ゲーム概要
ゲーム名 | 三國志8 REMAKE |
ジャンル | ターン制戦略、戦争ゲーム、ミリタリー、外交、歴史物 |
プレイ人数 | 1人 |
販売形態 | Nintendo Switch、PlayStation、Steam |
価格 | 10780円 |
参考URL | 公式 https://www.gamecity.ne.jp/sangokushi8-re/ Steam https://store.steampowered.com/app/2288150/8__REMAKE/?l=japanese |
一口メモ | 三国志武将プレイ(個人プレイ)シリーズの最新作 |
公式PV
はじめに
今回紹介するのは、三国志シリーズ最新作である三國志8 REMAKEです。
本作は三国志シリーズにおいて、武将プレイ(個人プレイ)が出来る作品となっており、数多いる英傑の1人になりきって、様々な立場でロールプレイ的に遊べるゲームとなっています。また本作は、リメイク作品ではあるものの、最新作らしく、グラフィック面や、一部フルボイスイベントの実装など、過去作に比べると、演出面の進化が目立つのも特徴的となっています。
なお筆者は、リメイク前の三国志8も遊んだことはあるのですが、PSP版なうえに、遊んだのが10年~15年以上前で最早記憶にないに等しいので、あくまで新作三国志シリーズとしての評価である点には、ご留意ください。
武将プレイってなに?
三国志シリーズは、作品ごとに遊び方が大きく変化する戦略歴史シミュレーションゲームとなっているのですが、大まかに見ると、2つの遊び方に分類出来るようになっており、君主プレイと武将プレイの2つに分けられるようになっています。
君主プレイとは、一般的な戦略ゲームで多く見られる方式と同様のプレイ方法で、プレイヤーは王として国を治め、戦争行為を通して全国統一を目指すタイプのゲーム方式になっています。君主プレイは、戦争行為による国取り合戦そのものに注力しているので、戦略性の高さが特徴になっています。
一方で武将プレイは、君主だけに限らず、様々な身分で遊べるゲーム性となっており、場合によってはいつでも下野(無所属になる事)出来たりなど、国に縛られない自由なプレイが特徴になっています。
それぞれメリットデメリットがありますが、少なくとも8Remakeに関して言うと、自分でクリア目標を決めて、ロールプレイ的に遊べる人には特にオススメ出来る内容となっています。
↑武将プレイの場合、身分システムが存在する。
君主になってプレイしても良いし、君主を支える側でプレイしても良い。
良い所・オススメな点
①全体的に簡易化されたゲームシステム
これは本作に限った話ではなく、前作三国志14からその傾向性はあるのですが、システムが簡易化され、遊びやすくなっています。例えば過去の三国志シリーズだと、都市ごとに使える兵科が限られたり、兵科に対応した装備も量産しないといけなかったりなど、リアルである一方で、長い目で見ると煩わしくもなる要素があったりしたのですが、本作の場合は、研究さえしておけばいつでも好きな兵科が使えたり、都市開発(内政)も方向性だけ決めておけば、後はほぼ自動的に開発が進んだりなど、簡単になっている部分が多いです。
基本的に本作は、人材交流と戦闘の2つの比重が大きいため、なるべくこれらの要素に集中出来るような作りになっています。武将プレイは、良くも悪くも緩い環境下での自由なプレイが売りとなるプレイ方法なので、遊びやすくなっているのはオススメポイントになっています。
ストーリー進行も、地方平定endなど、所謂中間end(全国統一しなくてもクリア出来る要素)が用意されているため、戦略ゲームにありがちな中だるみの時間も、途中で切り上げてエンディングを迎えるといった事も可能なので、様々な武将に触れやすい環境が整っています。
↑一地域を治めるだけでエンディングに突入する事が可能。
②美麗なグラフィツク・演出の強化
三国志シリーズ最新作という事もあり、グラフィックも全体的に非常に綺麗です。
また演出面でも強化が入っており、イベントによってはフルボイスになる他、更に極一部の重大イベントでは、アニメーションシーンまで入るようになっています。そのため、見る楽しさも本作ではパワーアップしていると言えます。
↑武将のグラが変わるのは毎度の事だが、前作からガラッとイメチェンした武将も
↑ちょっとした背景でも美麗なうえに、細かく動いている
