上側の判定は強い】にてJPの脚が空中に浮いてても当身が成立している事からも分かる通り、かなり見た目詐欺な判定になっている事が伺えます。試しに奥行がどの程度なのか調べてみた所、次の通りになりました。

↑ツンドラが成立しないギリギリがここ。これより先に進むと投げられる。

後は下側ががら空きであったり、上側は引っ掛かり易い一方でジュリのしゃがみ強Kが当たらない事を考えるとおおよそ当身の判定としては次の画像くらいになるのではないでしょうか。

↑今までの情報を総合して考えた場合の判定の予想。後ろがどの程度伸びてるかは正直全く不明。

思ったよりは狭い上に、この判定に上段・中段技を納めなければならないので、改めてかなり使い所が難しい事が分かります。

②ツンドラキャンセル

コマンドリストを見れば分かりますが、ツンドラは特殊技ではなく必殺技となっています。
これの意味するところは、通常技からツンドラにキャンセルする事が可能です。

やってる事が逆択過ぎる上に、そもそもツンドラにキャンセルするくらいなら必殺技キャンセルせずにコマ投げに行った方がよっぽど良いので、ほぼネタ選択肢と言えます。
※蹴りがインパクトのキャラに噛み合ったらやるという手もあるが、それがやれるならそもそもインパクト返しした方が良い。

↑様々な方法でツンドラに繋がるツンドラ中毒者専用奥義
あらゆる通常攻撃から50F以上不利を背負えるようになる

以上がツンドラストームを研究した記事になります。

ツンドラはDゲージの回復量こそ目を見張るものはありますが、実は演出時間的にコマ投げでも十分ドライブゲージを回復出来る上に、ツンドラが成立しても起き攻めに行く事が出来ないため、リターン以上に失う物が多いです。決まった時の盛り上がりようこそ凄いですが、基本的には相手をムカつかせるための専用技となっています。

そんな技なのでこの研究も殆ど無駄なのですが、せめて色んな人に面白おかしく読んで貰えたなら幸いです。

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