【レビュー】ソニックレーシングクロスワールド
-基本システムが非常に良質なレーシングゲーム-

レビュー
ゲーム名ソニックレーシングクロスワールド
ジャンルレース、マルチプレイ
プレイ人数1人~4人
マルチは12人対戦
プレイ時間ソロ向けの基本コンテンツコンプは20~25時間程度
メインはやはりオンラインでのレース
販売形態PlayStation 、Xbox Series 、Nintendo Switch
Nintendo Switch 2 (後日発売予定)
Steam
価格1600円
参考URLPS
https://www.playstation.com/ja-jp/games/sonic-racing-crossworlds/
Switch
https://store-jp.nintendo.com/item/software/D70010000053194/?srsltid=AfmBOorUDxv3g1ggJ3CPLGJFAic6rlUdVXP7qBUEzgxYfU1cHBDIOyws
Steam
https://store.steampowered.com/app/2486820/_/?l=japanese
一口メモ既存レースゲームを参考にしつつ、爽快感&遊びやすさ溢れる出来上がり

 今回紹介するのは最大12人で対戦するレースゲームであるソニックレーシングクロスワールドです。本作では2週目で突然別コースを走るトラベルリングや、ガジェットを持ち込む事で開幕からアイテムを持ち込んだり、性能を独自仕様にチューンアップ出来たりなど、全体的にユニークなシステムが多いゲームになっています。

 そして個人的に一番オススメなポイントは遊びやすさに尽きると思います。この遊びやすさというのは所謂初心者が遊びやすいというのは勿論、アイテムによる妨害があるタイプのレースゲームでありながら、走っていてストレスが少なく、全体的に爽快感があって遊びやすいのが非常にオススメ出来るポイントになっています。

①レース初心者にも優しい仕様

 ゲーム内にてチュートリアルやアイテム解説が用意されており、全体的に丁寧な作りになっているため初心者に優しい作りになっている印象でした。

 また非常に細かい所なのですが、例えば開幕のスタートダッシュの際には画面上にゲージが表示されて、どのタイミングでスタートダッシュすれば良いか視覚的にわかるようになっており、こういった細かい配慮も初心者に優しく感じるポイントになっています。

↑ドリフトやアイテムの後方仕様など、この手のレースゲームに慣れていると今更な説明だが、
1つ1つ丁寧に解説されているので、情報がゲーム内で完結しており遊びやすい

↑アイテムに関する仕様説明などもあり、こういったところも良い点

↑開幕のスタートダッシュにUIが用意されていたりなど、細かい気遣いが光る

②ガジェットによる戦略性の広さ

 、本作ではキャラクターやマシンごとに、スピード・アクセル・パワー・ハンドリング・ダッシュの5つの特性を持っており、例えばキャラクターもマシンもスピードタイプにして最高速度重視にしたり、ハンドリングキャラクターをダッシュマシンに乗せて曲がり角のドリフトダッシュでスピードを稼ぐカスタマイズにしたりといった事が可能になっています。

 一方でえてしてこの手のレースゲームでは、最適解になる組み合わせというのが生まれやすいものですが、本作ではそういった最適化を避けるために多数のガジェットと呼ばれるシステムが用意されており、このシステムのおかげで様々な戦略性が取れるようになっています。

 ガジェットとしては大別してリング系・テクニック系・チャージ系・パラメータ系・サポート系・アイテム系の6つに分ける事ができ、これらのガジェットを最大6つまで持ち込む事が可能になっています。

 例えばチャージ系は、ドリフトチャージに影響するアイテムでありチャージが貯まるまでの時間を短縮したり、チャージを貯まった瞬間にダッシュするとより速くなるアイテムが用意されています。一方でアイテム系は、アイテムの性能を変更(攻撃アイテムの巨大化など)したり、アイテムストックが2つから3つに増やせたり、中にはアイテムガジェットを持ち込まないと出現しないアイテムなども存在します。