↑イベントによってはフルボイスになり、見応えが十分にある。
③工夫出来るポイントの多い戦闘システム
戦闘システムはかなり工夫出来るポイントが多く、理解が進むと楽しめるものとなっています。特に一番重要なのが事前準備で、知略系の武将を駆使して相手を裏切るように仕向けたり、一緒に戦う武将と仲良くなっておいて、連携による大ダメージを狙ったり出来るような作りになっています。
戦闘そのものは、ターン制なのもあり、かなり単純明快なものになっているので、そこまで特別な作戦を立てたりする必要性に駆られる事はありませんが、相性での連携を活かすのが肝になるので、敵とぶつかる前に、どこまで事前準備をしっかり出来るかが大切なゲーム性となっています。
↑相性の良い武将を複数人作っておくと、次々と連携を発生させられる。
連携は大きくダメージが伸びるので、事前の友人作りが大切になる。
↑事前に計略をしかけ、相手を裏切らせるといった事も可能。
↑三国志13などにもあった副将システムも健在。副将で部隊長の能力を補強出来る。
このため人材確保も重要になってくる。
↑なお自キャラに関しては、鍛錬によって経験点を稼いで強化する事も可能。
そのため、単純に戦えるようになるまでは、引き籠って鍛錬を重ねるといった戦略も取れる。
補足:プレイの幅を広げる相性システム
本作では、友好度システムとは別に、相性(そうしょう)・相克システムというものがあり、相性関係を武将と結ぶと、色々と協力してくれるようになる一方で、相克関係が生まれると、積極的に敵対行為を取られるようになったりなど、人間関係がゲーム性に反映されるようになっています。
更に、戦闘中に一騎打ちなどで相手を殺害してしまうと、血族から仇敵判定を受けたりなど、その時その時で細かく人間関係が変化するようになっており、武将プレイの醍醐味とも言えるようなゲームシステムとなっています。
個人的な不満点として、相性関係になれる人数に制限があったり、プレイヤー操作キャラ以外はこの相性・相克システムを活かす事があまりなかったりなど、必ずしも手放しで褒められるわけでもないのですが、本作で一番面白いポイントなのではなないかと思います。
※一応バランスの問題で人数制限があるんだろうなと察せられる所もあるのでなんともいえない。あの人と相性になりたい!というよりも、内政をしていたり、戦闘を行っていたらいつの間にか流れで相性になっていた(絆を結んでいた)というのが本来の想定なのかもしれない。
↑面会しようとしても門前払いを喰らってしまう事もあるのだが、
面会相手と同じ勢力に相性を結んだ武将がいると、口利きしてくれる事も
↑現状だと最大14人(女性武将だと配偶者が1名までなので12人)まで相性になれる。
↑相性になるには本来特殊演出(共鳴)を4回発生させる必要があるのだが、
荀彧と曹操だと1回で相性になれたりなど、マスクデータもある模様
④全年代シナリオによるシチュエーションの豊富さ
これはリメイク前の三国志8からある特徴なのですが、黄巾の乱が発生する184年から蜀が滅亡直前に追い込まれる263年まで、1年毎にシナリオが存在します。さらにこのシナリオ1つ1つに導入ムービーが存在するため、60以上の様々なシチュエーションで楽しめる作品となっています。
特にこれは、本来の三国志ゲームだとカットされてしまうようなマイナー勢力好きに対する恩恵が大きく、普段の三国志シリーズだと遊べないような勢力で遊べるゲームになっています。
勿論いつも通り史実シナリオとは別に、仮想シナリオもいくつか用意されている他、シリーズ最多の武将数という事もあり、本当に幅広い状況で遊べ事が可能です。
↑1年ごとに好きなタイミングでシナリオを始められるようになっている。
更に仮想シナリオもあるので、発売時点で全部で63ものシナリオがある。
↑普段の三国志だとスルーされてしまうような年代にもスポットがあたるのが本作の魅力
単純に三国志を概観したい人にもオススメ
⑤全体的にはノンビリしたゲーム性
この点に関しては、一長一短ではありますが、かなりマイペースに遊べるゲーム性になっています。戦闘(侵攻)行為は、3カ月(3ターン)に1回しか行えず、その間は内政や鍛錬、友人作りに動くといった形式になっており、所謂リアルタイムで変化するような要素もありません。
戦闘ターンが限定されている事から、過去作品で見られるような、敵が毎ターン矢継ぎ早に攻めて来る所謂わんこそば状態になる事もないので、じっくり遊ぶ事が可能です。
