ゲーム概要
ゲーム名 | TCG Card Shop Simulator |
ジャンル | シュミレーション、管理、経済、収集ゲーム、3D、経営、早期アクセス |
プレイ人数 | 1人 |
プレイ時間目安 | 効率良くやって店レベル20が10時間程度 ※新規要素がほぼ全て解放されるレベル |
販売形態 | Steam |
価格 | 1500円 |
日本語化の有無 | 公式で日本語対応済み |
参考URL | Steam https://store.steampowered.com/app/3070070/TCG_Card_Shop_Simulator/?l=japanese |
一口メモ | 黙々と作業するのが好きなタイプの人にオススメな経営ゲーム |
公式PV
はじめに
今回紹介するのは、9月15日に発売されて以降、なにかと話題になるカードショップ経営ゲームであるTCG Card Shop Simulatorです。本作はカードを売るのは勿論の事、カードゲームに関連する商品(プレイマットやスリーブなど)や、カードゲームキャラクターのフィギュアを取り扱ったりなど、架空のカードゲームTetramon(テトラモン)を取り扱うカードショップとして活動出来るゲームになっています。
早期アクセスという事もあり、まだまだゲームとしては完全に整っているわけではありませんが、現時点でも十分に楽しめるゲームとなっており、今後への期待も込めて十分にオススメ出来るような作品になっています。
なお、本作の類似作品として、今年の2月頃にブームになった「Supermarket Simulator」を想起される方も多いかと思いますが、「Supermarket Simulator」と本作の開発会社は全く別の会社となっているためご注意ください。筆者が調べた範囲では、本作を開発したOPNeon Gamesは、元々Google Play向け(所謂スマホ向け)ゲームの開発を行っており、そちらで本作の元ネタとなるゲーム(「Tetramon Duel Master」や「Idle Card Shop Tycoon」など)を開発したうえで、初めてPC版向けゲームとして本作を発売したようです。
「Supermarket Simulator」発売以降は、同作を意識した作品がしばしばSteamで販売されているため、本作もその流れの中で開発されたゲームなのではないかと思います。
良い所・オススメな点
①カードショップ経営の要点を抑えたゲーム性
本作はカードゲームショップ経営として大切なポイントがちゃんと抑えられており、個人的にはカードのシングル売り(カード1枚1枚を単体で売る事)と、オリジナルパック(オリパ:1枚1枚は格安なカードを100枚1パック幾らといった形で売る事)の2つの要素は特に壺に嵌まった所であります。
シングル売りは、基本的に高価格カードが手に入った際に、それを売るだけなのですが、カードの相場が日数に応じてかなり大きく変化するようになっており、価格の見直しをした際に金額の上昇or下降を見ているだけでも、カードショップを経営してる感がでて楽しく感じました。アプデ予定を見る限りカードの買取も出来るようになりそうなので、将来的には株のように投機的な楽しみ方も出来るかもしれません。
オリパに関しては、5000~6000円分のカードを1300円などで売ったりするので、基本的には赤字になるものとなっています。しかし売らなければ0円であり、単価の低いカードを纏めて売るのは難しい事もあり、仕方なく売るものとなっており、これは現実のカードショップでも、過度に在庫を抱えないように、同様の理由で行う行為なため、こういったポイントでもカードショップ経営の雰囲気が出ており、楽しめます。
所謂ぽさをしっかり抑えてあるので、経営シュミレーションゲームとしては、雰囲気にどっぷり浸かれるものとなっています。発売後に各所でネタにされた要素として、定期的に悪臭を放つ客が来店するため、悪臭対策が必要だったりなど、こういった所もユニークで面白いポイントになっています。
↑カードの相場はかなり大きく揺れ動くようになっており、こういったものを眺めるだけでも楽しい
↑作業としては滅茶苦茶地味だが、オリパ作りなどもある
↑悪臭対策をしたり、閉店時間で帰らない客を追い出したり…こういった所も雰囲気が出ている
②適度にプレイヤー操作が求められる
この手のゲームに漏れず、本作では途中からバイトが雇えるようになるため、ある程度自動化出来るのですが、自動化した後も、ある程度プレイヤー操作を要求するような作りになっているため、完全にやる事がなくなって放置するといった事態が起こりにくいのもオススメ出来るポイントです。バイト雇用後もプレイヤーが行う行為としては次の通りです。
①カードパック剥き(カード集め)
②在庫管理
③シングルカード販売の管理
とくに①のカードパック剥きは、シングルカード販売ためのカード集めのために行うのは勿論の事、経験値稼ぎ(本作では、店のレベルに応じて扱える商品が増えるようになっており、商品売買かカードパックを剥いた時に経験値が貯まるようになっている)でも欠かせないため、暇があれば常にカードパックを剥いているような状況になります。