 こういったガジェットを組み合わせる事で、長所を活かしたり短所を軽減するようなガジェット選びをしたり、自分のプレイスタイル(トップで走る事に拘るのか、妨害性能に拘るのかなど)に合わせたガジェット選びが出来るため様々な戦略を取ることが可能になっており、結果的に最適解を意識せずに遊べます。

↑マシンについて補足すると、最初からタイプが割り振られており、
 そのタイプ内でパーツを組み合わせる方式になっている。
 基本ステータスの大部分はあくまでタイプで決定されるため、パーツによる影響は小さい

↑全く同じマシンに違うタイプの違うキャラを乗せて比較してみた画像(マシンはスピードタイプ)
各種タイプごとに長所だけでなく短所も用意※されており、
キャラとマシンを合わせる際も、長所を伸ばすか短所を伸ばすか選べる
※例えばハンドリングタイプはハンドリングが得意な代わりにスピードが落ちるなど

↑リング系の例。
 リングはレース中に拾う事が出来るアイテムで、獲得数に応じてスピードが上がる。
リングの獲得機会を増やしたり、リングのメリットを増やしたり出来る。 

↑テクニック系の例
レース中のアクションを強化するものが多い
リング系で紹介したエアトリックボーナスと、例に挙げた超高速エアトリックを組み合わせると
エアトリックでダッシュ性能を上げつつリングを大量に稼ぐ事が出来る。
このようにガジェットを同士のシナジーを意識するのも本作の魅力。 

↑チャージ系の例
既に紹介したようにドリフトチャージを強化するものが多い
チャージ4追加に至ってはいかにそこまで貯めるか創意工夫が要求される

↑パラメータ系の例
 マシンパラメータを盛るというかなり素直なガジェット
 他の系等に比べると影響力が少ないため、余ったスロットに入れる事が多い

↑サポート系の例
 特定状況のサポートや妨害アイテム被弾によるアイテムロストを無効化したりなど
画像右のように被弾時の復帰を早くしたりなどサポートといいつつ影響力が大きいものもあるが、
効果が強力な分、3スロット占有とそれ相応に装備コストが重い

↑アイテム系の例。アイテムに関連した性能を強化する。
 特に打開と呼ばれる下位順位からアイテムによる巻き返しを狙う戦術で影響する。

↑アイテム系にもう少し補足しておくと、アイテム出現率を操作するガジェットまで存在する。
あくまで出やすくなるだけで100%になるわけではないので確実性を若干損なうが、
かなり偏って出るようになるため効果自体は非常に強力になっている、

↑上記分類からは除外したが、中にはキット系といったものも。
3枠占有する代わりに効果が複数あるタイプであり、中にはキット系でのみ付与されるものもある

③全体的な走りが快適

  プレイフィールの話になるのですが、アイテムによる妨害があるゲームであるにも関わらず走りそのものは全体的に快適になっています。個人的に快適に感じるポイントを挙げると以下の通りです。

 ①ガード系のアイテムが多い
  ⇒ガードアイテムが多い結果、妨害をいつ当てるかで読み合いになるので、被弾する機会そのものは意外と少ない。この手のゲームは1位を走る事にデメリットが多いのだが、ガード系アイテムが多いおかげで上位帯(1位~4位くらい)を維持したまま走るといった事も行い易い。

 ②アイテム被弾の重さはそこそこ
  ⇒全体的に被弾後の復帰はそこそこ早めになっている。よっぽどの団子状態になってなければ、たいていの場合被弾したとしても順位を1つ落とす程度に納まるため、①のガード系アイテムが多い事もあり、被弾そのもののストレスは0とは言わないもののかなり減っている。

 ③ダート(芝生)を走るor落下する以外で大幅に減速する事はない
  ⇒加速アイテム使用を前提としたダートを加速せずに走る、もしくは壁のない場所で落下する以外で速度が大幅に落ちる事が少ない。特に壁にぶつかってもそこまで速度が落ちないので、速いマシンに乗っていると起こりがちな、速さのあまり壁を擦って大幅に減速してストレスみたいな事がないのは快適ポイント。落下に関しても妨害アイテム等で落とされるという事はあまりなく、落ちるとしたら大抵はスピード管理ミスでそのまま勢い良く落ちる事が殆どなので、全体的に自分のミス以外で大幅に減速する事がない。