気になる点・注意点
①クリアだけを考えるなら、ゲーム性は単調である
三国志シリーズだと、武将プレイのゲーム全般に言える事なのですが、戦略ゲームとして本作を評価する場合、クリアだけを目指すなら、どんな武将で遊ぼうと、プレイ内容は大きく変わりません。鍛錬で自身を鍛え、強力な武将と仲良くなり、後は準備が整ったら只管侵攻して地方平定(全国統一)を目指すのみです。武将によってプレイスタイルが大きく変わるという事も限定的でしかないので、似たり寄ったりなプレイになりがちです。
そのため【武将プレイってなに?】の項目でも述べましたが、本作のメイン要素はロールプレイであって、戦略的なやり応えを求めて遊ぶゲームではないです。前述した全年代シナリオのおかげでもあって、60以上のシナリオ(状況)が用意されているため、その中で自分なりの目標や縛りを定めて遊ぶタイプでないと、飽きやすいのではないかと思います。
また繰り返し作業が多い事から、所謂作業ゲーに分類されるゲームでもあると思います。作業ゲーは、基本的にチマチマした作業の積み重ねによって、結果が出て来る所を楽しむようなゲームなので、そういった繰り返し作業が苦ではないかどうかなども、好みが分かれるポイントなのではないでしょうか?
②史実イベントの潰れやすさと仮想イベントの少なさが気になる
本作では多種多様なイベントが用意されているのですが、かなり潰れやすくなっています。というのも、イベントの発生条件に、武将の所属・イベント勢力が支配している地域・勢力同士の関係性などが事細かに要求されるため、どれか一つでも外れるとイベントが発生しなくなったりするためです。
そしてこれに関連して気になるのが仮想イベントの少なさです。仮想イベントは、基本的に史実イベントのif展開になるものしかないため、大元の史実イベントが未発生になってしまうと、そのまま仮想イベントも見れなくなってしまいます。
そのため、一度史実展開から少しでもズレると、最後まで汎用イベント以外全くイベントが見れなくなるという事も珍しくありません。
イベント編集・追加機能でもあれば、ここらへんの問題は自力で解決出来るのですが、そういったものもないため、明確に改善して欲しいポイントになっています。
※一応○○のイベントを見たい!というだけなら、先述した通り全年代シナリオなので、見たいイベントの年代に属するシナリオで始めれば、ほぼ確実に見る事は可能。
↑史実イベントの発生条件は厳格で、画像の二喬婚礼は14もの前提条件がある。
曲者なのが、支配地域が関わる場合で、自勢力以外はAI次第なので中々イベントを発生させられない。
③細かい不満はあるが、そこは今後のアプデ次第
まだ発売して間もないので、ある程度は仕方ないと思っているのですが、細かい不満がいくつかあり、これは今後のアプデ次第となっています。
既に公式からも、11月の段階で調整のためのアプデを行う旨が示されており、歴代シリーズに比べると、かなり早い対応にはなっていると思うので、この調子でどこまで改善されるかが気になるポイントとなっています。
参考:公式サイトのアップデートに関するページ
↑このように公式サイトで既にアプデが発表されており、かなり対応が早い
おわりに
以上が三国志8Remakeの紹介記事になります。コーエーテクモゲームス産の戦略ゲーム(三国志シリーズと信長の野望シリーズ)は、値段のせいもあってか、基本的に辛口評価されやすいゲームシリーズになっています。そのため、他のゲームに比べて、かなり低めの評価がされやすいのですが、個人的な経験で言うと、作品毎に好みが分かれ易い作りになっているので、ストア上の評価が高くても、好みに合わず微妙に感じたり、逆にストア上の評価が低くても、好みに合致して非常にのめり込むように楽しむような経験をする事が多いです。
そのため、ストア上の評価だけで立ち止まらずに、ゲーム性が自分に合っているかどうかよく考えたうえで、ゲームを購入するかどうか検討してもらえたらと思いますし、本記事がその助けになったら幸いであります。
なお何度も述べているように、本作は武将プレイが基本のゲームとなっていますが、仮に君主プレイの三国志シリーズを遊んでみたくなったら、三国志11や14などがオススメです。どちらもSteamで購入出来るので、お求めやすくなっています。
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