また中盤(バイトが2~3人しか雇えない頃)までは、バイトの効率もそこまで良くないため、効率よく遊ぶなら合間合間で店長であるプレイヤーが出張る必要があり、こういった所でも、暇になる機会が少なかったので、一度始めると黙々と遊べます。
↑バイトに任せても、動画のように序盤はかなり遅い。
そのため、中盤頃まで繁忙期は店長が出張る形になる。
③コレクター欲を刺激する要素あり
②で述べたようにカードパック剝きが本作では特に大きな要素となっているわけですが、このカードパック剥きがコレクター欲を強く刺激するものとなっており、個人的には飽きにくいものとなっています。
単純に一般的なカードと高額カードとの差が非常に大きいので、高額カードを引いた時に高揚感があるのは勿論ありますが、一般カードとは別にゴーストカードという超低確率で入っている特殊仕様のカードなどもあり、ここらへんはレア過ぎて売るのも躊躇うレベルです。
単純にパック剝き作業が一定の中毒性を持つような作業になっているので、ゲーム性が合うならば、飽きにくいゲームになっています。
↑数百~数千円が中心となっている所に、たまにガツンと高額カードが出る。
こうなるとかなりテンションが上がるので、中毒性が高い。
↑絵柄が特別なゴーストカードもあり。こういったカードは売らずに展示する事も可能。
10時間遊んで1~2枚レベルにレアなので、非情に希少なカードとなっている。
④先発を踏まえた利便性の改善あり
本作は先発作品を意識しているのか、ところどころで地味ながらも改善している要素が多いです。例えば、発注作業を手元のスマホで行えるため、在庫確認のために一々発注場所と店内を往復して確認する必要がなかったり、発注ミス等で倉庫に納まらない中途半端な箱を1つに纏められたり、金額表示が日本円表記に対応してたりなど、かなり細かいポイントですが、しっかり改善されている点が、心象が良く、オススメ出来るポイントになっています。
↑通貨表記はレジの釣り銭まで変わるという謎の凝りよう。
気になる点・注意点
①細かな不満はいくつかあるが、将来的なアプデで解消出来そうな点も多い
早期アクセスという事もあり、不満が全くないわけではないのですが、既にロードマップが公開されており、アプデで改善されそうな要素も多そうです。
例えば、筆者の場合、扱うカードがあくまで架空のカードなので、値段以外でカードに対する魅力を実感しにくく、更に集めたカードも売るか展示するかしか出来ないのを勿体無く感じていたのですが、この架空のカードで実際に遊べるようにする事がロードマップに書かれており、自分で集めたカードでプレイ出来るならば、ここらへんの不満は改善されそうだなと思っております。
基本的にロードマップで挙げられている内容は、どれもプレイヤーの需要を反映したような内容になっているので、実際にアプデが入ってみないと断言は出来ないものの、将来性には期待できます。
↑ゲーム内で公開されているロードマップ。
大体プレイヤーの需要に応えるものになっている。
②基本は作業寄りで、経営要素はそこまで濃くはない
本作は一応経営シュミレーションではありますが、経営要素にガッツリとしたものを求めると肩透かしになるのではないかと思います。例えば相場は、カードに限らず商品毎にあり、どんな商品でも時間経過に応じて、市場価格は変化するのですが、現状だとたまに商品の価格を変更するだけで、需要の変化に応じて商品を入れ替えたりする必要性はありません。
市場価格に関しても、現状だとあえて市場価格より低めに設定して客を呼び込むといった事もないので、基本的には高く設定し得だったりなど、経営が凝っているゲームで見られるような、扱う商品や価格による駆け引きといったものはありません。
なので基本軸はあくまで、自分の好きなようにカードゲームショップを作る事であり、経営ゲームとしてはそこまでゲーム性があるわけではありません。
③後半のカードが使いまわし
本作は店レベルが5上昇するたびに新パックが解放される形式なのですが、レベル0~25と30~50のパックが、一部を除きほぼ同様のものとなっています。レベル30からは運命パックというものが解放されていくのですが、このパックはレベル0~25の基本カードデザインを派手にしただけのものであり、モンスター絵などは全て使いまわしです。
このため、レベル30以降は、コレクション欲が削がれ、あまりやり込み欲が刺激されません。価格的にも特に変わらないので、店レベル30以降はアプデによる調整を期待したいところです。
↑左が初期パックで右がレベル30パックのカード
カードの基本デザインが異なるだけでモンスターそのものは同じである
更に相場も特に大きな差がないため、あまりコレクター欲が刺激されない
おわりに
以上がTCG Card Shop Simulatorの紹介記事になります。
早期アクセスゲームとしては、十分遊べるゲームになっております。一方で、やり込み要素という観点においては、アプデに期待したい所ですが、ロードマップを見る限りはかなり期待できるような作品になっているので、お値段のお手ごろさもあり、非常にオススメ出来るゲームになっています。
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