 ④出現アイテムがある程度システム側で管理されている
  ⇒わかりやすい所でいうと、例えば1週目は序盤~中盤で最下位になったとしてもブースト1個しか出てこないという事も珍しくない。あくまで時間帯と状況で管理されているので、よっぽどトップ集団から引き離れてない限り、1週目中盤辺りでドリルといった超高速で自動運転してくれるアイテムなど強力なアイテムが出てくる事はない。この関連で言うと下位からアイテムを使って上位を狙う打開という戦術もそれなりに難しくなっており、1週目後半から2週目中盤までにアイテムを集めて3週目に入るころにはトップ集団に追いつく位置にいないと基本的には成立しにくい形になっている。(特に5位以内を目指すとかならともかく、1位・2位を打開で目指すとなるとかなり難しい)これはレース後半での大幅な逆転劇が起きにくいというデメリットがあるが、一方でトップ集団にいたのに、最終周でいきなりごぼう抜きされて中間位どころか下位集団に落とされたという事が起こりにくいので、レースが大幅に荒れる事によるストレスは起きにくい形になっている。

 ⑤1位にメリットがある&1位だけを狙い撃ちにするアイテムがない(少ない)
  ⇒本作は1位である事のメリットにかなり気を払っており、例えば2週目でコースが変わるトラベルリングも、1週目で1位だったプレイヤーにコースの選択権があったりなど、1位のメリットを前提としたシステムになっています。既に何度か述べていますが、1位はアイテムやリングも確保しやすく、仮に被弾等で1位から転落してしまったとしても、②に挙げた被弾からの復帰が早いおかげでトップ集団による1位争いにはまだ残れるので、トップで走る方が好成績になりやすいよう調整されているのが好印象になっています。またキングブーブとウェイトという1位を狙うアイテムが2つあるのですが、キングブーブは縦長の範囲攻撃、ウェイトは1位と同時に2位も狙うなど、1位だけでなくどちらかというと上位集団を纏めて狙うとうなアイテムになっているので、あくまで下位集団が追いつくための妨害手段であり、上位集団の順位を荒れさせるようなアイテムではないため、これらのアイテムも被弾した所で大きく順位を落とすような事態には基本的にはならないのでこの点でもストレスが少ない作りになっている。※なお④との関連でそもそもキングブーブやウェイトも、1位がよっぽど独走状態でないと出にくいというのもある

以上の事から、特に上位集団で走る事のストレスが少ない作りとなっています。

↑壁にぶつかった時の減速についての動画
 壁でぶつかるのは大抵ドリフトチャージ中なのもあり、そこまで減速しない

↑1位を狙うアイテム自体は存在するのだが、1位だけを狙うわけではない
なおキングブーブはガード系アイテムの中でもガードできるアイテムが限定される一方で、
ウェイトの方はガード手段が多いという違いがあったりする

↑キングブーブの使用例だが、かなり縦に長いので、基本的に1位だけの被弾ではすまない
また動画はあくまでCPU戦なのでごぼう抜きとなっているが、
1位は被弾を避けられない事を察したら、後ろを向きながら下位を巻き込む位置で被弾したり、
最短コース上で被弾して下位プレイヤーを遠回りさせたりなど、
被弾の仕方を工夫する事で、下位に追いつかれど逆転は防ぐ事が可能。

④曲が非常にオシャレかつ盛り上がる

  レースゲームというと曲の盛り上がりもかかせませんが(特にリアル系レースゲームでない場合)、本作は非常に盛り上がる曲ばかりです。さらにタイムアタックをAランクでクリアしていくと、ソニックの過去シリーズの曲が本作用にアレンジされたうえで貰えるようになっており、これを流す事が出来るため、数もかなり膨大な量となっています。

 特に3週目はボーカル付きの曲が多く、ボーカルが付いてなくても、観客が掛け声や合いの手を入れるような曲になっているため、非常に派手です。ソニックの曲というと元から疾走感あるゲーム性に合わせたものが多いため、レースゲームである本作とも高相性となっています。

↑雰囲気を感じてもらうためタイムアタックを3週してみたもの
 3週目の曲だけ聞きたいなら1:37辺りまで飛ばすべし
非常にオシャレで盛り上がる

⑤ソロモードも難易度次第で歯ごたえある物に出来る

 レースゲームというとやはりマルチプレイがメインになりがちですが、仮に本作のソロモードに注力したとしても、CPUの難易度をかなり細かく刻めるようになっており、高難易度設定にすると、それこそマルチでレースするよりもよっぽど難しくなります。

↑CPUの難易度は全部で10段階
5の段階でかなり難しく、9~10まで行くと最早マルチと比べても別次元の強さ

⑥モード数自体は少ないが、様々な走りを楽しめる

 本作に用意されているモードとしては、①グランプリモード②レースパーク③タイムトライアルの3つしかありませんが、意外と様々なシチュエーションでレースを楽しむ事が可能です。全てのモードで速度別レギュレーションがある※他、パークモードが息抜きとしては色々遊べるモードになっています。※なおレギュレーションとしては1:ノーマルスピード 2:ハイスピード 3:ソニックスピード(マルチモードはこれ) 4:スーパーソニックスピード の4つ

 パークモードに関しては、4vs4vs4の3チーム戦、6vs6のチーム戦、強力なアイテムしか出ないエクストリームマッチ戦が用意されている他、出現するアイテムやコース、それにルールを設定出来るカスタムマッチもあり、それなりに自由に遊べるようになっています。(なおパークモードに関してはフレンドマッチ限定でマルチプレイも可能)

↑パークモードには全部で6つのルールが用意されており、それとは別にライバルも存在する

↑カスタムマッチではルールや出現するアイテムまで細かく指定可能

①ごく一部ゲーム内通貨で買えるアイテムの値段設定がおかしい

 本作ではチケットを使用する事でカートパーツやカートを飾り付けるためのアイテム等を購入出来るのですが、このうちオマケ寄りである後者は一部値段設定のおかしいものが多いです。

 グランプリを1周してゲーム内通貨であるチケットが大体100枚程度貰えるのですが、マシンパーツが1つ辺り100~200程度になっているのに対して、マシンを飾りつけるオーラというアイテムは2000要求されたり、クラクションを購入出来るのですがこれが500だったりします。これらは本当にオマケ要素なので普段なら気にならないのですが、ゲーム内実績とも関わっているのは重い所です。

 また本作にはショップとは別にキャラクターにチケットを上げる事で好感度を上げられるというシステムもあるのですが、これが最終的に貰えるものが称号だけとはいえ7000要求されたり(しかもこれがあくまで1キャラ辺り)するため、いくらやりこみ向けのオマケ要素とはいえ、これが23キャラ分用意されている(DLCキャラは例外なため除外)事を考えるともう少し緩和するか、チケットの入手量を増やしてくれてもと思ったりもします。

↑所詮称号などオマケ要素でしかないとはいえ、最大で7000は重い

②今後追加予定キャラが現状全てコラボキャラ

 自社コラボから海外向けコラボまで現状アナウンスされているDLCキャラが全てコラボキャラと内容が大分尖っています。特に海外向けコラボはスポンジボブ、ニンジャタートルズ、アバターなど知っている人は知っているけど、海外アニメ等に関心がなければ知らないようなものが多く、この点は大分好みが分かれそうだなと思いました。

↑現状見えてる範囲のキャラ選出が大分尖っている

 以上がソニックレーシングクロスワールドの紹介記事になります。妨害ありのキャラゲーレースゲームとしてはかなり遊びやすいものとなっており、高品質なレースゲームになっているので、初心者経験者問わずオススメ出来る内容になっています。

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